SPG: スタンパラメータの調整

日頃より『World of Tanks』をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
この度、プレイヤーの皆様から頂いたご意見・ご要望をもとに、自走砲のバランスを全体的に見直すことを決断いたしました。
日本のプレイヤーの皆様には ”自走砲” としてお馴染みの車輌クラス " SPG "は、World of Tanksでは特殊な車輌クラスと言えます。 また、本当に多くのプレイヤー様にプレイいただいている車種でもあります。
自走砲がWorld of Tanksに実装された当初は、その圧倒的な火力から攻撃特化型車輌として、そして時間が経つにつれて長距離支援車輌として確固たる地位を築きました。しかしその特異なバランスについては、賛否両論のご意見があったことも認識しております。
そしてこの度、皆様から頂いたご意見および弊社の統計情報を元に、スタンパラメー
タを調整する決断に至りました。

バランス調整の理由

展開

今回のバランス調整について

複数の要素を微調整し、総合的にスタン時間が短くなるようにバランスを調整します。
まずは、既にスタン状態にある車輌が自走砲から砲撃を受けた際のスタン時間です。この追加スタン時間を短くする予定です。
ここで、スタンの理論をご説明しましょう。

現在のスタン時間の計算方法

スタンの最長時間は次の2つの要素によって決まります:

  • 1つ目の要素は、各自走砲の砲弾の設定値の1つ「スタン定数」です。この値は「定数」の名が表す通り、ダメージ量に依存しません。各砲弾のスタン定数には0から1の値が係数として設定されています。皆様にもっと馴染み深い例を挙げるとすると、ガレージに表示されている最小スタン時間(秒)です。スタン時間は貫通力や弾速と同じように、砲弾のパラメータの一つであり、車輌や砲ごとに異なる値が設定されています。

  • 2つ目の要素は、砲弾によるダメージを元に計算されます。言い換えると、この値はダメージに依存しているため、毎回その値が変わります。 

クライアントにはこの値は表示されていませんが、わかりやすく説明するために計算式をご紹介します。 スタン定数とスタン変数の関係を端的に説明すると、定数と変数の和は常に1になります。「Object 261」を例に見てみましょう。この自走砲の特性は次のとおりです:

  • スタン定数 = 0.45
  • 砲弾のスタン時間 (最大スタン時間 ) = 29秒
  • 最小スタン時間 = スタン定数 × 最大スタン時間 = 0.45 * 29 = 13.05秒

この情報を元に、スタン変数を算出します。

  • スタン定数 = 0.45
  • スタン変数(%) = 1 - スタン定数 = 1 - 0.45 = 0.55

変更点: 具体例

具体例を混ぜて今回の調整点をご説明いたします。例えば、「Object 261」が「IS-7」に射撃したとします。

1. スタン定数を変更してスタン時間自体を短縮
ダメージ量に依存しないスタン定数の値を変更します。それに伴って、スタン変数の割合を5%上げます。「Object 261」の例ではスタン変数が0.55から0.6に変更されるため、スタン定数は0.45から0.4に変更されます。これにより「Object 261」の最小スタン時間が13.05秒から11.67秒へ短くなります。 

2. スタン変数を変更して爆風によって受けるスタン時間を短縮
2つ目の要素「スタン変数」によって受けるスタン時間にも調整を加えます。この要素は前述した通り、ダメージに依存する値です。具体的には、砲弾の着弾点から車輌までの距離によって受けるダメージ量を調整し、結果的にスタン時間が短くします。現時点で爆発によるダメージ量の係数は、着弾点で0.5着弾点から最も離れた地点(爆発範囲内)で0.15となっています。この「着弾点から最も離れた地点」にいる車輌への被ダメージ量の係数を0.15から0.05に変更します。これにより、二つ目の要素「スタン変数」の値を低くすることができ、榴弾 (HE) が装甲を直撃しない限りは、爆風からの損傷を低減させることができます。


3. 既にスタン中であった場合に受ける追加スタン時間の短縮

既に自走砲から砲撃を受けて
スタン中である際に別の自走砲から砲撃を受けた場合、追加されるスタン時間を現在の半分(1/2)に短縮します

4. 装備品「内張り装甲」を装備した際のスタン時間を短縮
「内張り装甲」を装備している車輌がスタン中に他の自走砲から砲撃を受けた場合は、追加スタン時間が更に少なくなるよう優遇されます。内張り装甲(特大)を装備している場合は、スタン時間が20%短縮され、内張り装(大)を装備している場合は10%短縮されます。例えば、スタン中に自走砲から砲撃を受け、その砲撃によるスタン時間が15秒だったとします。内張り装甲(特大)を装備している場合は、追加スタン時間が12秒に、そして内張り装甲(大)の場合は13.5秒に短縮されます。

追加スタンによるスタン時間追加のスタンパラメータ調整について

複数の砲撃によってスタン時間が重複したとします。現在の仕様では、前回のスタンの残り時間よりも追加スタン時間が長い場合は、攻撃を受けた時点から追加スタン時間が開始します。詳しくは次の説明をご覧ください。

現在の追加スタンパラメータ仕様

最初に砲撃を受けた際のスタン時間が20秒だとします。8秒後に再び砲撃を受け、その追加スタン時間が23秒だとします。現在の仕様では合計スタン時間は8+23=31秒になります。

今回の改修で、追加スタンの時間が半分になりますので、合計スタン時間は31秒よりも短くなります

調整後の追加スタンパラメータ仕様

最初のスタン時間が20秒だとします。8秒後に再び砲撃を受け、その追加スタン時間が23秒だとします。ここで追加スタン時間が半分に短縮されますので、合計スタン時間は8+12=20秒になります。

この例では、合計スタン時間が31秒から20秒に短縮されることになります。これにより、複数の自走砲から集中砲火を受けた際にスタン時間が終わらないケースが減り、現在より反撃や後退などの余裕ができるのではないかと予想しています。このように、調整後は複数の自走砲から砲撃を受けた場合のスタン時間が大幅に短縮します。また追加スタンを受けても、スタンタイマーに全く影響がない場合もあります。
更に、計算後の追加スタンが5秒未満の場合は追加スタンとして適用されません

自走砲の特性変更について

今回の調整はほんの僅かのように見えますが、総合するとスタン時間の大幅な短縮に繋がると予想しています。特に追加スタン時間が大幅に軽減されると期待しています。この調整による影響の大きさ、範囲、方向は、各車輌の設定や戦闘能力によって異なります。そのため、今回のスタンパラメータの調整に合わせて、各自走砲の特性を変更する必要があります。
まずは、次の車輌の爆発半径を5%縮小します:

  • G.W. Panther
  • G.W. Tiger (P)
  • G.W. Tiger
  • G.W. E 100
  • M12
  • M40/M43
  • M53/M55
  • S-51
  • SU-14-1
  • SU-14-2
  • 212А
  • Conqueror Gun Carriage
  • Object 261

特定車輌の調整:

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自走砲のバランス調整の概要や方針は以上の通りとなります。なお、開発の進捗やスーパーテストの結果等により調整内容を変更する場合がございます。予めご了承ください。
今後も皆様から頂いたご意見・ご要望を元に、適宜ゲームバランスの調整を行っていく予定です。

ぜひ今回の自走砲バランス調整に関するご意見・ご要望をフォーラム、または以下のアンケートフォームまでお寄せください。
ご迷惑をおかけいたしますが、今後とも『World of Tanks』を、よろしくお願い申し上げます。

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