アップデート1.13での自走砲に関わる変更点

戦車長の皆さん!

自走砲は『World of Tanks』の中でも特に賛否両論の多い車輌タイプです。ゲームに登場してから様々な変更が加えられ、その立ち回りも時とともに大きく変化してきました。すでに多くの方がご存じの通り、ここ数か月に渡って自走砲に関わる新メカニズムのテストを行ってまいりましたが、ついにその成果をゲームに実装する時がやってきました。戦闘で大きな変化を目の当たりにして戸惑うことがないように、アップデート1.13の正式リリースに先駆けて詳しく確認しておきましょう!

対自走砲パーク「音響探知」

まずは自走砲を相手にすることの多いプレイヤーにとって嬉しい新機能の紹介から始めましょう。従来のメカニズムでは、敵自走砲の砲撃に対処するための手段や情報が限られていました。経験豊富なプレイヤーであっても敵自走砲の攻撃のタイミングと方向を把握することは決して容易ではありません。こうした状況を改善するため、アップデート1.13では敵自走砲からのダメージを回避するための様々なオプションが追加されます。

1つ目が新パーク「音響探知」です。車長がこのパークを100%習得すると、敵自走砲弾が飛来するタイミングと方向を事前に察知できるようになります。具体的には、敵自走砲が砲撃を行った瞬間にダメージを被りうるエリアにいると、画面上部に砲弾の軌道を示す特殊インジケーターが表示されます。発動条件となるエリアの広さは敵自走砲弾の爆発半径によって決定されます。

発動の基準は敵自走砲の砲撃の瞬間に対象エリア内にいるかどうかです。砲撃の瞬間にエリア内にいない場合にはインジケーターは表示されません。砲撃後、砲弾が飛翔している間にエリアに入ってしまった場合も同様です。機動性の高い車輌で戦場を駆けまわりながら「音響探知」が発動していないからと油断していると、ダメージを受けてしまう可能性があります。

また、自車輌が敵自走砲弾の弾道上にいる場合も、「音響探知」は発動しません。発動の基準となる着弾エリアにはいないためです。もし砲弾が命中してしまえば、当然ダメージが発生します。ただし、自車輌の位置が弾着予想点の半径75 m以内であれば、例外的に対象エリア内にいるものとみなされ「音響探知」が発動します。

「音響探知」を活用すると、敵自走砲弾が着弾するまで、その弾速や飛翔距離に応じて一定の猶予が生まれます。機動性や俊敏性に優れた車輌であれば、わずかな猶予があるだけでも、直撃を避けたり、あるいはダメージやスタンそのものを回避することも不可能ではありません。

総重量が高く機動性の低い車輌の場合はダメージそのものを回避するのは難しいかもしれません。しかし、少し移動したり車体の向きを変えるだけでも、ダメージやスタン時間を大幅に低下させることができるでしょう。

より見やすくなった自走砲の弾道

2つ目の変更点は自走砲弾の弾道です。従来に比べて圧倒的に明るく、見やすくなります。敵自走砲弾の弾道に注意すれば様々な予測を立てることができます。特に重要なのが以下の2点です。

  • 敵自走砲のおおよその位置
  • 敵自走砲の次の射撃のタイミングと方向

従来のメカニズムでも敵自走砲の位置を推測することは不可能ではないものの、弾道は見やすいとは言えず、自ら被弾しないと分からないことが珍しくありません。新メカニズムでは自分が狙われていない場合でも予測が容易になっています。

自走砲が砲弾を発射した場合、発射地点から弾道が表示されるわけではありません。発射した自走砲から少なくとも10 m離れた弾道上の特定の地点がランダムに選択され、その位置から軌道が表示されます。

弾道の起点が見えたからといって敵自走砲の位置をメートル単位で正確に捕捉できることにはなりません。とはいえ、敵自走砲への対策の幅が広がることは間違いありません。

弾道が見やすくなったことにより、自走砲プレイヤーにはより高度な立ち回りが求められるようになります。弾道を手がかりに敵自走砲の位置を推測して撃破を試みることができる一方で、砲撃の度に細かく位置を変えないと逆に敵自走砲から狙撃される可能性があるためです。

弾着マーカー

3つ目の新機能は「弾着マーカー」です。このオプションを有効にすると、敵自走砲の砲弾が地面や車輌、あるいは戦場のオブジェクトに命中した際に、ミニマップ上の対応する地点に特殊マーカーが表示されるようになります。マーカーは10秒間に渡って表示されるため、慣れてしまえば十分な余裕をもって弾着点を確認できます。

ミニマップを使いこなせるかどうかは、これまでも優れたプレイヤーの条件のひとつでしたが、今後はその重要性がさらに増すことになります。自走砲の多い戦闘では「弾着マーカー」を活用することで立ち回りの効率を大幅に向上させられるためです。たとえば、自分の「音響探知」が発動するのとほぼ同時に、別の方角に向けて上空を飛ぶ敵自走砲弾を目視し、さらにマップの反対側に「弾着マーカー」が表示された場合、3輌の敵自走砲が砲撃を行ったとことが分かります。それから30秒前後は自走砲弾が飛んでくることはありません。自走砲の攻撃を気にすることなく戦線を押し上げたり、堂々とポジションを移動したり、あるいは自走砲の援護によってなんとか耐えている敵部隊に対して総攻撃を仕掛けることができるわけです。

新スキル「直感」

ここからは自走砲の立ち回りに大きく影響を与える変更点を見ていきましょう。以下で詳しく紹介するように、新メカニズムでは自走砲が複数の弾種を使い分けられるようになっています。この変更に伴い、従来の装填手パーク「直感」に変更が加えられ、新スキル「直感」として生まれ変わっています。

新スキル「直感」を習得すると、訓練レベルに応じて弾種の切り替え速度が上昇します。たとえば、訓練レベル100%まで習得すれば60%、さらに車長の職能レベルによるボーナスが加算されれば66%、そしてパーク「戦友」、拡張パーツ「改良型換気装置」、ディレクティブ、食糧系の消耗品などを併用すれば、最大84%の速度アップが期待できます。

効果を発動させるには主砲の装填が完了している必要があります。砲弾の装填中に弾種を切り替えた場合、「直感」のボーナスは得られません。なお、「直感」は自走砲だけでなく全車輌タイプで使用できます。

自走砲が使用できる弾種やその性能が変更されたことで、1戦中の総スタン時間が大きく低下することが予想されます。自走砲に狙われることの多い車輌を愛用するプレイヤーにとってはこちらも朗報でしょう。

自走砲と3種類の砲弾

新メカニズムでは自走砲が3種類の砲弾を使えるようになります。従来のメカニズムとは異なり、どの砲弾も攻撃性能、弾道、そして弾速が異なるため、戦況に応じた切り替えが必要になります。

  • 通常HE弾: 単発ダメージが低く、重大な損傷を発生させられないものの、スタン効果があります。また、爆発半径が広く、場合によっては1発で複数の敵車輌にダメージを与えることができます。弾速が一番遅いため距離が離れると命中させにくくなるものの、弾道が非常に高く、地形や遮蔽物にあまり影響されずに攻撃を行うことができます。最も使いやすい基本的な弾種と言えるでしょう。
  • 代替HE弾: 通常HE弾よりも単発ダメージと貫通力の両方に秀で、スタン効果はないものの、内部モジュールの損傷や搭乗員の負傷を誘発できます。弾道は少し低いながら弾速が速いため比較的命中させやすく、装甲にやや難のある車輌を攻撃する際に特に大きな力を発揮します。
  • 戦術AP弾: 弾道が低く爆風も発生しないため正確な照準が必要になる一方で、貫通力では他の弾種を圧倒します。弾速が最も速いため、射線さえ通っていれば偏差射撃が苦手でも扱いやすい弾種です。

戦術AP弾は限られた条件下でのみ使用することを意図した弾種であるため、多用するのはおススメできません。軽装甲ながらHE弾では貫通が期待できない敵車輌や、追加装甲や内張り装甲を搭載しているためHE弾のダメージが軽減されてしまう敵車輌など、HE弾では効率的にダメージを与えられない相手に対して射線が通っている際には力を発揮するものの、爆風によるダメージが期待できず、命中箇所によっては跳弾してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

標準砲弾
  • 貫通力
  • 単発ダメージ
  • 爆発半径
  • 内部モジュールへのダメージ
  • スタン効果
搭乗員をスタンさせることができるほか、爆発半径が大きく、1度に複数の敵車輌にダメージを与えることもできる。ただし、単発ダメージが低く、不貫通時にモジュールや搭乗員にダメージを与えることはない。弾速は低いものの、弾道が高い。
代替砲弾
  • 貫通力
  • 単発ダメージ
  • 爆発半径
  • 内部モジュールへのダメージ
  • スタン効果
搭乗員をスタンさせることができず、爆発半径も小さいものの、通常砲弾と比べて貫通力と単発ダメージに優れている。また、装甲貫通時にはモジュールや搭乗員にダメージを与えることができる。通常砲弾と比べて弾速が高い代わりに、弾道がやや低い。
戦術砲弾
  • 貫通力
  • 単発ダメージ
  • 爆発半径
  • 内部モジュールへのダメージ
  • スタン効果
搭乗員をスタンさせることができず、また爆発しないため、1度に複数の敵車輌にダメージを与えることもできない。その代わりに単発ダメージ、貫通力、そして弾速は最も高く、一方で弾道は一番低い。

上の画像でも確認できるように、新メカニズムで自走砲が使える砲弾はそれぞれ性能や効果が大きく異なります。戦局を見極めてどの弾種を選択するかが活躍のカギになります。たとえば、小さな稜線の裏に複数の敵車輌が密集している場合には、爆発半径が広く、弾道も高い通常HE弾を使うのが好判断です。上手くいけば全車輌にダメージを与えられるだけでなく、スタンを発生させて味方に一時的な優位をもたらせます。一方、軽装甲の敵駆逐戦車が発見されていることに気づかず後方で狙撃体勢を維持しているような場合には、戦術AP弾を命中させれば大ダメージが期待できます。ただし、砲弾によって弾道が異なるため、弾種を切り替えた際にはちゃんと射線が通っているかを確認するのが重要になります。

自走砲の砲弾UI

自走砲が使用できる砲弾が刷新されたことに伴い、自走砲の戦闘UIにも改良が加えられています。設定メニューで自走砲の射線インジケーターを有効化すると、砲弾毎に射線が通っているかを示すインジケーターが戦闘画面上部に表示されます。

  • インジケーターが緑の場合は、射線が通っていることを表します。
  • インジケーターが赤の場合は、射線が通っていないことを表します。

インジケーターでは、照準地点への到達に要する時間も確認できます。そのほか、カメラのズーム倍率もレティクルに表示させることができます。また、俯瞰視点の自走砲モードと弾道視点モードを切り替えるのに、マウスホイールを使用できるようになっています。これまでと同じく「G」キーを押した場合にも視点モードが切り替わります。

新メカニズムでは自走砲にも今まで以上に戦局に応じた柔軟な立ち回りが求められます。特に弾種の使い分けと射線インジケーターの活用が重要になります。射線や飛翔時間を常に把握して最適な砲弾を発射すれば、パフォーマンスが上昇すること間違いありません。

より高度な読み合いと立ち回り

新メカニズムでは、自走砲を操縦する場合にも、自走砲を相手にする場合にも、これまで以上に高度な読み合いと立ち回りの選択が求められます。自走砲を操縦する場合は、従来よりも位置を捕捉される可能性が高くなっている点に常に注意を払いつつ、戦況に応じて優先的に撃破すべき敵車輌を見定め、最適な弾種を選択する必要があります。

自走砲を相手にする場合には、新たに追加された様々なオプションや情報を最大限に活用することがカギになります。「音響探知」、見やすくなった弾道、そして「弾着マーカー」は、使いこなせれば自走砲から受けるダメージを大きく軽減することができます。自走砲も含めて、装填時間が長い車輌や複数の弾種を使い分ける必要がある車輌を使用する際には、装填手に新スキル「直感」を習得させるのも重要です。1戦での総スタン時間が大幅に低下することが予想されるため、前線での撃ち合いを好むプレイヤーは撃ち合いそのものに集中できるようになるでしょう。

新メカニズムをマスターして勝利の山を築き上げろ!幸運を祈る!

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