【アップデート2.0】新「Tier XI」のすべて

先日の「gamescom 2025」のステージにおいて、『WoT』史上最大のアップデートの詳細が明かされた。このビッグニュースは諸君の耳にも入っているのではないだろうか。再デザインされたガレージから、より最適化されたUI、PvEモードの新ストーリー、そして大規模なバランス調整まで、新要素は多岐にわたる。新時代に突入する『World of Tanks』の土台となるのが、このアップデート2.0だ。

WGのステージにおいて、特に大きな盛り上がりを見せた瞬間がある。それは本作の新たな最上位Tierとなる「Tier XI」実装の発表だ。合計16輌の新車輌が、技術ツリー内の複数の車輌ツリーの頂点に追加される。Tier XI車輌の大きな特徴として、どの車輌にも固有の特殊メカニズムが用意されている点が挙げられる。さらにTierに共通して、新たな「アップグレード」システムが登場する点も注目だTier XI車輌の紹介動画を用意したので、ぜひチェックしてほしい。当社クリエイティブ・ディレクターの解説付きだ。本記事では、『WoT』の進化の象徴「Tier XI」のすべてを紹介していこう。

Tier XI車輌の実装

Tier XIの実装により、今まで最高位Tierだった「X」のその先に新たな世界が広がることとなった。Tier XIには、合計16輌の新車輌が追加される。そのうち15輌は技術ツリーに追加され、もう1輌はパーソナルミッションのキャンペーン完了報酬のひとつとして入手できる。新車輌の特徴は性能が底上げされているだけではない。新たに最上位Tierに君臨する存在として、以下の特徴を備えているぞ。

特殊メカニズム

どのTier XI車輌も固有の特殊メカニズムを備えている。どれも、『World of Tanks』の根幹をなす戦闘メカニズムに則しつつ、それぞれの車輌の長所を伸ばしたり、新たな戦略的可能性を広げるものになっている。

新「アップグレード」システム

Tier XIには「改造ノード」と呼ばれるアップグレード要素が複数用意されている。「野戦改修」とは違い、特定の性能を犠牲にすることなく、純粋に長所を伸ばしたり、短所を補ったりできるのが特徴だ。

3種類の専用カスタマイズ要素

Tier XIには3種類の専用カスタマイズ要素が存在する。撃破数を表示させられる「戦績カウンター」、独自のデザインが施された「立体2Dスタイル」、そしてそれぞれの車輌独自の3D付属品にあたる「主砲スリーブ」だ。

シームレスな研究プロセス

Tier XI車輌はそれぞれ、特に人気の高いTier X車輌たちの直属の後続車輌として技術ツリーに追加される。ただし、新しいパーソナルミッションの報酬車輌にあたる「Black Rock」は例外だ。言い換えれば、Tier XI車輌の入手のために、新しい車輌ツリーを一から研究したり、難解な条件を満たす必要はないということになる。既存の車輌ツリーの研究の延長として、シームレスに手に入れられるようになっているぞ。

Tier XI車輌を入手するには、まず対応するTier Xで325,000EXPを取得して車輌を研究したうえで、7,400,000クレジットを支払って車輌を購入必要がある。

Tier XI車輌とそれぞれの先行車輌

重戦車

  • KR-1 ← IS-7
  • AMX 67 Imbattable ← AMX 50 B
  • FV4025 Contriver ← FV230 Canopener
  • Taschenratte ← Maus
  • T803 ← T110E5
  • BZ-79 ← BZ-75
  • Black Rock: パーソナルミッションの報酬車輌

中戦車

  • Object 432U ← Object 430U
  • Leopard 120 Verbessert ← Leopard 1
  • CS 67 Szakal ← CS-63
  • AS-XX 40 t ← Bat-Châtillon 25 t
  • XM69 Hacker ← M48A5 Patton

駆逐戦車

  • Hirschkäfer ← Grille 15
  • Strv 107-12 ← Strv 103B
  • AT-FV230 Breaker ← FV217 Badger

軽戦車

  • LeKpz Borkenkäfer ← Rheinmetall Panzerwagen

さらなる性能の底上げ

前述の通り、Tier XI車輌には「改造ノード」と呼ばれるTier XI車輌限定のアップグレード・システムが用意されている。研究を終えた車輌の性能をさらに底上げできるという意味では、Tier VI~X車輌でアンロックできる「野戦改修」とコンセプト自体は似ているが、「改造ノード」には特定の性能を犠牲にしたり、二者択一を迫られるといったネガティブな要素がない。純粋に性能を向上させることが可能だ。

「改造ノード」には、小型(10,000EXPでアンロック可能)、大型(20,000EXPでアンロック可能)、そして最終(25,000EXPでアンロック可能)の3種類が存在する。必要なEXPが大きいほど、車輌の性能の向上幅が大きくなるほか、特殊メカニズムの性能を向上させることもできるぞ。システムは、複数の「改造ノード」で構成されており、技術ツリーと同じく、直線的に研究を進めていくことができる。どの車輌の「改造ノード」も全部で25基ある。火力、機動性、生存性能の強化から、拡張パーツの代替構成のアンロック、拡張パーツスロットのカテゴリーの変更、そして特殊メカニズムの強化まで、好きなようにアップグレードしてほしい。なお、「改造ノード」のアンロックの順番には、最初と最後以外には決まりはない。

エリートステータス

「改造ノード」のツリーを完成させても、楽しみは終わらない。

すべてのアップグレードを完了したTier XI車輌には、エリートステータスが付与され、さらなる専用コンテンツがアンロックされるためだ。エリートステータスが付与された車輌は、エリートレベルに応じて、以下の専用カスタマイズ要素をアンロックできる。

立体スタイル
主砲スリーブ
戦績カウンター

立体スタイル

新しいタイプの2Dスタイルだ。立体的なデザインが施されており、適用した車輌の外見をより一層カッコよくできる。

主砲スリーブ

新しいタイプの3D付属品だ。エリートステータスを持つTier XI車輌の主砲のビジュアルにさらにアクセントを加えることができる。アンロックには相当量のEXPが必要になるため、その車輌に今まで注いできた愛情やリソースをそのまま体現したようなカスタマイズアイテムとなる。

戦績カウンター

Tier XI車輌に直接取り付けられるカウンターだ。敵車輌の撃破数が表示され、戦闘中にリアルタイムで更新されていく。

Tier XIクローズアップ

ここで、Tier XI車輌が戦場にもたらす新要素をより深く理解してもらうべく、新車輌の中から1輌をピックアップして解説していきたい。ピックアップするのはドイツの超重戦車「Maus」の進化形にあたる究極の重戦車「Taschenratte」だ。この車輌は、Tier XI車輌がそれぞれ備えている特殊メカニズムを説明するうえで、良い例となる。

「Taschenratte」は、他を圧倒する特大の車輌HPと分厚い強化装甲を備えており、優れた生存性能を誇る「Maus」の正当な後継車輌にあたる。これだけでも十分強力だが、特に注目してほしいのが、固有の特殊メカニズム「補助兵装」だ。見ての通り、主砲の両脇に2門の副砲が取り付けられている。これらの兵装の装填サイクルは主砲とは独立しているため、主砲の装填中の隙をある程度カバーできるようになっている。また、撃ち出される砲弾はHE弾となるため、敵車輌の履帯を切ったり、モジュールを損傷させたり、あるいはHPの少ない敵に止めを刺すのに役立つほか、苦手とする軽装甲へのカウンターの手段として有用だ。

どのTier XI車輌も、それぞれ固有の特殊メカニズムを備えている。メカニズムの中には、特定のキーを押すことで発動できるものから、戦闘中常に効果を発揮するもの、そして戦闘中に特定の条件を満たした時だけ効果が発動するものまで、さまざまな種類が存在する。どのメカニズムも各車輌のロールやプレイスタイルに合わせて設計されており、過度に既存の戦闘ルールを複雑にすることなく、戦術の幅を広げることを目的としているぞ。また、先ほど紹介した「改造ノード」によって性能やボーナスをさらに底上げすることも可能になっている。