刷新された自走砲。一体何が変わったの?
連載第35回となる今回は、アップデート9.18で大幅な見直しが行われ生まれ変わった自走砲について簡単にご紹介していきたいと思います。
自走砲はかねてからプレイヤーの皆さんの間で論争が交わされてきた車種の一つでした。プレイヤーの皆さんから多く寄せられていたフィードバックを元に、アップデート9.18で自走砲はメカニズムが大幅に刷新され、よりチームと密接に連携して戦う支援車輌のポジションとしての性格が強めに変更されました。どんな点が変わったのか見ていきましょう!
自走砲のマッチング数制限を変更
アップデート9.18で刷新されたマッチメイカーにより、自走砲は各チームに最大3両に制限されます。従来は複数の自走砲による絶大な火力により戦闘のバランスが著しく崩れてしまうことがしばしばありましたが、自走砲のマッチング数を最大3台までに制限することでよって戦闘での他車種とのバランスを調整しました。自走砲のプレイヤーは今まで以上に戦況を見ながら適切なタイミングで味方を援護する必要があり、より味方チームと連携したプレイを意識しなければいけません。
また、このアップデートから自走砲は小隊を編成できなくなっているので注意です。
砲弾や射撃ダメージなどパラメータの見直し
大きな変更要素の一つとして、射撃ダメージのパラメータが大幅に見直されました。
今までの自走砲はその大口径の主砲から撃ち出される徹甲弾(AP)や対戦車榴弾(HEAT)で、分厚い装甲を持った重戦車ですら一撃で撃破可能な能力を持っていました。
これは前線で戦う撃たれる側のプレイヤーにとっては大きなフラストレーションの要因の一つであり、また撃つ側の自走砲を使うプレイヤーにとってもその劣悪な照準精度からクリーンヒットをあまり期待できず、長いリロード時間と相まって快適なプレイを提供しているとは言えませんでした。これらの問題を解決するため、大きく2つの変更が行われました。
◯ 砲弾は榴弾(HE)のみに。*
他の車種とのバランスを取るために、自走砲の榴弾 (HE) の貫通力と単発ダメージは大幅に引き下げられ、徹甲弾 (AP)、硬芯徹甲弾 (APCR) および対戦車榴弾 (HEAT)が廃止されました。*
ただし大幅に引き下げられたと言ってもそれなりにダメージを与えて敵戦車を撃破することは可能ですし、後述のスタン効果も追加されているので純粋に攻撃力が弱体化されてしまったわけではありません。
◯ 照準時間と射撃精度を改善
砲弾の貫通力や単発ダメージが引き下げられた反面、照準速度、装填時間、射撃精度は従来よりも向上しました。自走砲はより積極的に攻撃を仕掛けることが可能となり、今まで以上に自分が狙った場所に攻撃を行えるようになりました。味方を効果的にアシストできる可能性が今まで以上に増えたと言えます。
スタン効果の追加
もう一つの大きな変更要素として口径122mm以上の自走砲の榴弾(HE)にスタン効果が追加されました。これは大口径の榴弾が炸裂した際の衝撃で一定範囲内の敵戦車の搭乗員に対してスタン(麻痺)効果を発生させ、一時的に搭乗員の能力を低下させるというものです。
スタン状態になると機動力や視認範囲、照準拡散や射撃精度、装填時間の低下などが一定時間低下してしまいます。砲弾のスタン効果を上手く活かしていくことで、今まで以上に直接的に味方をアシストすることができ、後方からでも前線の戦いの流れを変えることができる可能性を秘めています。
スタン効果の持続時間について
自走砲の榴弾(HE)には新たに最大・最小スタン時間というパラメータが追加されます。
実際のスタン時間はこれらの数値から、着弾地点からの距離、ダメージ量、拡張パーツや消耗品などの影響に応じて変動します。
特に拡張パーツの「内張り装甲」はスタン時間を10%短縮し、大きな効果を発揮します。一部の超重戦車などで搭載可能な「内張り装甲(特大)」では最も効果を発揮します。
その他に消耗品の「救急キット(大)」にもスタン時間を5%軽減する効果があり、救急キット(大・小)を使用することで即座にスタン効果状態から回復することができます。
複数の自走砲から同じ車輌をスタンさせた場合、スタン時間そのものは各砲弾毎ごとで計算されます。1発目の砲弾からスタン時間のカウントが開始され、その間に2発目の砲弾でさらにスタン効果が発生した場合、2発目の効果発生時から再度スタン時間がカウントされます。
スタン効果を受けると最大で以下の%で車輌能力が低下します。
- エンジン出力低下: 30% / 最大速度低下: 25%
- 車体旋回速度低下: 20% / 砲塔旋回速度低下: 40%
- 視認範囲低下: 25%
- 移動、車体旋回、砲塔旋回に伴う照準拡散の増大: 50%
- 装填時間および照準時間の増大: 50%
- 射撃精度低下: 25%
スタン効果の追加に伴って自走砲のスタンにもアシストダメージが適用されます。自身の自走砲がスタンさせた敵戦車に対して味方がダメージを与えた場合、スタンさせた自走砲にアシストダメージボーナスとして経験値およびクレジットが付与されます。
ターゲットエリアの指示機能や新しい照準視点の追加
スタンといった新しいアシスト能力を活かすために、自走砲にはいくつかのUIが追加されました。
一つ目は味方車輌へのターゲットエリアの表示です。これは味方に対して自走砲がどこを狙っているのか示すもので、ターゲットエリアの指示は照準視点でカーソルをあわせて「護射撃を要請/攻撃中」のキー(Tキー) を押すだけです。表示されるターゲットエリアの半径は最大15 m です。
また自走砲には新たな照準視点が追加されました。今までは真上から見た視点が自走砲の照準視点でしたが、「SHIFTキー」で照準視点に切り替えた後、「Gキー」を押すことで斜め上から見下ろすような新しい照準視点に変更ができます。
この新しい視点では地形の起伏や弾道がより立体的に確認しやすく、敵車輌と障害物との距離感を3次元的に把握できるので、障害物付近にいる敵車輌をより狙いやすくなります。
障害物が複雑に入り組んだ市街地マップや起伏が多い地形で特に効果を発揮するので、通常の照準視点とこの俯瞰の照準視点を上手く切り替えながら戦って行きましょう!
今回はアップデート9.18で大幅に変更された自走砲の主な変更点を簡単にご紹介させていただきました。よりアシスト的なポジションとしての性格が強くなった自走砲ですが、新たに追加されたスタン効果によって味方戦車と対峙している敵戦車の性能を低下させ、味方のラッシュを後押しする、といった様に戦いの流れを変えることも可能です。
精度や照準時間、装填時間も向上した他、新たな照準視点が追加されるなど今まで以上に使いやすくなったことは間違いありません。今まで「操作感覚が全く違うから…」とプレイしたことが無かった方も、この機会に一度自走砲をプレイしてみるのもいかがでしょうか?
それでは次回もお楽しみに!良い週末をお過ごしください♪
(コラム記事: ヴィクトリヤ 挿絵イラスト: しばふ)
4コマヴィクトリヤ日記 第35話
「ヴィクトリヤ日記」は毎週金曜日に公開予定です。 次回もお楽しみに!(漫画: kirusu)
登場キャラクター
ヴィクトリヤ Wargaming.net Communityチーム所属の新人社員。ベラルーシ出身。しばしば先輩たちに振り回されている。好物はしいたけ。 |
ラビ様 ヴィクトリヤが入社したWargaming.net のとあるオフィスの社長(代理)。 見た目は完全にお子ちゃまだが偉い人。 |
ミズキ ヴィクトリヤの先輩社員。Community チーム所属。ヴィクトリヤのことは勝手につけた愛称の「ヴィッキー」と呼んで可愛がっている。 |
クルイロ Wargaming.net の社員。Quality Assurance チーム所属。 ロシア出身。オフィスの奥にある部屋で黙々とテストプレイをしている。 |
ツノダ Wargaming.net の社員。Community チーム所属。 オフィス内のでっかい代表。色々でっかい。重戦車が大好き。 |
4コマヴィクトリヤ日記 作者プロフィール
kirusu 簡単に爆死するへっぽこ駆逐戦車愛好漫画描き。 |
- ヴィクトリヤ キャラクターデザイン & 挿絵 : しばふ