週刊ヴィクトリヤ日記 Vol.34『拡張パーツのあれこれ』

戦車の性能をさらにアップ!拡張パーツって?

連載第34回となる今回は、各戦車に搭載して能力を高めることが出来る要素「拡張パーツ」について簡単にご紹介していきたいと思います。

拡張パーツは各戦車に3つずつ搭載可能な強化パーツのようなもので、複数の種類がありその効果も様々です。照準時間や視認範囲など、その車輌が持つ特定の能力をさらに引き上げることが可能な強力な効果がありますが、その分高価で購入するにはそれなりのクレジットが必要となります。使用している車輌の特性をさらに引き上げる拡張パーツをしっかり選択して、愛車を強化してみましょう!


拡張パーツは種類がたくさん…。一体どれを選べば?

拡張パーツは全部で14種類(今回の解説では新たに実装された改良型拡張パーツを除く。)登場し、大きく分けてまず2つの種類に分かれます。一つ目は取り外しにゴールドがかからずいつでも着脱可能な「通常装備」。二つ目は一旦搭載したパーツを取り外す際には10ゴールドを使用するか、パーツそのものを破棄しなければいけない「複雑装備」の2種類です。
拡張パーツは搭載することで車輌の能力を向上させる効果がありますが、高価なものも多いためどれを購入するかの選択は慎重に行いましょう。またゲーム内でたまに半額セールが行われることがあるため、使い回しが出来る拡張パーツはセールの際に購入して買いだめしておくこともおすすめです。

注意しなければいけない点として、拡張パーツにもそれぞれ重量が設定されているということです。初期モジュールの履帯のままだと最大積載量をオーバーしてしまい拡張パーツを搭載できなかったり、その他のモジュールの搭載に影響を与えたりということもあるので、基本的には搭載する車輌の履帯は最大まで開発してから拡張パーツの購入を検討する方が無難です。重たい拡張パーツを搭載した際は、戦車そのものの機動力に多少影響を与える点は覚えておきましょう。

拡張パーツは搭載するだけでそれぞれの効果を発揮するので、戦闘中に特に何かしらのキー操作を行う必要ありません。ただし、一部の拡張パーツは車輌停止時のみなど特定の条件化でのみ効果を発揮するものもあるので、それぞれの拡張パーツの特性はしっかりと把握しておいてくださいね。


◯ 通常装備 (取り外しが無料)

無料で着脱可能で様々な車種に搭載可能な汎用性が高い拡張パーツ。使い回しが可能なので、戦闘ごとに取り外して別の車輌に取り付けることも可能です。

迷彩ネット(Camouflage Net)

車体静止時に隠蔽率を高めます。車体を静止させた状態で3秒経つと効果が発揮され、隠蔽効果が追加されます。効果発動中は迷彩ネットのアイコンが緑色に点灯するので発動中かそうでないかはすぐ確認ができます。
隠蔽効果がアップする比率は車種によって異なり、駆逐戦車が+15%、軽戦車・中戦車は10%、重戦車・自走砲は5%となります。待ち伏せや偵察を行う車輌に最適です。
なお車体を旋回させた場合は効果が解除されますが、車体は動かさず砲塔のみを動かした場合、効果は解除されません。例外的に一部のスウェーデン車輌の様に油気圧式サスペンションを搭載した車輌は、射撃モード時は旋回しても効果が解除されません。

双眼鏡 (Binocular Telescope)

静止時に視認範囲を25%向上される効果を持ちます。車体を静止させた状態で3秒経つと効果が発揮され、視認範囲が25%拡張されます。常時25%アップではないので要注意です。迷彩ネットと同じく、待ち伏せや偵察をメインに行う車輌には最適です。
なお車体を旋回させた場合は効果が解除されますが、車体は動かさず砲塔のみを動かした場合、効果は解除されません。例外的に一部のスウェーデン車輌の様に油気圧式サスペンションを搭載した車輌は、射撃モード時は旋回しても効果が解除されません。

工具箱 (Toolbox)

破損したモジュールの修理速度を25%向上させます。大破してしまったパーツ(赤色表示)から損傷状態(オレンジ色表示)まで回復する速度を25%アップさせる効果があり、履帯を切られて足止めされることが多い重戦車などにはおすすめです。搭乗員の修理スキルと重ねて効果を発揮できるので、工具箱を搭載しつつ搭乗員全員が修理スキルを習得している場合、数秒で履帯の修理を完了することも。あくまで大破状態(赤色表示)から損傷状態(オレンジ色)まで戻すだけで、完全に正常状態まで修理は出来ないので注意です。

◯ 複雑装備 (取外しに10ゴールドもしくは破棄が必要)

取り外す際に10ゴールドもしくは破棄が必要なパーツです。「レンズ皮膜」及び「改良型射撃装置」に関しては全車輌共通で装備可能ですが、それ以外は車輌によって搭載できる、できないが異なります。また一部の国籍ツリー専用の拡張パーツもあります。

内張り装甲 (Spall Liner)

衝突及び爆風に対して防御力を向上させる他、搭乗員が負傷する確率、自走砲から攻撃を受けた際のスタン時間を短縮します。
車輌によって内張り装甲は小~特大まで4種類のサイズが存在し、効果の度合いも異なります。軽戦車用の内張り装甲(小)では+20%、中戦車用の(中)では+25%、重戦車用の(大)では+30%、一部の超重戦車、重駆逐戦車、自走砲向けの(特大)では+50%の効果があります。スタン時間の短縮はどのサイズの内張り装甲でも-10%で共通となります。

湿式弾薬庫 ("Wet" Ammo Rack)

弾薬庫の耐久値を50%向上させます。弾薬庫が損傷すると装填時間が大幅に増加してしまう他、もし大破した場合は弾薬庫が誘爆して一発で爆散…なんてことも。貫通されやすい位置に弾薬庫が配置されている一部の車輌など、弾薬庫が弱点となる車輌には特に有効な拡張パーツです。

サイクロン・フィルター (Cyclone Filter)

エンジンの耐久値を50%向上させる効果があり、このパーツはソ連戦車専用の拡張パーツとなります。エンジンの耐久値を高めますが、火災発生確率を下げるものではないので要注意です。また消耗品アイテムの「速度制限装置の解除」を組み合わせると、「速度制限装置の解除」をより長時間使用できるようになります。

CO2 充填式燃料タンク (Fill Tanks with CO2)

燃料タンクの耐久値を50%向上させます。中高Tier向けの拡張パーツとなり、燃料タンクの耐久値を高めることによって燃料タンク損傷時の火災発生の確率を軽減します。あくまで燃料タンクに対して効果が発揮されるので、エンジンに対しての火災判定には軽減する効果がありません。

改良型サスペンション (Enhanced Suspension)

サスペンションの積載量制限 +10%、サスペンションの耐久性 +20%、衝撃によりサスペンションが損傷した際に車体が受けるダメージ -50%の効果があります。
また積載量を若干アップさせる効果があるため、初期状態の履帯で積載量が足りない際に「改良型サスペンション」を使用して、一時的に最大積載量を稼いで改良した砲塔や主砲を搭載し、その後改良型の履帯モジュールを開発する、という方法にも使用できます。
パーツの名前は「改良型トーションバー」や「改良型垂直コイルスプリング」のように車輌によって様々ですが効果は全て同様です。
サスペンションそのものの耐久値を高める他、スピードを出しての走行中に地形で飛び跳ねてしまった際の車体へのダメージを軽減する効果もあるため、スピードと機動力を活かして走り回る運用をするような中・軽戦車にも有用な拡張パーツです。

装填棒 (Rammer)

装填時間を10%短縮させる効果があります。主砲のリロード時間を短縮させるので、同じ砲でも時間あたりの火力を向上させることができます。
自動装填式の主砲の様にマガジンタイプの主砲を搭載している場合は、弾倉内の砲弾の発射間隔が短くなるのではなく、マガジンそのものの交換時間が短縮されます。大口径、中口径、戦車用、自走砲用といったように車輌によってパーツの名前が若干異なりますが効果は同様です。

改良型射撃装置 (Enhanced Gun Laying Drive)

照準速度を10%向上させる効果があります。停車時の照準サークルが収束する速さが対象となります。ゲームシステム上、照準サークルの収束具合によって砲弾の命中率が変わってくるので、相対的に正確に砲撃できる確率が上がることになります。
照準サークルの収束時間が長くなりがちな大口径の主砲を搭載した車輌で効果が高く、特に照準サークルの収束に非常に時間がかかる自走砲では高い効果を発揮します。

砲垂直安定装置 (Vertical Stabilizer)

移動中及び砲塔旋回中の射撃精度 +20% の効果があります。移動時や砲塔の旋回中に大きく広がる照準サークルの広がりそのものを抑制します。機動力を活かして走行中に行進間射撃を行うことが多い軽戦車や中戦車の他、市街地戦などで障害物の陰から飛び出し撃ちする際にも照準の広がりを抑制する効果を発揮するので、重戦車にもおすすめといえます。

レンズ皮膜 (Coated Optics)

車輌の視認範囲を10%向上させます。搭載するだけで純粋に視認範囲を10%拡張させる効果があり、「双眼鏡」と異なり、移動中も常時効果を発揮します。
「双眼鏡」と一緒に搭載した場合効果は重複せずどちらか効果が高い方が優先され、移動時には「レンズ皮膜」の効果で視認範囲10%アップ、停止して3秒後は「双眼鏡」の視認範囲25%アップの効果が優先されます。使い勝手の良い拡張パーツで、前線で動き回って戦うことが多い軽戦車・中戦車におすすめです。

追加グローサー (Additional Grousers)

軟地盤での性能+10%、通常地盤での性能5%の効果があります。一部のドイツ車輌のみが搭載可能な特殊なパーツで、沼地など通常は機動力が低下する地形にて加速度などが向上します。

改良型換気装置 (Improved Ventilation)

搭乗員のスキルを+5%向上させます。搭乗員スキルを5%向上させるため、戦車の各性能を向上させることができます。オープントップと呼ばれる屋根が付いていない車輌には基本的には搭載できません。同じく乗員スキルを向上させる搭乗員スキル「戦友」や、飲食物系の消耗品と組み合わせると劇的に搭乗員の能力を向上させることができます。 


各車種でのおすすめ拡張パーツ構成って?

ゲーム内には5種類のカテゴリーの車輌が登場しますが、簡単に車種ごとのおすすめな拡張パーツをまとめてみました。こちらは大まかな目安なので、必ずこのパーツを搭載しなければいけない訳ではありません。
同じ車輌カテゴリーでも車輌によって性能や特性は異なる上、拡張パーツは最大で3つまでしか搭載できないので、自身の愛車の特性をさらに伸ばす方向か、それとも弱点箇所を補うのか、方向性を決めた上で拡張パーツを選択していきましょう。

◯ 軽戦車

  • 迷彩ネット
  • 双眼鏡
  • レンズ皮膜
  • 砲垂直安定装置
  • 改良型換気装置など

軽戦車は偵察がメインになってくるため、視認範囲を向上させるものや隠蔽率を高めるものを優先していきましょう。じっくり隠れて偵察するスタイルの場合は「迷彩ネット」と「双眼鏡」、アクティブに動き回って偵察や後方撹乱を行う場合は、移動しても視認範囲を拡大する効果を発揮する「レンズ皮膜」や移動中の照準サークルを拡散を抑制する「砲垂直安定装置」がおすすめです。また搭乗員の能力を全体的に底上げする「改良型換気装置」は視認範囲にも影響してくるため、こちらを選択しても良いでしょう。

◯ 中戦車

  • 装填棒
  • 砲垂直安定装置
  • 改良型射撃装置
  • レンズ皮膜など

中戦車はいろんなシーンに対応できるオールラウンダー的車輌なので、まずはお使いの車輌でどういったプレイをするかによって拡張パーツも選んでいきましょう。前線での撃ち合いをメインとしガンガン攻める場合はリロード速度を短縮する「装填棒」、機動力を活かして戦う場合は移動時の照準サークルの広がりを抑制する「砲垂直安定装置」、その他にも照準時間を短縮する「改良型射撃装置」や、視認範囲を拡大する効果がある「レンズ皮膜」などもおすすめです。

◯ 重戦車

  • 装填棒
  • 改良型射撃装置
  • 内張り装甲
  • 工具箱など

重戦車は前線での攻撃役です。火力がある分、リロード時間が長い大口径砲を搭載している場合が多いので、とにかくリロード時間を短縮させるための「装填棒」は効果的です。その他には照準時間を短縮する「改良型射撃装置」などもおすすめです。また「内張り装甲」は重戦車ほど効果を発揮します。足が遅く目立つため狙われる機会が多くなりがちな重戦車にはこちらもおすすめと言えます。その他には全体的に短い視認範囲を拡張するための「レンズ皮膜」や、モジュール破損時に修理時間を短縮する「工具箱」なども選択肢に入れて良いでしょう。

◯ 駆逐戦車

  • 迷彩ネット
  • 双眼鏡
  • 装填棒など

駆逐戦車は待ち伏せ戦法が基本。高い隠蔽率、高火力といった長所をさらに伸ばしていきましょう。「迷彩ネット」と「双眼鏡」を組み合わせて待ち伏せ戦法に必要な隠蔽性、視認範囲は伸ばす他、火力をより向上させる為にリロード時間を短縮させる「装填棒」もおすすめです。
一部の高Tierの重駆逐戦車は隠蔽率が低い代わりに非常に分厚い装甲を持っています。これらの車輌はその防御力を伸ばすために「内張り装甲」を選択しても良いでしょう。

◯ 自走砲

  • 装填棒
  • 改良型射撃装置
  • 改良型換気装置など

自走砲はとにかくリロード時間と照準サークルの収束時間が他の車種に比べて長めなので、これらの弱点を補うパーツを搭載することが基本となります。リロード時間を短縮する「装填棒」と照準時間を短縮する「改良型射撃装置」がおすすめです。一つ空いたスロットには乗員スキルを高める「改良型換気装置」などを搭載して、さらに能力向上を狙っても良いでしょう。ただし「改良型換気装置」はオープントップの車輌には搭載できないので要注意です。その場合は他のパーツを選択肢に入れてみましょう。

ざっと各車種でのおすすめなパーツ構成を上げてみましたが、どの車種でも搭乗員のスキルを5%向上させる「改良型換気装置」は全体的な性能の底上げに繋がるので、余ったスロットに搭載する拡張パーツの選択肢に困った際は「改良型換気装置」を選択しても良いでしょう。 


 

今回は各戦車の強化オプションパーツとも言える拡張パーツに関してご紹介させていただきました。拡張パーツは戦車の性能アップに直接つながる強力な要素です。
ただし各車輌で3つしか搭載出来ない上、価格も高価なためどれを購入するかの選択は慎重に行いたいところです。搭載する戦車の特性を伸ばす適切な拡張パーツをしっかり選択して、お使いの愛車をパワーアップさせましょう!

それでは次回もお楽しみに!良い週末をお過ごしください♪

(コラム記事: ヴィクトリヤ 挿絵イラスト: しばふ)


4コマヴィクトリヤ日記 第34話

「ヴィクトリヤ日記」は毎週金曜日に公開予定です。 次回もお楽しみに!(漫画: kirusu)

 


登場キャラクター

ヴィクトリヤ

Wargaming.net Communityチーム所属の新人社員。ベラルーシ出身。しばしば先輩たちに振り回されている。好物はしいたけ。

ラビ様

ヴィクトリヤが入社したWargaming.net のとあるオフィスの社長(代理)。 見た目は完全にお子ちゃまだが偉い人。

ミズキ

ヴィクトリヤの先輩社員。Community チーム所属。ヴィクトリヤのことは勝手につけた愛称の「ヴィッキー」と呼んで可愛がっている。

クルイロ

Wargaming.net の社員。Quality Assurance チーム所属。 ロシア出身。オフィスの奥にある部屋で黙々とテストプレイをしている。

ツノダ

Wargaming.net の社員。Community チーム所属。 オフィス内のでっかい代表。色々でっかい。重戦車が大好き。


 

4コマヴィクトリヤ日記 作者プロフィール

kirusu

簡単に爆死するへっぽこ駆逐戦車愛好漫画描き。
Web:  http://kirusu.com 
Twitter:  https://twitter.com/kirusu

  • ヴィクトリヤ キャラクターデザイン & 挿絵 : しばふ

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