皆さんは、2011年に導入されたアメリカTier IIIプレミアム軽戦車「MTLS-1G14」を覚えていらっしゃるでしょうか。「MTLS-1G14」は『World of Tanks』に登場した初めての2連装砲の車輌でした。デビュー当時はその特異なプレイスタイルで、いつもコミュニティーの関心を一気に集めました。
あれから8年――皆さまから2連装砲の車輌を追加して欲しいとの熱いご要望をたくさんいただきました。そしてついに皆様のご要望にお応えできる日が近づいてまいりました!
今回導入を予定している2連装砲の車輌については、現在もその仕様、機能、特性を調整中です。ですが、ようやく皆さまにそのメカニズムについてご紹介できる段階にきました。まずは、この車輌の歴史的背景を簡単にご紹介します。
2連装砲の誕生について
現在確認されている中では、最初の多連装砲の設計図は1941年に作成されたものが最古となっています。ソ連は「T-34」をベースにした3連装砲の「T-34-3」と、「KV-7」をベースにした2連装砲そして3連装砲の開発に取り組んでいました。しかしこれらすべては計画案で終わっています。多連装砲の計画案の中でも最も有名なプロジェクトが「ST-1」をベースにした2連装砲「ST-2」です。この車輌も計画案に終わったため、一度も製造されることはありませんでしたが、最も認知度が高い多連装砲計画案のひとつです。
この車輌を『World of Tanks』に実装させるにあたり、いくつかの障害がありました。まずはその歴史的背景です。多連装砲の多くは試作車輌さえ製造されることは滅多にありませんでした。そのため多連装砲のルートを史実車輌だけで完成させることが非常に難しかったのです。
そしてもう一つのハードルがゲームデザインの問題でした。既存のメカニズムを壊すことなく、どう2連装砲を導入するかが大きな課題でした。
さらに実務的な課題もありました。イタリア技術ツリーに自動装填装置搭載の車輌を実装するまでは、2連装砲の実装に着手できなかったのです。そしてついに実現できる日がやってきたのです。
試作車輌1号:最初で最後
まったく新しいメカニズムを搭載しているため、まずはスーパーテストでTier VIIIからテストを始める予定です。今回は特定の車輌で2連装砲の機能をテストする代わりに、テスト専用の車輌「試作車輌1号」です。
この試作車輌には同口径の砲が2門備わっており、3種類ある射撃法から選択し、状況に合わせた射撃ができるように開発を進めています。その3つの射撃法をご紹介します:
1.交互射撃(通常):片方の砲が装填完了後に射撃
その車輌本来のDPMを活かせる射撃法です。片方の砲が装填終了後に射撃が可能になります。
2. 逐次射撃(自動装填):装填が完了した砲から射撃
この待機時間は自動装填装置の装填時間として知られています。イタリア技術ツリーの自動再装填装置搭載車輌のメカニズムとよく似ており、この射撃法には2種類の撃ち方があります。
- 少しの待機時間の後、第1砲が装填している途中で第2砲から射撃する:この場合、第1砲の装填動作はリセットされ、最初から装填し直します。その後、自動的に第1砲がアクティブになります。この射撃法の場合、砲は交互に装填するので、第1砲の装填が完了するまで第2砲は装填を開始しません。
- 第1砲の装填が完了した後に、第2砲からの射撃が可能となります:この場合はお馴染みの単発射撃とほぼ同じですが、左砲と右砲で行うという点が異なります。
3. 斉射:両方の砲から同時に射撃
この2連装砲で一番気になるのはやはり斉射ですね。斉射を行うには、マウスの「左ボタン」をホールドします。すると射撃準備が開始されます。準備には数秒かかります。射撃準備のプロセスは照準サークル内に表示され、サークル左右のバーが下から上へ成長します。射撃準備が完了すると斉射が自動的に行われます。射撃準備中にマウスの「左ボタン」を放すと、射撃準備はリセットされ、射撃もキャンセルされます。
貫通力、ダメージ値、弾種の変更
左砲と右砲から発射される砲弾の貫通力と単発ダメージは、それぞれ個別に計算されます。従って、片方の砲弾だけが装甲を貫通してダメージを与えることができたのに、もう片方の砲弾は貫通できずに跳弾されてしまうこともあり得ます。また両方の砲弾が装甲を貫通したけれど、それぞれが与えたダメージ値が異なる場合もあります。斉射を行うと、どちらの砲もしばらくの間はロックされ、装填もしません。ロックが解除後に装填を開始します。
プレイスタイル
- 「試作車輌1号」をプレイする時は、どちらの砲で射撃するか選ばなければなりません
また特定の状況に置かれたときに、どういった戦術が有効かを心得ておく必要があります。交互射撃と斉射の選択を的確に判断できる知識と技量が求められます。
例えば、HPが残りわずかになった敵車輌を仕留めたり、DPMを活かしたい時には、単発射撃を使う方が理にかなっています。
市街地などで単発ダメージ交換を行うなら、斉射をしてから装填のために身を隠す方が効率的です。
いまある状況下で、常に単発射撃と斉射のどちらが有効なのか予想しながら行動するようにしましょう。
- メインで使用すべき射撃法は交互射撃と逐次射撃です
斉射の多用はあまり得策ではありません。2連装砲が搭載される車輌は万能な車輌ですので、連装砲を含めた特徴すべてを活かした戦い方をぜひ考案してみてください。
- ただ2連装砲を搭載する代償として、プレイ性が少々損なわれるかもしれません
この2連装砲の仕様はまだ最終確定してはいませんが、2連装砲が搭載される車輌は機動性が低く、旋回速度が速い等の性能になる構想を行っています。まずは実現できるかを検証し、現在の『World of Tanks』のプレイ環境を壊すことなく導入できるように微調整をしなければなりません。またテストの結果次第によってはゲームへの実装を見送る可能性もございます。どうぞ予めご了承ください。
実現可能に向けてチーム一丸となって最大限の努力をしてまいります。最新情報をどうぞお見逃しなく!