『World of Tanks』のプレイヤーであれば誰でも、ゲーム中のちょっとした衝突があっという間にエスカレートして手の付けられないことになってしまった、というような経験があることでしょう。ゲームの勝敗は忘れ去られ、チーム内、またはチーム同士での単なる悪口の言い合いと化してしまうような状態です。『World of Tanks』では、こうした振る舞いを「有害な行為」、そしてそこから生じる影響を「有害性」と言んでいます。

一言で言えば、「有害性」とは特定のプレイヤーによる他のプレイヤーへの悪質な行為やその影響全般を指します。

有害な行為の原因は何なのでしょうか?

『World of Tanks』はチーム戦を基本としたゲームです。チームはランダムに編成されるため、年齢、職業、民族、宗教など、多種多様なバックグラウンドを持った人々とマッチングされる可能性があります。こうしたバックグラウンドのちょっとした違いが衝突の原因になり得ます。

戦闘で勝利を収めるにはチームの団結が欠かせません。戦闘中、生き残っているプレイヤーは勝利するためにベストを尽くすことが多いですが、一方ですでに車輌を破壊されてしまったプレイヤーが、生き残っているプレイヤーのミスに対して過剰に反応するというケースもあります。

有害な行為の原因は、プレイヤー間での社会的、心理的な差異だけにとどまりません。チャットルールの違反に加え、スポーツマン精神に反する行為(例: チームキル、チームダメージ、放置行為など)、侮辱的なプレイヤー名やクラン名の使用、またはクランとしての評判などが、有害な行為を引き起こしてしまうこともあります。

ゲームに直接関係していないことが有害な行為に繋がってしまうこともあります。インターネットは匿名性が強いため、オンライン上で関わる人々に自分の実名やバックグラウンドが知られることはないと思い、自らの言動に対する責任を負わなくても良いと感じるプレイヤーもいます。また、自らの言動が他の人々にとって侮辱的であると気付かないプレイヤーもいるでしょう。

ゲームに関係のないストレスも有害な行為を引き起こす原因となり得ます。

残念なことではありますが、一部のプレイヤーにとっては、有害な行為をすることが当たり前になってしまっていることがあるのです。ただ、そのようなプレイヤーは全体の一部に過ぎず、ルールによって罰せられるという点は良いことと言えるでしょう。

有害性の基本的な原因として、以下のような例を挙げることができます。

  • プレイヤー間の視点および観点の差異
  • チャットルールの違反
  • スポーツマン精神に反する行為
  • 侮辱的なプレイヤー名やクラン名の使用
  • インターネットの匿名性

有害な行為の種類

快適なゲーム体験には、良好な環境の確保が不可欠です。そして私たちは、有害なプレイヤーからコミュニティーを守り、年齢やバックグラウンドにかかわらず誰もがゲームを楽しむことができるよう最善を尽くしています。コミュニティーの保護のため、私たちは有害な行為とその原因に対して、適切な対策を講じています。

チャットルールの違反

ゲームに関するルールの違反の中でも、チャットルールの違反は、最も一般的なものと言えます。

過度な冒涜や不適切な言葉を含むメッセージは規制フィルターによってブロックされています。プレイヤーはゲームの設定からこのフィルターを有効にすることが可能です。

しかし、残念ながら一部のプレイヤーはフィルターを潜り抜けて不適切な発言をすることがあります。そういった場合の最善の策は、通報システムを使ってルール違反を犯したプレイヤーを通報することです。

また、ゲームの設定からチャットを無効にすることも可能です。しかしながら、チャットを無効にした場合、ミニマップ上の一部分を指し示す以外の方法で他のプレイヤーと接触する機会を失うことになります。

スポーツマン精神に反する行為

チームキル、チームダメージ、戦闘中の退席、または戦闘への不参加などのスポーツマン精神に反する行為は、有害な行為の原因になり得ます。このような行為もペナルティーの対象となります。

チームダメージ とは、スタンによって味方車輌に間接的にダメージを与えたり、転覆、水没、高所からの落下などを強制することで味方車輌の大破を誘発する行為を指します。高所からの落下などによって自車輌に自らダメージを発生させる行為はチームダメージに含まれません。チームキルは味方車輌の大破に繋がるあらゆる行為を指します。

チームダメージとチームキルを行ったプレイヤーには、プレイヤーサポートの介入はなく、自動的にペナルティーが課せられます。違反を繰り返すプレイヤーへのペナルティーはより重くなり、ルール違反の頻度に応じてアカウントの停止期間も長くなります。他のプレイヤーに対して感情的になりそうな時でも冷静さを失わないのが重要です。ひとたび冷静さを失ってしまえば、数か月にも渡るアカウント停止処分を科されてしまう可能性もあります。

アップデート1.6以降、「ランダム戦」では味方車輌に対して直接ダメージを与えることができなくなっています。

詳細についてはチームキルをご覧ください。

また、ボットによる不正に対しても対策を講じています。ボットは、プレイヤーが自らプレイすることなく不正な手段でゲーム内のリソースを確保するプログラムのことを指します。

また、戦闘に参加しても何も行動しないプレイヤーや戦闘に参加後すぐに戦場を離脱し、別の戦闘に参加するプレイヤーも含みます。ボットを用いた不正行為には、アカウントの永久停止処分を含む厳しいペナルティーが科されます。

ボット検知システムを導入したことで、ボットによる不正を80% 減少させることができました。

詳しくはボットによる不正をご覧ください。

アップデート9.3では、大破する前に戦闘から退出した車輌戦闘中に行動しなかった車輌を追跡するシステムが導入されています。これにより、ルール違反が検知されたプレイヤーには、その旨を伝える警告が送られるようになりました。違反が繰り返し行われた場合、そのプレイヤーが戦闘で取得したクレジットとEXPに対してペナルティーが課せられます。

もし戦闘中に何も行動を起こさない車輌を目撃した場合、その車輌への攻撃的な行動やチャットでの挑発的なメッセージは控えるようにしましょう。その行為自体がルール違反と見なされ、ペナルティーが科される可能性があります。また、電源が切れたり、インターネット接続が切れたりなど、不可抗力によりプレイヤーが退席している場合もあります。違反者を通報する場合は、通報システムをご利用ください。その後、それぞれのケースに応じてプレイヤーサポートが対応いたします。

禁止されているプレイヤー名やクラン名の使用

禁止されている表現をプレイヤー名やクラン名に使用する行為もよくある違反のひとつです。侮辱的または卑猥なプレイヤー名やクラン名はシステムによって自動的に変更され、名前が変更されたユーザーとしてマークされるようになります。挑発的なクラン名についても、名前が変更されるほか、クランの作成者に対してアカウントの永久停止処分を含む厳しいペナルティーが科される可能性があります。不適切なプレイヤー名やクラン名を目撃した場合は、通報システムの「不適切なプレイヤー/クラン名」オプションから違反者を通報できます。

まとめ

ゲーム内における有害性のレベルは、ゲームイベントやアクティビティーの盛り上がりに比例して上昇してしまうことがよくあります。ゲームに直接関係のないプレイヤーの個人的な事情が引き金となる場合も珍しくありません。

違反行為は、全プレイヤーが順守すべき、『エンドユーザーライセンス契約』および『ゲームルール』によって規制されています。

ルール違反は、それを犯したプレイヤー自身だけでなく、他のプレイヤーにとっての楽しみを台無しにする行為です。戦闘中に有害な行為を目にした際は、やり返すのではなく、通報システムを利用して通報しましょう。詳しくは通報システムについての記事をご覧ください。

有害な行為の対策として各プレイヤーができること

私たちが『World of Tanks』を通してプレイヤーの皆さんに届けたいのは、達成感や成功体験であり、落胆や不快な体験ではありません。私たちは、プレイヤーの皆さんにゲームを楽しんでいただくために最善を尽くしていますが、これはコミュニティー全体のサポートなくして達成することはできません。

プレイヤーの皆さん全員が『World of Tanks』をより良いものにする力を持っており、他のプレイヤーに対して優しさを持つことやフレンドリーに接することがその第一歩となります。協力的で寛大な環境を作ることで、プレイヤー間に必要以上の敵意が生じることを防ぐことができ、戦闘中の体験をより健全なものにすることができます。

初心者プレイヤーへの批判を行う前に、要所や敵装甲の弱点、戦略を知らなかった頃の自分を思い出してみてください。そういったゲームの基本を教えてあげてみてはいかがでしょうか?

戦場で目にする車輌は、どれも生身の人間が操作しているということをお忘れなく。私たちは皆生まれ持った違いを抱えています。感性の違い、属する社会的グループの違い、そして育った地域の違いなど、その違いは様々です。しかしそんな私たちは『World of Tanks』を通してひとつの共通点と言えるものを手にしています。そこで、単なる画面上に表示されるデータとしてではなく、お互いを戦友として接してみてはいかがでしょうか?たったそれだけでゲーム内の戦闘はもっともっと楽しいものになるはずです。

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