アップデート1.7.1でユニークな3Dスタイルが2種類登場! 激しい実戦を何度も潜り抜けてきたようなデザインが印象的な3Dスタイルです。
- ひとつは「サファリ・コラッツァート」。 VIII Progetto M35 mod 46 専用の3Dスタイルです。
- ふたつ目は「ジャワサイ」と命名された X AMX 50 B 専用の3Dスタイルです。
上記車輌をお持ちの皆さん、実はこの3Dスタイルはゴールドで購入できるんです。購入方法はとても簡単。ガレージで「塗装」ボタンをクリックして、「プリセットスタイル」から3Dスタイルを選択します。
そして重要なのが販売期間です。これらのスタイルはアップデート1.8がリリースされるまでの期間限定販売です。お見逃しなく!
このふたつのスタイルはかなり独特なデザインです。それに……なぜイタリア車輌なのに、アフリカのジャングルを思わせるような装飾や備品が配置されているのでしょうか? AMX 50Bのスタイルには、車体側面に梯子が装備されています。この梯子は一体何のために付いているのでしょう?
その答えをこれからご紹介します。
イタリアの精鋭部隊
Progetto M35 mod.46専用の3Dスタイル「サファリ・コラッツァート」には、砲塔の後部に黒い羽根で装飾されたヘルメットがふたつ配備されています。このヘルメットはイタリア陸軍の精鋭部隊ベルサリエーリの兵士が実際にかぶっていたものを再現しています。その史実について少し読み解いてみましょう。
1836年、アレッサンドロ・ラ・マルモラ将軍の提案によりサルデーニャ王国のピエモンテでベルサリエーリ(軽歩兵隊)の基となる部隊が創設されました。これらの部隊は偵察、先遣任務および戦列歩兵の側面支援などに特化した部隊として、身体能力と射撃能力を強化するための厳しい特訓が課されました。これらの兵士たちの外見的特徴としては、ヨーロッパオオライチョウの黒い羽で飾られたヘルメットが挙げられます。ヘルメットにつけられた羽根には、狙撃兵の右目を太陽光から守る意味もありましたが、時間と共に装飾的な意味合いが強くなっていっきました。
ふたつの世界大戦で運用された武器
車体の右側面には、カルカノ・モスケットM38ライフルが収納された箱が備えられています。技師サルバトーレ・カルカノが、外国製モデルのマウザー M1889とマンリッカーM.90をベースに設計したライフルです。
この新型ライフルは、イタリアの精鋭部隊であるベルサリエーリとアルピーニ(イタリア山岳歩兵部隊)の狙撃兵たちがテストし、その結果、第一次そして第二次世界大戦で使用されました。
アフリカにおけるイタリア軍の勇戦
スタイルに描かれているアフリカに関連したモチーフは、1941年までイタリアの管轄下にあった東部アフリカをテーマにしています。
イタリアの部隊はこの戦争で大きな武勲をたてたものの、アリエテ装甲師団のように思わしくない結果に終わった部隊も存在します。エルアラメインの第二の戦いでは、多くの兵士たちがイギリス軍に対して勇敢に戦いました。進軍してくるイギリス第7機甲旅団の中央に向かって、たった十数輌のL13/40戦車で必死の攻撃を仕掛け、イギリス軍を後退させた彼らの勇姿は、今でも語り草になっています。
ただ最後には車輌の数と質の圧倒的な差によって、すべての兵士が戦火の中に倒れ、部隊は壊滅しました。続く戦闘では、ベルサリエーリ部隊は包囲されながらも撃破は免れ、数輌の戦車とベルサリエーリ部隊1個隊が包囲から逃れました。
体勢を立て直したアリエテ師団は、ドイツ装甲擲弾兵師団に包囲されたローマからイタリア国王と政府を救うべくローマに急行しました。
危険を冒して得たトロフィー
『World of Tanks』では「Progetto M35 mod.46」をまるで野生の肉食獣のようだと例えることがあります。高い砲精度と機動力により、狙った敵車輌を素早く追跡し、仕留めにいく姿が野生のハンターのようだからです。
そのハンターのような特性を表す象徴として、今回のスタイルにはアフリカンバッファローの頭蓋骨がデザインされています。バッファローはこちらがライフル銃を身構えるよりも早く襲い掛かってきます。そして傷を負ったバッファローは例外なく必ず襲い掛かってきます。たった1頭のバッファローのために、何人もの猟師が命を落としていることも事実です。この「Progetto M35 mod.46」も同じ。敵戦車はProgettoにかなりの苦戦を強いられるでしょう。
装備
戦闘を勝利に収めるためには、火力と精度の両方を備えた武装が必要です。そのため、砲塔の後ろ側に、レバーアクションのデビッド・ペデルソリ1886が備えられています。このライフル銃は当時最も火力が強いものの一つでした。
レバーアクション・メカニズムを搭載したことで優秀な射撃速度をも実現しています。どこか「Progetto M35 mod.46」の自動再装填装置メカニズムと似ていますね? 強力な武装を装備した「Progetto M35 mod.46」は、『World of Tanks』の猛獣「Maus」でさえも攻撃対象とします。
ハンティング・スピリット
戦闘を成功に導くためには、士気を高めることも重要です。時にはゲンを担ぐこともありました。闘争心を上げるためにアフリカをテーマとした仮面が砲塔に配備されています。
この仮面は古代よりアフリカで、狩りや戦闘の前に行う伝統の儀式に用いられてきました。エネルギーに満たされた仮面は幸運を運ぶと信じられています。このスタイルにデザインされた仮面で幸運を呼び込み、ランダム戦で好成績を上げましょう!
ジャングル
「ジャワサイ」というスタイル名について、「なぜジャワサイ?」と感じる方も多いでしょう。絶滅の危機に瀕しているジャワサイは、自然界では滅多に目撃されることがありません。同様にフランスの重戦車試作車輌であるAMX-50 Surbaisseがフランスの博物館に1輌だけ保存されています。
この新スタイルは、第1次インドシナ戦争時に密林地帯で戦ったフランス部隊をテーマにしています。体力を奪う高温と湿度、払っても払っても体にまとわりつく虫、毒を持った爬虫類……。このような状況下においては、戦車は要塞であり、安堵できる住処でもありました。ベトナムではアメリカ兵も同じような状況に悩まされました。AMX 50Bがジャングルで試用されましたが、きっと写真のような外観になっていたことでしょう。
迷彩ネット
AMX 50Bの砲塔の上部を覆い隠すように迷彩ネットが装備されています。隠蔽だけが目的ではなく、苛烈な太陽光や、手りゅう弾の投げ込みを防ぐ役割も兼ね備えています。
現代でもSaab Barracudaが開発した迷彩ネットが同じような目的で運用されています
支援武装
第1次インドシナ戦争時、フランス軍はイギリス軍とアメリカ軍から武装の支援を受けました。アメリカ軍がフランス軍に提供したM20 75mm無反動砲は、1945年から運用されました。
この砲はどの車輌や軍用バイクにも搭載できる事から、のちにフランス軍はこの砲を山岳地帯や起伏のある丘陵地帯で敵の攻撃地点を撃破するために使用しました。
ドイツ軍の残したもの
スタイルを注意深く観察すると、ドイツ軍によって使用された備品が装備されているのがわかります。第二次世界大戦後、フランス軍は、鹵獲したドイツ車輌の自走砲を自軍の戦力として運用しました。
この梯子についても、ちゃんとした歴史があります。第二次世界大戦時のドイツ重戦車を撮影した写真には梯子がよく写っています。なぜ梯子が? 疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。このスタイルのデザイナーが実際のAMX 50を調査し、梯子無しでは搭乗が難しいことを実証しました。
このふたつのユニークなスタイルの歴史的背景をご紹介しました。ぜひみなさんのスタイルコレクションに加えてみてください!