戦車長!
5輌のYoh車輌がアメリカ技術ツリーに登場するぞ!
数か月前、《予備履帯》を搭載した新たなアメリカ重戦車の動画が公開された。新メカニズムはもちろん、Tierが上昇するにつれてどんどん奇抜になっていくその見た目は、忘れたくても忘れられない印象に残るものだったと思う。そして年末年始に行われた「ホリデー作戦2022」で「大きなボックス」を購入し、Tier VIIIプレミアム車輌「M-IV-Y」を手に入れたプレイヤーも多いはずだ。
独自のメカニズムを備える車輌な上に、デザインも独特なため開発に多くの時間が必要になったが、ついに技術ツリーへ新ルートを実装する時がやってきた。Yoh車輌の歴史的背景も含めて確認していこう!
Yoh車輌シリーズは1950年代に米国企業「H.L. Yoh Company」によって開発が進められた戦車であることは、これまで紹介した通りだ。車輌の通称にもなっている企業名は、創業者であるアメリカ人の実業家Harold L. Yohに由来している。Yoh車輌はどれもアメリカにおける戦闘装甲車輌開発の伝統を受け継ぎつつも、様々な観点で際立った特徴を有していた。そのひとつが《予備履帯》だ。
この機能により《主要履帯》を切断されても機動性が低下するだけで走行を続けることができるようになっている。なお、有識者ならばすでにご存じのことと思うが、現実の歴史ではYoh車輌が実際に製造されることはなかった。もし製造されていたら果たして戦車史がどう変わっていたのか、『World of Tanks』でぜひとも体験してもらいたい。
Yoh車輌ルートはTier V重戦車 V T1 Heavy Tank から分岐する形でアメリカ技術ツリーに追加実装される。この新ルートの始まりを告げるのがTier VI重戦車「Pawlack Tank」だ。
「T1 Heavy Tank」から派生しており、車輌タイプ上では重戦車であるものの、車輌の特性自体は典型的な重戦車だと考えない方がいい。扱いやすい主砲と高い機動性を備えているという点では、どちらかと言えば同国の中戦車や高Tier重戦車に近く、「T1 Heavy Tank」や「M6」のようなアメリカ中Tier重戦車とは性能がやや異なっている。
特にサイズが小さめであるにもかかわらず、装甲が頑丈で火力にも秀でている。接近戦で力を発揮できるのはもちろん、敵戦線の突破を図る味方車輌を側面から援護するのも不可能ではない。先行車輌の「T1 Heavy Tank」に慣れていると乗り出しに戸惑うかもしれないが、以降のYoh車輌の練習役にはまさにうってつけと言える。なお、《予備履帯》はまだ搭載されていない点に注意してほしい。
新メカニズム《予備履帯》を搭載した最初の車輌がTier VII重戦車「M-II-Y」だ。良くも悪くも実にアメリカらしい車輌と言える。
まず、先行車輌と同じく重戦車らしい優れた装甲と中戦車を彷彿とさせる良好な動力性能を備えている。また主砲性能は全体的に平凡ながら貫通力が高く、そして何より俯角と仰角がともに素晴らしい。欠点はアメリカお馴染みの巨大なキューポラだ。
Tier VIII車輌「M-III-Y」は先行車輌を順当に強化した1輌と言える。キューポラそのものは残っているもののサイズが明らかに小さくなっているほか、地形を問わずに戦える–10°もの幅広い俯角や、大胆な陣地変換を可能にする高い機動性を備えたまま、車体と砲塔の装甲がしっかりと強化されている。
さらにチェコ重戦車と似て2種類の主砲からプレイスタイルに合った1門を選べるようになっている。最前線の一歩後ろから味方を支援するのを好むならば精度と発射速度に秀でた90 mm砲を、最前線で激しく撃ち合いたいならば精度と発射速度を犠牲に単発ダメージを伸ばした105 mm砲を搭載する、といった具合だ。
先行するYoh車輌の特徴を引き継ぎつつ、見た目の奇抜さに磨きをかけたのがTier IX車輌「M-VI-Y」だ。前後に細長い不気味な砲塔は被弾しにくい上に、揺動式にもかかわらず頑丈なため跳弾を誘発しやすい。もちろん俯角と仰角も広く、車体装甲も最前線で撃ち合うのに十二分な装甲も併せ持つ。
そして先行車輌と同じく2種類の主砲が用意されている。射撃精度と発射速度に優れた105 mm砲と、単発ダメージを重視した120 mm砲から選択しよう。口径が大きくなっている以外は特徴も「M-III-Y」と同様だ。性能面でも見た目でもTier X車輌と見紛うかもしれない。だが真打ちはこれからだ。
新ルートの頂点に君臨するTier X重戦車「M-V-Y」は、これまでに紹介したYoh車輌の特徴、長所、そして設計をさらに尖らせた1輌だ。ハルダウンした姿には、先んじて実装された「M-IV-Y」や「Tornvagn」もタジタジだ。そもそも当てるのが難しく、当たったところで鋭く湾曲した設計によって弾かれてしまうのだから。アメリカ車輌お馴染みのキューポラはついているものの、サイズがかなり小さいうえ、装填中は主砲を上方に掲げてしまえば、まず抜かれることはない。
もちろん主砲は2種類用意されている。口径や基本的な特徴は先行車輌と同様で、多少の起伏ならものともせずに攻撃できる。105 mm砲は標準砲弾がAPCR弾であるため偏差射撃でも困ることはないだろう。
一方、120 mm砲は標準砲弾がAP弾である代わりに単発ダメージが高く、近距離や中距離での撃ち合いを好むプレイヤーにおススメだ。
上でも触れたように新ルートの車輌にはTier VIIから特殊メカニズム《予備履帯》が実装されている。
ご存じの通り、主要履帯を切断された後も機動性が低下するものの走行し続けることができる仕組みだ。走行速度の低下度は、切断された履帯の本数に左右される。
具体例
「M-V-Y」の最大速度は40 km/hだ。仮に片側の駆動輪に被弾して主要履帯の片方が切れたとすると速度は40%低下する。そしてもう片方の主要履帯も切断されると最大速度が65%低下する。しかし、《予備履帯》のおかげで引き続き走行は可能だ。
Yoh車輌が走行不能になるのは主要履帯に加えて《予備履帯》を少なくとも1本切断された場合に限られる。走行を再開するには履帯の修理が完了するのを待たねばならないが、その仕組みはやや複雑になっている。
まず、最初に修理されるのは《予備履帯》だ。《予備履帯》の修理に要する時間は主要履帯と比べて約25%短く設定されている。例えば主要履帯の修理に6.9秒かかる場合は5.3秒あれば《予備履帯》の修理が完了することになる。そして《予備履帯》の修理が完了してはじめて主要履帯の修理が始まる。
《予備履帯》さえ復旧すればもちろん走行を再開できるわけだが、ここで注意が必要になる。この状態で5 km/h以上の速度を出して走行してしまうと主要履帯の修理に要する時間が延長されるためだ。
つまり、Yoh車輌で戦闘中に走行不能になった際には、主要履帯の復旧を待つかどうかについて的確な判断を下す必要がある。例えばすぐ近くに大きな遮蔽物がある場合には《予備履帯》の修理が完了するや否や逃げ込んでしまう方が被害を少なく抑えられるかもしれない。逆に被弾の可能性が少ない状況ならば主要履帯の修理完了を待つのが賢いだろうし、遮蔽物の少ない平原で移動不能になってしまった場合には修理キットを使用するのが得策だろう。
さらにちょっとしたアドバイスを紹介しておこう。新車輌に興味がない、あるいは手に入れるのに必要なリソースが不足しているプレイヤーもいるかもしれないが、戦場で遭遇した時のために《予備履帯》への対策として頭に入れておくに越したことはない。
Yoh車輌を移動不能に追い込む方法が存在する。「主要履帯」と「予備履帯」の両方を正確に打ち抜けば一撃で移動不能化することも不可能ではない。側面から攻撃する場合はスプロケットを、正面から攻撃する場合はアイドラーホイールを狙うのがおススメだ。また、一般敵に口径が大きく単発ダメージが高い砲ほど、両方の履帯を同時に切断できる可能性が高まる。詳しくは以下で確認してほしい。
なお、これは以前の動画でも触れたことだが、いくら《予備履帯》があるからといって「修理キット」を持たずに出撃するのは得策とは言えない。平原で移動不能になった場合など自動修理を待っていられない状況もあり得るのだから。
Yoh車輌を使用する場合は拡張パーツ「改良型装甲材」の搭載を検討するといいだろう。主要履帯と《予備履帯》両方の耐久性が上昇するため、完全に移動不能に陥る可能性がさらに減るためだ。
いかがだろうか。最前線での撃ち合いに必要不可欠な硬い砲塔、地形をものともしない立ち回りを可能にする広い俯角と仰角、そして重戦車としては十分な機動性という大満足の性能に加えて、選択肢をさらに広げる《予備履帯》、そしてTierが上昇するにつれて尖っていくSFさながらの奇抜な見た目。研究して後悔はないはずだ。
アメリカYoh車輌ルートを開拓せよ!