週刊ヴィクトリヤ日記 Vol.26『ツリーごとの特色を見てみよう(アメリカ編)』

アメリカツリーの戦車ってどんな車輌?

連載第26回となる今回は、現在ゲーム内に実装されている9つの国籍ツリーの中から、アメリカツリーの車輌の全体的な傾向や特徴などをご紹介していきたいと思います。

史実の戦車と同じく、ゲーム内に登場する多数の戦車も国ごとに異なった設計思想を反映しているため、同じTier、同じ車種の車輌でも、性能・特徴は千差万別です。どのツリーの開発を進めたら良いか迷った際は、自分のプレイスタイルや好みにあった車輌がその国籍ツリーにいるのかを調べてみましょう。


アメリカツリーの車輌の全体的な傾向って?

アメリカツリーはTier1の「T1 Cunningham」から5つのルートに派生し、最終的には重戦車が2ライン、中戦車が1ライン、駆逐戦車が2ライン、自走砲が1ラインの合計6両のTier10車輌に集約します。この記事が掲載されるタイミングのWorld of Tanks アップデート9.17.1では軽戦車の最大Tierが8までとなり、アメリカツリーの軽戦車ラインはTier9にて中戦車となり、Tier10で重戦車となるので要注意です。今後のアップデートでTier10までの軽戦車が実装予定なので、軽戦車ラインに関しては今後大きく変更される可能性があります。 

車輌の種類としてはTier5-6の中Tier帯で車輌数が多く、またこのあたりから個々の車輌の個性が際立ってきます。全体的な傾向としては良好な俯角、厚めの前面装甲、無線の範囲が広く戦況の把握が容易、駆逐戦車では旋回砲塔を持った車輌が多め、といったような特徴が見られます。また無線や主砲、エンジンといったコンポーネントが共用可能なものが多く、開発が比較的容易なのも特徴と言えます。

性能面では、「どんな場面でもそこそこ活躍できるように、極端な長所も短所もなく高い汎用性を持たせる」というアメリカの戦車設計思想を反映しており、総じて全体的にバランスが良くオールラウンダーの傾向が強いので初心者でも扱いやすい車輌が多いです。
一方で「Jack Of All Trades(器用貧乏、多芸は無芸)」などと表現されるように、他のツリーの車輌と比較して際立って突出した長所も少ないのでシュチュエーションによってはやや性能不足を感じる部分があるかもしれません。

専門性には少し欠けているかもしれませんが、総合的にどんなシーンでも扱いやすいバランスの良さがアメリカツリー全体的の特徴でもあり魅力と言えるでしょう。


◯ 軽戦車

アメリカツリーの軽戦車の大きな特徴は、良好な視認範囲と最高速度、そして優れた装填速度による高い主砲の発射レートです。 Tier4の「M5 Stuart」までは共通のルートですが、Tier5以降は快速な軽戦車として順当に発展していく「M24 Chaffee」のルートと、中戦車が途中で混ざったりする少し特殊な「M7」のルートに分岐します。

Tier5 軽戦車の「M24 Chaffee」
高い機動力と広い視認範囲、軽戦車としては良好な火力を持ち、バランス良く使いやすい軽戦車の一つ。

注意すべきはTier9以降で、どちらのルートも中戦車の「T54E1」に集約した後、自動装填装置(オートローダー)を搭載した重戦車の「T57 Heavy」となります。「T57 Heavy」は強力な重戦車ですが、この車輌を入手するためには軽戦車ラインを進める必要があります。

このラインは今後のアップデートでTier10までの軽戦車が追加されるため、大きく変更される場合がございます。

「M24 Chaffee」のルートで発展させていくと辿り着くTier8 軽戦車「T49」
軽戦車でありながら非常に癖が強い152mmの大口径砲を搭載できるユニークな車輌。
ただしこの車輌は今後のアップデートで仕様が変更される可能性があります。

◯ 中戦車

中戦車ラインはどんなシーンでも柔軟に活躍できる汎用性が高い車輌が多く、前述のとおりまさに「Jack Of All Trades」といった特徴を持った車輌が揃うラインです。

適度な機動力、適度な火力、適度な装甲を持ち、扱いやすく立ち回り次第ではどんな場面でも活躍できる性能を秘めている反面、器用貧乏とも言えます。俯角が大きく取れるのが特徴なので、上手くハルダウンを活かして装甲の薄さを補って戦っていきましょう。また比較的視認範囲が広めなのもアドバンテージの一つです。

Tier5 中戦車の「M4 Shaman」
良好な機動力と俯角の広さを持ち、バランスが良いため扱いやすい中戦車の代表格。

Tier4の「M3 Lee」から重戦車ラインに派生する他、ゲーム中登場するアメリカ戦車で最も有名な戦車「M4 Shaman」はこの中戦車ラインです。Tier6では、機動力に優れ、駆逐戦車ラインにも派生可能な「M4A3E8 Sherman」か、厚い装甲を持ち重戦車的な性格が強く重戦車ラインにも派生可能な「M4A3E2 Sherman Jumbo」の2つのルートを選択できます。その後は高Tierのバランス型中戦車ルートに集約します。

Tier4 中戦車の「M3 LEE」
ゲームの仕様上車体側の主砲しか操作できないため、駆逐戦車的立ち回りを要求される癖が強い車輌。

◯ 重戦車

重戦車ラインはTier4の中戦車「M3 Lee」から派生し、Teir5の「T1 Heavy」から1本のルートで進んでいきます。Tier6 中戦車の「M4A3E2 Sherman Jumbo」からTier7 重戦車「T29」には派生できますが、その逆は出来ないので要注意です。

Tier7 重戦車の「T29」
「石頭」とも揶揄される非常に頑強な砲塔を持ち、ハルダウン時は無類の強さを発揮!

全体的な傾向としては分厚い砲塔前面装甲や、重戦車としてみれば比較的速い足が大きな特徴と言えます。良好な俯角と併せて砲塔が非常に硬いので、ハルダウンを積極的に活かしていくことで無類の強さを発揮します。反面、耐久力はやや低めなので装甲を過信しすぎないよう気をつけましょう。

Tier10 重戦車の「T57 Heavy Tank」
唯一軽戦車ラインから開発可能で、特徴的な砲塔形状と自動装填装置による瞬間火力が強力な重戦車。

唯一の例外的重戦車は軽戦車ラインを進めることで開発できるTier10の「T57 Heavy」で、高い正面防御力と自動装填装置(オートローダー)による優れた瞬間火力を有しています。この車輌を目指す場合は、前述の通り軽戦車ラインを進める必要があるので要注意です。

◯ 駆逐戦車

駆逐戦車ラインはTier3「T56 GMC」以降2つのルートに派生します。どちらのルートもTier6車輌までは旋回砲塔を持ち、固定砲塔の車輌よりも比較的扱いやすいと言えます。

Tier9 駆逐戦車の「T95」
要塞突破のために設計された重駆逐戦車。圧倒的な装甲と火力を持つが機動力は鈍足そのもの。

アメリカツリーの駆逐戦車はTier7以降大きく性格が異なってきます。「M36 Jackson」のルートはTier7 以降固定砲塔となり、分厚い前面装甲と強力な主砲を備えた重駆逐戦車と呼べる戦車に進んでいきます。「T28」以降の車輌は非常に鈍重なので戦闘開始後のMAPでの進行ルート選びを間違えないよう注意しましょう。

Tier6 駆逐戦車の「M18 Hellcat」
高い機動力と優れた隠蔽性、貫通力に優れた主砲を搭載し、バランスも良好で優秀な駆逐戦車の一つ。

一方の「M18 Hellcat」から派生するラインは旋回砲塔を持っていること、そして固定砲塔ラインの車輌と比較すると良好な機動力が一番の特徴です。高Tierになるとパッと見は重戦車の様な外見をしており砲塔前面装甲も硬めなので、重戦車と同じくハルダウンを活かして戦っていきましょう。なおTier10 重戦車「T110E4」も旋回砲塔を持っていますが、全周砲塔ではなく、左右に90度しか回らない限定旋回砲塔なので扱いには注意が必要です。

◯ 自走砲

自走砲ラインはTier2からスタートし、Tier3で自走砲らしい車輌である「M7 Priest」のルートと、元々は駆逐戦車だった車輌がバランス調整の結果自走砲に変更された「T18 HMC」 の2つのルートに分岐します。2つに別れたルートはTier5「M41 HMC」で集約し、その後は別の車種ラインに派生せずTier10まで進みます。

Tier6 自走砲の「M44」
軽戦車の「M41 Walker Bulldog」の車体を流用しており、同車や「T69」とエンジンの互換性がある。
砲の精度はやや低いものの、癖がなく機動力もそれなりにあるため扱いやすい車輌。

軽戦車ラインからも自走砲へ進むことができ、Tier3軽戦車「M3 Stuart」からはTier4自走砲の「T82 HMC」に。Tier5 軽戦車「M24 Chaffee」からは同じくTier5自走砲「M41 HMC」に派生させることができます。

アメリカ自走砲の全体的な傾向としては他国ツリーの車輌と比較すると広い左右の射角や、自走砲としては高い機動力を持っているため陣地転換が容易であることが特徴で、総じて扱いやすい車輌が多いといえるでしょう。反面、砲の精度は全体的に低めです。


今回は9つ登場するゲーム内の国籍ツリーから、戦車大国の一つでもあるアメリカツリーの全体的な特徴をご紹介させていただきました。

アメリカツリーは全体的な傾向として扱いやすい車輌が多いので、どのツリーを進めて良いのかさっぱりわからない!といった場合には無難でオススメと言えます。器用貧乏な面もありますが、特徴を理解した上で扱えばオールラウンダーで活躍できるのもアメリカツリーの魅力ですね。

それでは次回もお楽しみに!良い週末をお過ごしください♪

(コラム記事: ヴィクトリヤ 挿絵イラスト: しばふ)


4コマヴィクトリヤ日記 第26話

明日4/1はエイプリルフール。嘘に振り回されないようご注意下さいね。

「ヴィクトリヤ日記」は毎週金曜日に公開予定です。 次回もお楽しみに!(漫画: kirusu)

 


登場キャラクター

ヴィクトリヤ

Wargaming.net Communityチーム所属の新人社員。ベラルーシ出身。しばしば先輩たちに振り回されている。アメリカツリー車輌のなんでも屋っぷりには何か親近感を感じる様子。

ラビ様

ヴィクトリヤが入社したWargaming.net のとあるオフィスの社長(代理)。 見た目は完全にお子ちゃまだが偉い人。アメリカの軽戦車では機動力とパンチ力を備えた「T49」がお気に入り。

ミズキ

ヴィクトリヤの先輩社員。Community チーム所属。ヴィクトリヤのことは勝手につけた愛称の「ヴィッキー」と呼んで可愛がっている。アメリカツリーの自走砲では「M44」がお気に入り。

クルイロ

Wargaming.net の社員。Quality Assurance チーム所属。 ロシア出身。オフィスの奥にある部屋で黙々とテストプレイをしている。アメリカツリーの駆逐戦車では「M18 Hellcat」がお気に入り。

ツノダ

Wargaming.net の社員。Community チーム所属。 オフィス内のでっかい代表。色々でっかい。重戦車が大好き。アメリカのゴツい重戦車はどれもお気に入りだが、駆逐戦車の「T95」も好きらしい。


 

4コマヴィクトリヤ日記 作者プロフィール

kirusu

簡単に爆死するへっぽこ駆逐戦車愛好漫画描き。
Web:  http://kirusu.com 
Twitter:  https://twitter.com/kirusu

  • ヴィクトリヤ キャラクターデザイン & 挿絵 : しばふ

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