戦車兵の諸君!
『World of Tanks』に関する最新情報を逐一チェックしている諸君らであれば、アップデート1.20.1では当初、搭乗員パークの大幅な刷新が予定されていたことをご存じだろう。しかし、特集記事でその概要を紹介し、公開テストで諸君らに実際に体験してもらった結果、数多くのフィードバックが寄せられ、新システムには潜在的に様々な問題が存在することが明らかになった。そこで今回のアップデートでは、新パークの追加や既存パークの変更を含む抜本的な刷新を見送り、分かりやすさや操作のしやすさに主眼を置いた既存システムの改善のみを実施することとする。本記事では、こうした決定に至るまでの経緯と、実際に導入されるパーク・システムの概要を紹介しよう。そして本題に入る前に、積極的に情報を集め、公開テストに参加し、忌憚なき意見を寄せてくれた諸君らに改めて感謝の意を表したい。
【アップデート1.20.1】パークのラインナップには変更なし
アップデート1.20.1で実装されるパーク・システムを説明するのに先立って、混乱してしまうことがないように、そもそも刷新がどういった目的で検討され、どのような経緯で最終的な決定へと至ったのか、まずは簡単にまとめておこう。
従来のシステムには、習得しうるパークやスキルの数こそ多いものの、実際に習得すべきものの順番や組み合わせは限られている、という欠点が存在した。そこで、既存のパークを調整しつつ、新パークを追加することが検討された。しかし、第1回公開テストの結果、検討されていたシステムは正規実装できる状態にはほど遠いことが明らかになった。とりわけ無視できないのは、『World of Tanks』を始めてまだ日が浅いプレイヤーとベテランプレイヤーの実力の差をさらに広げてしまう可能性が極めて高かった点だ。
こうした事情を受けて、アップデート1.20.1での新パークの追加や既存パークの大幅な調整は見送られることとなった。そのため、以下の諸点に気を付けてもらいたい。パークのラインナップそのものは変わらないことから、アップデート1.20.1が実装されても、慌てて新たなパークを習得したり、習得済みのパークをリセットしたり、職能を変更するような必要性は生じない。これは「消火能力」にも当てはまる。第1回公開テストの段階では、「消火能力」は「無線手」専用のパークに変更されることが予定されていたものの、アップデート1.20.1では引き続き職能にかかわらず習得できるようになっている。
同時に、新パークの追加や既存パークの大幅な調整以外の、分かりやすさや操作のしやすさにかかわる部分については、アップデート1.20.1で変更が加えられることにも注意してもらいたい。もちろん、搭乗員システムの改良がこれで終わり、などということはなく、改良の努力は今後も続けていく予定だ。現在、数回にわたって実施された公開テストの統計データやフィードバックをさらに詳しく分析し、今後の方針や潜在的な問題点に関する議論を進めている。その詳細については、また改めてお伝えすることになるだろう。
それでは、以上の前置きを踏まえて、アップデート1.20.1で正規実装される搭乗員パーク・システムの概要を説明しよう。
「パーク」と「スキル」の区分廃止とその他の微調整
アップデート1.20.1で正規実装されるシステムでは、「パーク」と「スキル」の区分が廃止される。具体的には、カテゴリーの名称が「パーク」に統一され、どのパークも習得開始と同時に訓練レベルに応じた効果を発揮できるようになる。つまり、訓練レベルが低いうちはわずかな効果しか得られないものの、たとえ名称が「パーク」であっても訓練レベルが100%に到達するまでひたすら待つ必要がなくなる、ということだ。この原則は、パーク「戦友」にも適用される。周知の通り、従来のシステムでは、「戦友」は搭乗員全員が100%まで習得しない限り、効果を発揮することがなかった。これに対して、新システムでは、たったひとりが数パーセントしか習得していない場合でも、効果を発揮できるようになっている。
既存のパークの効果には原則として変更が加えられていないものの、その例外がひとつある。それが「教官」だ。従来は車長以外の搭乗員にしか効果を発揮しなかったのに対して、新システムでは車長も含む全搭乗員に効果を発揮するようになっている。
また、新システムでは、職能レベルが上昇すると、職能に対応するパラメーターだけでなく、その搭乗員が習得しているパークの効果も向上する。「戦友」に関しては職能レベルが100%を超えるとそれ以降は効果が伸びないものの、他のパークについては職能レベルを上昇させればさらに効果を高めることができるようになっている。
「即応型パーク」と戦闘中の発動通知
パークの中には、常に効果を発揮するものだけでなく、戦闘中に特定の条件が満たされた場合にしか効果を発揮しないものも存在する。こうしたパークは「即応型」に分類される。従来のシステムでは、後者のタイプのパークを習得しても、いつ発動しているのか必ずしも明らかではないことが少なくなかった。そこで新システムでは、「即応型パーク」が効果を発揮した際に戦闘画面に専用の通知アイコンが表示されるようになっている。
「即応型パーク」というあまり聞き馴染みのない用語を言われてもピンとこない、というプレイヤーのために、いくつか具体例を挙げておこう。自車輌の残りHPが10%を切った際に装填時間を短縮する「アドレナリン・ラッシュ」や、車長が負傷した搭乗員の代役を務められるようにする「なんでも屋」がそれだ。
弾種の切り替え速度を上昇させる「直感」と違い、こうしたパークは発動のタイミングを自分で決定することができず、したがって効果の有無を把握するのが難しかった。しかし、今後は発動をすぐさま把握できるほか、アイコンにマウスカーソルをかざせば効果や発動条件も再確認できるようになっている。アイコンが邪魔だという場合も心配はいらない。設定メニューを開いて表示されないようにしてしまえばいい。
ガレージ画面の改良
新たなパーク・システムでは、ガレージのインターフェースにも改善が加えられ、パークの効果を数値として把握できるようになっている。
- 搭乗員が車輌のパラメーターに影響を与えるパークを習得している場合、その時点での効果がガレージ右側のパラメーター・リストに表示される。どのパークがどのパラメーターをどれだけ強化しているのかを、わざわざ調べたり計算したりせずとも、ゲーム内ですぐさま確認できるわけだ。
- パークにマウスカーソルをかざした際に表示される説明文には、効果の最大値や現在の効果が色付きで表示される。
最後に忘れてはいけないのが、新システムでは搭乗員が負傷した状態で戦闘終了を迎えても取得できる搭乗員EXPが減少しないようになっている点だ。
アップデート1.20.1で実装されるパーク・システムの概要は以上となる。特集記事を詳しく読み、公開テストに参加し、そして貴重なフィードバックを寄せてくれた諸君らに改めて感謝の気持ちを伝えたい。
搭乗員やパークのシステムは今後も改良を続けていく予定だ。今後の予定については追って伝えることとなるだろう。ぜひ楽しみにしていてもらいたい。