注意!
あなたが閲覧中のニュースアイテムは、古いウェブサイト形式です。一部のバージョンのブラウザにおいて表示に問題が生じる可能性があります。

閉じる

平成27年度 富士総合火力演習 フォトレポート

戦車長の皆さん!

8月23日に陸上自衛隊唯一の公開実弾演習である富士総合火力演習が行われました。
今日は国内で唯一、見学することが出来る実弾射撃演習の様子を写真とともにご紹介します!


富士総合火力演習とは?

富士総合火力演習、通称: 総火演 (そうかえん) とは戦車やヘリコプター、様々な火砲などによる実弾射撃を間近に見る事ができる自衛隊の演習の一つです。国民の理解を深める目的で一般公開されているこの演習はここ数年のミリタリーブームの影響で今年は応募者数約 18 万人、倍率 30 倍と大人気イベントになりました。

日中の演習は装備品を順次紹介しながら行われる前段演習と、諸職種協同での戦闘を想定した後段演習に分けて行われます。前段演習の最初には特科部隊による富士山の形の曳火射撃があり、天気が良い日には富士山をバックに富士山型の砲撃が見られます。

 

155 mm りゅう弾砲 FH70 (上) 、99 式自走155 mm りゅう弾砲 と 203 mm 自走りゅう弾砲 (左下)、99 式自走 155 mm りゅう弾砲 (右下)

 

りゅう弾砲だけではありません。もちろん戦車も登場します!高初速の戦車砲の迫力は他の砲とはまたひと味違います。

最初に登場する戦車は74式戦車です。World of Tanks に登場する日本ツリーのTier 10 戦車 STB-1 は、この74式戦車の試作車両で、74式戦車は今でも陸上自衛隊にて現役で活躍しています。

74 式戦車の射撃 (左上) 、入場する90式戦車 (右上)、90 式戦車の射撃 (左下)、90 式戦車の行進間射撃 (右下)

 

近年の総火演の名物となっている最新の10 式戦車によるスラローム走行中の射撃も行われ、自衛隊の高い技術力を披露します。
スラロームとは意図的に車輌を蛇行させる走行テクニックで、これを行いながら高い精度の砲撃を行えることは、敵の攻撃を回避しながら一方的にこちらの射撃を命中させることができることを意味します。

数十分の 1 秒のコマ送りで見ると発射炎が出ている間にも車体が旋回しており、非常に高度な技術により可能な射撃なことがわかります。

そして戦車以外にもヘリコプターや様々な車輌が登場します!

UH-60JA 多用途ヘリコプター (左上) 、87 式偵察警戒車 (右上)、92 式地雷原処理車 と 74 式戦車 (左下)、後段演習最後の煙幕 (右下)

 

演習の後は装備品展示が行われ、最新装備やヘリコプター以外には手を触れられる距離まで近寄って撮影したり、隊員の方のお話を聞いたりすることができます。


CH-47J チヌーク、74 式戦車、92 式地雷原処理車 (左上) 、AH-64D アパッチ (右上)、装備品展示の様子 (下)

陸上自衛隊の富士総合火力演習は、例年8月下旬に開催されます。国内では唯一、一般に公開される陸上自衛隊の実弾射撃演習となりますので興味を持った方は、ぜひ来年の演習開催の際に見学のお申込みをしてみてください!


戦車の聖地、御殿場に日本初のタンクミュージアムを

富士総合力演習が行われる東富士演習場からそう遠くないところに位置する南御殿場駅前に、株式会社カマドの 社長の小部屋 というプライベート博物館があります。
今は一部屋の小さなコレクションですが、ここは御殿場に機械技術遺産としての防衛装備を後世に残すための博物館を創ろうと活動している  『NPO法人防衛技術博物館を創る会』  の事務局でもあります。

社長の小部屋にはウィリス MB ジープ、シュビムワーゲン、キューベルワーゲン、ケッテンクラートそして各種大戦中の武器のレプリカなどが展示してあります。

ショールーム内でも存在感を放つ九五式軽戦車 (Type 95 Ha-Go) のレプリカは2013年の東京ゲームショウなどで見た記憶がある方がいるかもしれません。もともとはドラマ 『ザ・パシフィック』 で利用されたもので、なんとちゃんと自走します。イベント等に貸し出されていない時は社長の小部屋で見ることができます。


入場無料ですので、展示品に興味ある方はもちろん、防衛技術博物館を創るプロジェクトに興味がある方もぜひ立ち寄ってみてください!※営業時間は社長の小部屋 Webサイトをご参照ください。 

「防衛技術博物館を創る会」 とは

防衛技術博物館を創る会は平成 13 年に 61 式戦車の試作車輌 (STA-2) が廃棄処分になることを知った防衛技術関係者や専門家がこれ以上貴重な技術遺産が失われることが無いよう立ち上げた会です。

海外ではアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどの戦車生産国はもちろん、戦車を輸入しているヨーロッパ諸国、そして中国、台湾、韓国などのアジア諸国に至っても立派な装備品展示博物館を持っています。しかし、日本では現状、富士学校や土浦武器学校に車輌が展示されている程度です。
戦前から続く、立派な工業製品である戦車などの車輌開発の歴史を後世に残そうと、戦車、装甲車、自走砲、ジープ、トラックなどの自衛隊装備品を一般公開する博物館の建設を目指して防衛技術博物館を創る会は活動しています。

少しでも興味をお持ちになった方は、ぜひ下記のリンクから 「防衛技術博物館を創る会」 のウェブサイトにアクセスしてみてください!


NPO法人防衛技術博物館を創る会

 

閉じる