[JPL] 決勝戦ハイライト

戦車兵の諸君!

5対5の日本独自トーナメント『JAPAN PREMIER LEAGUE』、ついに頂点を決める決勝戦が行われた。激戦のハイライトをお伝えしよう!

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無敗の帝王KRAKENSを倒し、頂点に立ったのはSHARKS!

2か月に渡る長期のトーナメントもついに決勝戦を迎えた。全ての試合で勝利を収めていた無敗の帝王KRAKENSに対するは、プレイオフ準決勝で上位チームに対し崖っぷちからの大逆転勝利を収めたSHARKSだ。

これまでの全ての試合で安定した戦いぶりを見せ勝利し続けてきたKRAKENSは、我々の目にあまりにも眩しく映っていた。この最終決戦、誰もがKRAKENSの勝利を予想していたことだろう。しかも、グループステージで行われたKRAKENSとSHARKSの直接対決では、セットカウント4対0でKRAKENSが完勝している。いくらSHARKSが準決勝で上位チームに逆転勝利し良い流れを迎えているとはいえ、誰が決勝戦での大番狂わせを本当に実現すると思おうか?しかも、セットカウントは4対1。SHARKSは1本しか落とさずに勝利した。

ジャイアントキリングを成し遂げたSHARKS。この勝利に至るまでには多くの努力や苦難があったことだろう。この戦いは、間違いなく日本、いやアジアの集団戦シーンの歴史に残る1戦となったと言っても過言ではない。それでは、改めて決勝戦を振り返ろう!

まず、マップのBAN/PICKから紹介していこう。決勝戦で行われるマップBAN/PICKルールは、プレイオフ準決勝や3位決定戦で行われたルールと変わらない。BAN/PICKの進行は以下の通りだ。

  1. グループステージ上位チーム(KRAKENS)が後攻を選択
  2. [SHARKS] ムロヴァンカBAN
  3. [KRAKENS] 鉱山BAN
  4. [SHARKS] 崖BAN
  5. [KRAKENS] ヒメルズドルフBAN
  6. [SHARKS] 砂の川PICK(1マップ目)
  7. [KRAKENS] ツンドラPICK(2マップ目)
  8. [JPL運営コイントス] ゴーストタウンが3マップ目、プロホロフカがタイブレークマップに決定

KRAKENSとSHARKSはともに、相手の得意マップともいえる勝率の高いマップをBANしている。そして両チームがPICKしたのは、JAPAN PREMIER LEAGUE全体を通して採用数が少なかった砂の川とツンドラとなった。

第1マップ砂の川は一進一退の攻防!

砂の川では、両チーム防衛サイドで勝利を収める。どちらのチームも非常に強固な防衛布陣を敷き、相手の侵攻に対して落ち着いた対処を見せ、タクティクス・マップが高度に研究されていることを伺わせた。特に注目だったのは第1ラウンド、KRAKENS攻撃、SHARKS防衛の1戦だ。

防衛サイドSHARKSは、南方面の守りの要となるK0に X STB-1  を、F9の崖際に X Super Conqueror  を配置。砂の川における南方面の①キャプ攻めは、この2輌によってほぼ守り切れると言っても大げさでは無いほど強力なポジションだ。さらに北方面では、②キャプとAラインを侵攻する敵を攻撃できるポジションB8に X STB-1  を配置。まさに盤石の布陣と言えるだろう。

攻撃サイドのKRAKENS、SHARKSが配置したこれらの強ポジ配置を事前にスポットできていたが、合わせて X Super Conqueror  がA8まで前進していることを察知し、やや浮いているこのポジションからの北攻めを図る。これは、B8の X STB-1  から射撃し続けられることを想定した上だろう。継続火力に全振りした車輌編成の守りを崩すために、ラッシュによる一点突破を選択した上で、さらに X IS-7  でA8の X Super Conqueror  PonSkwiを押し出し、C6で控えている X Kranvagn  の射線に通したかったことが狙いだったように思える。

しかし、PonSkwiはこの意図を見抜いていたのか、射線へ飛び出さないようその場で耐える好判断。PonSkwiが耐えて時間を稼ぐ間、 X Super Conqueror  PonSkwi X STB-1  Reques X T110E5  NaKarの集中砲火によって、KRAKENSのラッシュを撃退することに成功した。

SHARKSのその後の判断も見事だった。ラッシュに対処したRequesを一旦下げてNaKarと合流させ、西側から再配置させた X Super Conqueror  nano X STB-1  AllyTankをB7から合流させて挟み撃ちに。完璧とも言える立ち回りでSHARKSが1本目のラウンド勝利を収めた。

続く、攻防入れ替えての2ラウンド目。攻撃サイドSHARKSは4輌を①キャプ内に入れてキャプ完成を狙う奇策。しかし、百戦錬磨のKRAKENSは落ち着いて対処し、防衛サイドKRAKENのラウンド勝利。双方が防衛で1ラウンドを取る形で2マップ目を迎える。


 

超ファインプレーが連続!SHARKSがツンドラで防衛勝利

セットカウント1対1でKRAKENSピックのマップ、ツンドラだ。本マップは他のマップと比べて攻撃サイドでの勝率が高いマップとなっている。①・②キャプが分断されて射線が通りにくい上、各ポジションにも細かい起伏が多く射線管理が非常に難しいためだ。KRAKENSはこれまで、ツンドラでの戦闘で攻防ともに負けたことが無く、勝率は100%と圧倒的だ。この勝利の秘訣は、先読み能力に長けたMasuzu_Natsukawaのキャリーによるものだろう。これまで多くのシーンでMasuzu_Natsukawaが持つリアル第六感が的中し、絶妙なタイミングでリポジショニングを繰り返してチームを勝利へ導いていたように見える。チーム全体としても、丁寧かつ洗練されたエリア掌握と車輌転換がウリのKRAKENSにとって、これほど得意と言えるマップは無いだろう。

砂の川ではセットカウント1対1だったが、このマップでKRAKENS優位が見え始めるのではないか?そんな予想は根底から覆された。結果はSHARKSの2タテ、連続勝利だ。しかも、弾薬庫誘爆などのラッキーによるものではない。あくまで実力のぶつかり合いだ。今、ハイライトを執筆している私も、実況時の興奮を思い出し昂るほどの激戦となったツンドラ。改めてその模様を振り返ろう。

ツンドラでの1戦目、攻撃サイドKRAKENSは重戦車を1輌ずつ2つのキャプエリア付近へ展開させ、残りの車輌はスナイプのために東側丘上へ配置。対する防衛サイドSHARKSは、①キャプ付近のB3に重戦車を1輌見せる以外は、中央西側のF2建物裏に2輌、J0へ重戦車2輌を隠すように配置した。

初動では、SHARKSはトラップを敷いたような、いわばガン待ち配置を行ったかに見えるが、ここから戦況の変化に応じて素晴らしい配置変換を行っている。まず残り時間6分、北の X Super Conqueror  RequesがAラインから攻撃を受けたことをきっかけに、南の車輌を一気に前進させ攻勢をかけるような布陣を展開。さらに、Requesに対して X STB-1  morichanが単騎で突出してきたことを確認すると、南へ配置した車輌を戻して一気に北上させるとともに、タイミングを合わせてRequesを強気に前進させ注意を引き付けることで、重戦車2輌を最低限の被害で北上させたのだ。当初はガン待ち配置に見えたSHARKSのタクティクスは、相手の動向に合わせて南から東へ、戻して北へ、フレキシブルに動かす柔軟な作戦だった。しかも、この時点で残り戦闘時間は3分、HP差も決定的なほどの差では無い。本来、自分達の得意マップであり、有利な攻撃サイドで立ちまわるKRAKENSが、徐々に不利になりつつあった。ここからは、非常に目まぐるしい射線・導線が入り乱れる乱戦となる。

これ以上の時間的猶予は無いと判断したKRAKENSは、中央の川を使って X Super Conqueror  と X Kranvagn  を前進させ、まず X Super Conqueror  Requesの撃破を狙う判断を行うも、ここまでSHARKSが隠し続けてきたF2の X Super Conqueror  nanoに迎え撃たれ、加えてSHARKSが南に残した X T110E5  NaKarからも側面を撃たれ後退せざるを得ない。これでSHARKSはRequesの生存に成功させ、KRAKENSの最初のプッシュを不発に終わらせた。それどころか、SHARKSはここから攻勢に出る。北にいるKRAKENSのmorichanが浮いていると判断し、 X AMX 50 B  PonSkwiにカバーさせつつ、AllyTankRequesを強気に前進させた。AllyTankmorichanこそ撃破できなかったものの、粘りに粘って時間を稼ぐ。これと同時に南では、NaKarを迎撃するために前進してきたKRAKENS X Super Conqueror  ontanを、中央のnanoとクロスを組み迎撃。これでnanoからの射線が切れたMasuzu_Natsukawamasaは、これを機に再度nanoへのプッシュを仕掛けるも、先ほどまで北のカバーを行っていたPonSkwiがリロードとリポジを終えて迎え撃つ。素晴らしい動きを見せるSHARKSが有利な状況をメイクするが、KRAKENSもタダでは終わらせない。

Masuzu_Natsukawaがやられ際に車体を使ってnanoの退路を塞ぎ、さらに炎上による大ダメージを与え撃破に成功する。ここまで不利な戦いを強いられたKRAKENSだが、Masuzu_Natsukawaの機転によって車輌枚数・HPともに優位に立った。しかし残り時間は1分、KRAKENSにとって猶予は無い。ここからSHARKSは逃げに回る。KRAKENSは孤立したNaKarの処理をmorichanに任せる。morichanNaKarと対等の条件ながら1対1での戦闘に撃ち勝った。最後に残されたSHARKSのPonSkwi、残り時間25秒、1対3の絶望的な状況。先ほどまでは1ラインを北上していたが、自身のスポットが切れたことを察知し南へ転進する。これが功を奏し、SHARKSは時間ギリギリで防衛の逃げ切り勝利を達成、後手に回り切ることなく常に強気に対処し続けたSHARKSに軍配が上がった。目まぐるしい戦況の変化は、ぜひ1輌ずつ注目しながらスロー再生で今一度振り返ってみて欲しい。

続く攻防入れ替えてのラウンドも、KRAKENSのタクティクスは素晴らしかったものの、SHARKASが1枚上手だったと言えるだろう。 X AMX 50 B  を2輌採用したKRAKENSの逆ラッシュタクの展開を完璧に読み切り、KRAKENSの当て先である X Super Conqueror  NaKarを退避させると共に、自身のチーム当て先を瞬時に変更していた。後方に配置した X STB-1  AllyTankの立ち回りが見事だった、非の打ちどころがないラウンド勝利だ。


 

優勝を決定づけたのは、常識にとらわれないSHARKSらしいタク

この光景を予想できた者はいただろうか?KRAKENSがセットカウント1対3で王手をかけられている構図を。しかもSHARKSのラウンド連取は幸運な勝利ではない。確実なラウンド勝利だ。ここまで無敗を誇っていた王者KRAKENSが窮地に立たされている。3マップ目、ゴーストタウン。誰もが固唾を飲むラウンド。我々は直後、歴史の生き証人となる。

攻撃サイドKRAKENS、防衛サイドSHARKSのラウンド。ゴーストタウンのこれまでのメタ通り、両チームとも非常に重い編成だ。

防衛SHARKSは、②キャプを X Maus  で重点的に守りつつ、他の車輌を様々な場所へ配置し全方面へ中遠距離の射線を組んだ。もし②キャプへのラッシュがあったとしても、 X Maus  が誇る豊富なHPと装甲で耐えている間に、他の車輌の移動を間に合わせる考えだろう。さらに、それ以外車輌は十分に逃げられる場所に、かつ、それぞれの車輌がすぐにカバーし合えるよう配置されている。

攻撃KRAKENSは、序盤で X IS-7  が②キャプへ移動中のSHARKS X Maus  をスポット、さらにKRAKENSがK3に配置した X IS-7  が、G1の X IS-4  をスポットする。この情報から、KRAKENSは東を経由させ、北方面からの打開を計画。7ラインから X IS-7  を先行させ、D7まで安全に移動できることを確認した後、2輌の X E 100  が追って7ラインを北上。北から街中に入り、②キャプ内の X Maus  nanoに対して X E 100  2輌を中央で当て、体力を使って削り切る作戦へ出るが、これが全くダメージが入らない。 X Maus  を安定して抜くためには12.8cm砲では貫通力が足りず、さらにnanoの防御姿勢が一枚上手だった。しかも一方的にnanoからダメージを負うばかりか、 X Super Conqueror  PonSkwiにも砲塔上部の測距儀を撃たれ、下がり過ぎれば X E 100  AllyTankからダメージを受ける。

わずか20秒の間にKRAKENSの車輌HPはみるみる減っていき、SHARKSは無傷のままだ。4000ものHP差が生まれ、やむなく当て先をAllyTankへ変更するも、すぐさまPonSkwiが対応し射線を通していた。さらに大外からは、会敵前にAllyTankが得た情報によって早期に動き出せた X Super Conqueror  Requesが合流。AllyTankへ流れ込ませない布陣を作り出していた。あっという間にKRAKENSの X E 100  が2輌撃破され、HP差は5000を超えた。SHARKSが勝利を確定付けた瞬間だ。

SHARKSが行ったゴーストタウン防衛のこの配置。一見雑なように見えるが、見返せば見返すほど美しい防衛配置だ。既存のアイディアや常識に捕われず、12.8cm砲搭載 X E 100  を多用する現状のメタに対抗する、斬新かつ完成されたタクティクスと言っても決して言い過ぎでは無いだろう。

SHARKS優勝後インタビュー

最高の気分です!でも、決勝戦を迎えるにあたり非常に大きなプレッシャーを感じました。前日は夢で敗北する悪夢すら見ました。試合前は体が震え、武者震いのような高揚感を覚えましたが、逆にそれを楽しんで臨みました。練習した成果を出せたことに、大きな達成感と、涙が出そうな程の感動を感じています。また、チームとしてもベストコンディションで決勝戦を戦えました。トーナメント期間を通して、お互い率直に意見を言い合える素晴らしいチーム環境になり、共に研鑽し合えたからこそ、この瞬間を迎えることができたと思います。最高のチームです!

他のチームの選手達や、視聴者の皆さん、練習を手伝ってくれたANZPLの選手達、JPLに関わっている全ての方に、改めて感謝します。ありがとうございました!やっぱりWorld of Tanksは楽しい!


 

7月2日の配信アーカイブ


 

JAPAN PREMIER LEAGUE 最終順位

順位

チーム

メンバー

報酬

1

finn
Reques
PonSkwi
AllyTank
syachi
NaKar
nano

賞金:¥500,000
(チーム)

賞品:PREDATOR 165Hz
Gaming Monitor

NITRO QG241YPbmiipx
(各プレイヤー)

2

youhey_k
morichan
Masuzu_Natsukawa
masa
Airyu
ontan
akatsukiNW

賞金:¥300,000
(チーム)

賞品:Gaming Keyboard
Predator Aethon 300
(各プレイヤー)

3

moudame
miz_Anet
natadeco
BMRzekeshiki
mako_koma
nisiki
PILOT

賞金:¥250,000
(チーム)

賞品:HyperX Cloud Earbuds 
(各プレイヤー)

4

Guren_Carry
LoryHeavenly
sApollo
Hyde_Yuuki
Samchai
Nipa
simoko

賞金:¥200,000
(チーム)

賞品:HyperX Cloud Earbuds
(各プレイヤー)

5

KiKiKirishima
Cilda
Ritomath
Kid9N
Mattya888
ShowJack
Tor103b

賞金:¥150,000
(チーム)

賞品:HyperX Cloud Earbuds
(各プレイヤー)

6

Meru
Albert
Saburo
shun
sigataku
Leaf
hitopi

賞金:¥100,000
(チーム)

賞品:プレベアぬいぐるみ
&Tシャツ
(各プレイヤー)

 

長い期間を通して行われたJAPAN PREMIER LEAGUEがついに幕を閉じた。本トーナメントの実況配信を視聴してくれた視聴者の諸君はもとより、トーナメントに参加してくれた選手達、そしてJPLに関わる全ての関係各位にお礼を申し上げる。

World of Tanks日本運営では、今後も様々なトーナメントやイベントを企画中だ。企画発表時には、ぜひ参加して一緒に盛り上げて欲しい。今後もWorld of Tanksをよろしく!次のイベントでまた会おう!

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