アップデート 9.20.1 での車輌バランス調整 [10/12 更新]

9.20 において正式サーバーに様々なバランス調整を実装したばかりですが、9.20.1 においても引き続き車輌バランス調整を予定しており、現在その作業の仕上げ段階にあります。今回は、イギリス技術ツリー、Tier X 軽戦車、アメリカ軽戦車、中国の Type 59 がその対象となります。調整対象の各車輌について解説する前に、まずは調整理由の概要を改めてご説明させて頂きます。技術ツリーの全面的な見直しは、何年にも渡るアップデートの結果として時代遅れになってしまった各車輌を再び活性化させるためのものです。それと併せて、各国内での車輌クラスの違いによるゲームプレイの味付けの違いについても確立および/または強調することを試みています。それでは詳しくご紹介させて頂きます!

注意: 私たちは皆様と、今後のバランス調整に関するできる限り多くの情報を、なるべく早い段階で共有したいと考えています。そして、今も様々なテストが継続中ですので、この記事の内容と、アップデート 9.20.1 において最終的に実装される変更との間には、差異が生じる可能性が常にある、という点を予めご了承ください。

 

注: 公開テスト中に皆様からお寄せ頂いたフィードバックにお応えし、イギリスの中戦車および駆逐戦車に各種の追加調整を加えました。
FV4202(P) は、前面装甲とエンジンの強化に伴い、強すぎる車輌と化してしまっており、特に砲塔装甲の増厚が、同 Tier の他の車輌に対して著しい有利をもたらしていました。そこで、あるべき状態に戻すべく、当初の変更をトーンダウンすることにしました。その結果として、砲塔前面装甲の強化は僅かに留め、当初の変更のように極端な強化は今回は控えました。
FV4004 Conway および FV4005 Stage II の主砲ハンドリング改善はうまく機能し、火力支援車輌としての効力を高めることに繋がりました。しかしながら機動性の見直しに関しては、狙い通りには機能しなかったと言えます。やり過ぎな部分が目立ち、その恐るべき火力と併せ、これらの駆逐戦車は、撃破することが困難なダメージディーラーと化してしまっていたのです。ひょっこり頭を出して攻撃した後、あまりにも速くその位置を変えてしまうので、反撃やカウンターを与えることが困難な状況になっていました。そこで、これらの車輌の機動性に再調整を加え、バランスを整えることにいたしました。その結果として、FV4004 の最大速度は 40 km/h (9.20 では 35 km/h) とし、FV4005 Stage II の最大速度は 35 km/h (9.20 と同じ) としました。

イギリス技術ツリー

重戦車

Tier VIII 以降のイギリス重戦車ブランチは、適切なバランスを備えているものの、類似性の低い車輌がまとめられた風変わりなコレクションである、という印象がありました。そこで、Conqueror のゲームプレイに合せた首尾一貫したブランチとして再構成しました。要するに、Caernarvon からの全車輌が、強力な主砲、信頼性の高い砲塔装甲および車体装甲、大きな安全マージンを併せ持つ汎用重戦車になった、ということです。それでは、詳しく見ていきましょう:

Tier VIII Caernarvon は、重戦車らしい HP と機動性、中戦車並の装甲、低い単発ダメージ、高精度の主砲を併せ持つ車輌であり、疑問を持たれることが多い車輌でした。そこで、従来の 2 種類の 20 ポンド砲の代わりに妥当な単発ダメージを備えた新たな主砲を用意すると共に、装甲を強化することで重戦車らしい重戦車にすることを狙いました。ですので、より重装甲の味方の背後に控えて支援任務に徹する必要はもうありません。今やまさに重戦車ですので、前線で圧力を掛け、敵に接近戦を挑むことができます。さらに、最上位砲塔がより重装甲の Centurion 32-pdr になっており、車体側面装甲にも追加の防御が施されています。ただし、生存性および火力の向上と引き替えに、機動性についてはやや引き下げました。

Tier XI Conqueror は、その充分とは言えない装甲のせいで、本当に重戦車らしいとは言えませんでした。アップデート 9.20.1 では、全体的な防御力を強化し、効果的な突破重戦車とします。これに伴い、攻撃により耐えることができるようになり、Tier X 駆逐戦車に狙われた場合でも、あっと言う間に撃破されてしまうことはなくなります。素晴らしい貫通力と単発ダメージを併せ持つ強力な主砲を活かし、攻勢を先導しましょう。加えて、前部に空間装甲を備えた新しい最上位砲塔が用意され、従来の最上位砲塔が初期砲塔になりました。そして何と言っても、主砲のラインナップを大幅に変更し、2 種類の 20 ポンド砲を廃止して 32 ポンドの初期砲をご用意しました。ただし、本車が長距離から破壊の雨を降らせる阻止不能な強車輌と化すことを防ぐため、機動性と射撃速度については下方修正しました。また、車体および砲塔の装甲が強化されたとはいえ、車体下部と車長用キューポラの装甲が薄い、という点に関しては従来通りです。

Tier X FV215b は、車体後部に砲塔が配置されており、装甲も脆弱であるため、誰もが好む車輌とは言えませんでした。本車を使いこなすことが可能なプレイヤーも若干数は存在していたものの、その特性を深く理解しない限りは活躍が難しい車輌だったのです。そして最も重要な点は、このブランチの理念が良好な装甲を備えた多用途重戦車としてデザインされているにも関わらず、本車のプレイスタイルはその理念からはかけ離れたものでした。従って、フランス Tier X 駆逐戦車 АМХ Foch (155) の際と同様に、本車については特別車輌とし、その代わりに全く新たな Tier X 重戦車である Super Conqueror をブランチの頂点として加えることにしました。

そして АМХ Foch (155) の際と同様、9.20.1 のリリース時点において FV215b を研究済みでガレージに所有中の場合には、Super Conqueror が付与されます。この新車輌は、Conqueror の正統進化型であり、重装甲で、強力な主砲を備え、複数の役割に適し、独自の特徴を有しています。今後また改めてご紹介させて頂きますので、どうぞお楽しみに!

中戦車

イギリス中戦車は、中距離支援に適しているように見えます。強力な主砲、素晴らしい砲俯角、視認範囲、安定性を併せ持っているのですから。丘の背後に潜み、不注意な敵を見つけ、砲弾を次々に撃ち込むのです。活き活きとしているように聞こえますよね、でも本当にそうでしょうか? 実際のところは、そうではないのです。この役割を果たすには、砲塔装甲が欠けています。ですので、敵に 2 – 3 発正確な射撃を叩き込んだ後に、砲塔を破壊されてしまうことが多かったのです。そして、完璧な計画だったはずのに、一体何がダメだったのだろう、と結果に頭を悩ますことになります。

そこで、中距離における野獣としての役割を確固たるものにすべく、砲塔装甲を然るべく強化しました。Tier VIII–X における実効装甲厚が 240 mm 以上になりましたので、支援任務で活躍できるようになっています。第 2 線の丘に陣取って堂々と戦い、敵弾を弾いて今度は敵の頭を悩ませることができるのです。

Tier VIII FV 4202 には、頻繁に否定的なコメントをお寄せ頂いていましたので、この車輌に対しても愛を少し示すことにしました。9.20.1 では、砲塔前面装甲を強化すると共に、機動性に対する批判にお応えし、待望の 650 馬力のエンジンを与えましたので、最大速度までより素早く加速し、他の中戦車と行動を共にしながら、悪名高い主砲を放つことができるようになっています。

駆逐戦車のサブブランチ

FV4005 Stage II ならびに本車に至るライン上の各車輌は、戦場において滅多に姿を見ることはありません。これらの駆逐戦車は、装甲を犠牲にして機動性を高めており、着実な (しかし慎重すぎない) プレイスタイルが求められ、ミスや大胆な行動はほとんど許容されません。総じて、マスターするのが難しく、「主流」とはなり得ませんでした。不人気なのも当然と言えるでしょう。そこで、このラインの魅力を高めるため、Challenger、Conway および FV4005 Stage II について、火力と生存性を高めることで、従来よりずっと扱いやすい体験を提供できるようにしました。これらの変更は、プレイヤーの皆様からのフィードバック (感謝しています!) と、ゲームデータの分析を組み合わせた結果によるものです。

中戦車用に運用されることが多かった Tier VII Challenger は、今や慣習的な駆逐戦車としての肝を備えており、ダメージを与えることこそがその主な役割となります。このイギリス Tier VII 駆逐戦車には、単発ダメージ 280 の新たな主砲が用意されましたので、敵にある程度の痛打を与えることができるようになったのです。しかしながら、この素晴らしい単発火力には、120° という水平射界制限が伴っていることを忘れてはなりません。マップのあちこちに不規則に動き回ることは止めましょう。好所を確保した上で攻撃を開始し、向上した火力と良好な砲塔旋回速度を活かし、チームに貢献しましょう。

Tier IX FV4004 Conway には、主砲の新たな選択肢として、単発ダメージ 600 を誇る B.L. 5.5-in. AT Gun が加わり、これによってゲームプレイの多様性が向上します。120 mm L1A1 AT の DPM (分間ダメージ) を活かして戦術を構築することも、恐るべき単発火力を誇る B.L. 5.5-in. AT Gun を搭載して FV4005 Stage II でのゲームプレイに備えることもできるのです。しかし、単純に新しい主砲を増やすだけでは、FV4004 Conway を魅力的なものにする上で充分とは言えません。機動性と砲俯角も改良し、砲俯角については -10° としました。これに伴い起伏の多い地形でも運用し易くなりましたが、180° という水平射界制限があります。この射界は充分に広いものであり、加えて砲塔旋回速度が 18°/秒 に向上していますので、敵を狙う際に車体を旋回させることで発見されるリスクを冒す必要はほとんどありません。また、砲旋回に伴う照準拡散は車体旋回に伴う照準拡散に比べてずっと小さいですので、収束待ちも短時間で済みます。

Tier X FV4005 Stage II は、困難な条件において勝利をもぎ取るためには長所が少なく、この Tier に見合った価値を備えているとは言えませんでした。そこで 9.20.1 では、いくつかの調整を施し、本車の決定的な弱点を補います。機動性のブーストにより、安全に退避し易くなり、好所にもより早く到達できるようになりました。耐久性も向上していますし、砲塔旋回速度の向上ならびに 180° の水平射界、そして砲塔旋回に伴う照準拡散の低下に伴い、主砲のハンドリングが良くなっています。さらには、砲俯角が -10° に向上していますので、丘上から脆弱な車体や砲塔を晒すことなく射撃できるようになっており、総弾数が 20 発に増加していますので、目標に深刻なダメージを与えるチャンスが増えています。総じて、粘り強く戦い、チームメイト達に効果的な支援を提供し続けることができるようになったと言えるでしょう。

ところで、Tier VIII Charioteerをスキップして Tier IX Conway の変更点をご紹介しましたが、105 mm の最上位砲を搭載した状態の Charioteer を想像してみてください。運用方法さえ分かれば、従来のままでもあらゆる点が充分であるはずです。そこで、調整は主砲俯角を -10° に向上させるのみに留めました。

Super Conqueror 詳細情報

各点にマウスオーバーして車輌の詳細情報を確認
 

Tier X 軽戦車

優れた視認範囲と機動性を備えた Tier X 軽戦車は、発見・観測能力において敵を凌ぐポテンシャルを有しており、敵の攻撃に多少は耐え得る装甲を備えていました。さらに、敵の目から逃れ続けることができる高い隠蔽率を誇り、偵察車輌としてはまさに優秀と言えるでしょう。しかしながらその火力については、他の車輌タイプの Tier X 車輌と同レベルでプレイするには、充分とは言えませんでした。アップデート 9.20.1 では、主砲ハンドリング、DPM、単発ダメージに調整を加え、この問題への対応を図ります。

アメリカ XM551 Sheridan の火力は不充分なものであったため、偵察の重要性が低いマップにおいては、あまり活躍の余地がありませんでした。そこで、105-mm Lightweight Gun について、装填速度は従来のままで単発火力を強化します。その結果として分間ダメージ (DPM) が向上しますので、中戦車に対抗しやすくなるはずです。

ドイツ Rhm. Panzerwagen は、砲安定性と照準速度が向上します。結果として射撃の準備時間が短くなり、その間に発見される可能性の低下にも繋がりますので、生存性が向上します。加えて、速射性に優れた高機動のスナイパーとしての役割を強調するため、発射速度を引き上げ、単発ダメージについては下方修正しました。

小柄で隠蔽性に優れ、驚異的な速力を誇るソ連 T-100 LT は、能動的偵察においてその真価を発揮します。しかしながら、火力においては「お前ごときは脅威ではない」という程度のものに過ぎませんでした。そこで、DPM を強化することで、真に素晴らしい能動的偵察車輌に仕上げました。

フランス AMX 13 105 に関しては、偵察も攻撃も同様に重要な役割と言えます。そこで、この点を強調するため、単発ダメージを強化し。Tier X 軽戦車の中では突出した火力を有する車輌としました。

最後に、5 種類全ての Tier X 軽戦車 (中国 WZ-132-1 を含む) の総弾数を強化し、戦闘終了まで戦い続けることができるようにしました。


アメリカ軽戦車

アメリカ軽戦車ブランチに対しては、イギリス重戦車ラインと類似の形で、主要なゲームプレイ特性が似た車輌で統一されたブランチとして再構成しました。この結果として、Tier X XM551 Sheridan を頂点とするこのブランチは、伝統的な手動装填方式の 5 両の軽戦車で構成されるようになりました。従来の Tier VII T71 は “T71 DA” に改称され、軽戦車・中戦車・重戦車から成る混合ラインへと移されます。そしてその代わりに、新車輌である T71 CMCD が加わります。本車は、自動装填砲がない一方で、戦闘特性には若干の違いがあり、独特の体験をお楽しみ頂けるようになっています。Tier VIII M41 Walker Bulldog についてはこのブランチに留まりますが、自動装填砲 (76-mm Gun T91E5) はこのラインのコンセプトには合わないため、廃止させて頂きます。最後に、2 つのラインの接続に対してもいくつかの変更を加えました:

注意: T71 DA で取得済みの EXP は、9.20.1 のリリースに伴い T71 CMCD に移されますのでご注意ください。また、技術ツリー上で T71 CMCD から T69 に移行したり、T71 DA から M41 Bulldog に移行したりする道のりはありません。

Type 59 再び

Type 59 再び

Type 59 のことは、ほとんどのプレイヤーが知っており、戦闘において見掛けたことがある人も多いはずですが、この例外的な戦車をコレクションのセンターピースとして所有しているプレイヤーは、ごく少数の幸運なプレイヤーに限られています。そして 9.20.1 においては、本車に若干のアドレナリンが加えられますので、見逃せません。

Tier VIII Type 59 が実装されてからずいぶん経ちましたが、今なおそのユニークな能力は全く色褪せていません。その装甲は貫通力 200 mm 未満の敵に対しては極めて有効であり、望む地点を自在に確保可能な機動力を備え、遠距離においても近距離においても破壊の雨を降らせることが可能な火力を有しており、今でも戦場に現れれば注目の的です。このように強力な本車ではありますが、腕が試される車輌でもありました。そして 9.20.1 においては、少しだけ有効性を高めて欲しいという要求にお応えします。何と言ってもこれはゲームであり、楽しむことが全てであるべきなのです。楽しさをブーストするため、安定性を高め、照準速度も引き上げました。その結果として、移動中の射撃がやり易くなりましたし、停止後の収束待ち時間もずっと短くなりました。

また、Type 59 と併せ、Tier VIII 59-Patton に対しても修正を施し、徹甲弾 (AP) の貫通力を 190 mm から 212 mm に引き上げました。これは本車にとって戦場の流れを変えれる調整となるでしょうか? それは、あなたが本車をいかに巧みに運用できるかにかかっています。

そして忘れてはいけないのが、T-34-3 です!主に装甲面での調整を行いました。この調整により、Type 59 とほぼ同等の装甲を得ました。主砲に若干の調整を加え、照準を合わせやすくしました。

アップデート 9.20.1 に関して掘り下げて議論すべき点は他にもありますので、今後の情報にもご注目ください。そして、バランス調整に関してご質問やご意見がございましたら、ぜひ フォーラム での議論に加わって頂ければ幸いです。

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