戦車長の諸君!「日本技術ツリー」に新たな「駆逐戦車ルート」が登場するぞ!
新ルートはTier IV中戦車「Type 1 Chi-He」から分岐し、Tier V~Xまでの合計6輌で構成される。本記事ではその概要を紹介しよう。
ルートの特徴
はじめに注意しておきたいのは、日本駆逐戦車には固有のメカニズムや尖った性能があるわけではない、という点だ。だがしかし、かといって目新しさに欠けた凡庸な車輌の集まりなのかと言えば、それもまた違う。既存の重駆逐戦車や紙装甲の狙撃型駆逐戦車などとはまた異なる独自の特徴を備えており、乗りこなすうえではこれを十分に理解するのが大切になる。
攻撃性能
日本駆逐戦車の長所を端的に表すならば、《万能性》や《バランスの良さ》といった言葉が相応しい。そしてこの表現は、総合的な性能はもちろん、攻撃性能だけをとっても当てはまる。まず、どの車輌もTierに対して強力な主砲を搭載している。純粋な単発火力だけを見れば他にもっと優れた車輌があるものの、口径や貫通力に対して照準時間、射撃精度、そして分間火力が高く、味方重戦車の少し後方から敵のHPを確実に削っていく攻撃性能のバランスの良さという意味では、かなりの力を備えている。
なお、通常弾とプレミアム弾がどちらもAP弾である車輌が多い点には注意が必要だ。3種類目の砲弾としてもちろんHE弾も使用できる。
防御性能と走行性能
日本駆逐戦車の性能のうち、Tierの上昇に伴ってはっきりと変化していくのが装甲だ。Tier V~VIではほとんど装甲に期待できないものの、Tier VIIから防御性能が徐々に上がっていく。Tier VIIIやTier IXでは、最前線での撃ち合いにはなお不十分ながら、同格車輌の通常弾程度ならば十分に阻めるようになり、そしてTier Xでは、起伏や遮蔽物で弱点にあたる車体下部さえ隠してしまえば、最前線でも強気に撃ち合えるようになる。
総合的な機動性は高いとは言えない。特にTierが上がり装甲が頑丈になるにつれて最大速度が低下する点には気を付けたい。ただし、前面装甲に比して後退速度が高いのは重要な長所と言える。とはいえ、後退速度が生きるのはあくまで撃ち合いの中だけで、即座に危機を脱したり、あるいは大胆な陣地変換を行えるような性能ではないため、慎重なルート選択と正確な戦況把握が欠かせない。
まとめ
日本駆逐戦車ルートは、走攻守をバランスよく備えた車輌を中心に構成されている。その大部分が中距離以近からの火力支援で力を発揮しやすい性能を備えているため、敵味方の布陣と交戦距離に注意しながら立ち回れば、攻撃か防衛かを問わず活躍ができるはずだ。
ルート全体の特徴は以上となる。次は個々の車輌の性能を見ていこう。
Tier V~VI車輌
新ルートの始まりを告げるのは、Tier V駆逐戦車「Ho-Ni III」だ。ざっくりとまとめるならば、ドイツTier V駆逐戦車「StuG III Ausf. G」の最上位砲をさらに高精度かつ強力なものに換装した車輌、と特徴づけることができる。装甲にはほとんど期待できないため、敵味方の布陣や主戦場との距離に注意を払い、できるだけ発見されないように立ち回ることが極めて重要となる。
続くTier VI駆逐戦車は、「Type 95 Ji-Ro」だ。先行車輌とよく似た特徴を備えつつ、一部に強化が施されている。中でも重要なのは、デフォルトの視認範囲が350 mに拡大されている点と、隠蔽率が高くなっている点だ。装甲はやはりないに等しいため、敵の視認範囲外や仮に発見されても射線を切りやすい場所に構え、火力支援や待ち伏せに徹するのが良いだろう。性能や立ち回りの似た車輌を挙げるとすれば、ソ連駆逐戦車の「SU-100」が一例となるだろうか。
Tier VII~IX車輌
日本駆逐戦車ルートは、Tier VIIからその立ち回りを大きく変える。単発火力が上昇するだけでなく、先行車輌とは比べ物にならない装甲を手に入れるためだ。
Tier VIIで登場する「The Chi-To SP」は、同格車輌の攻撃ならば跳弾が期待できる前面装甲を備えている。大きなキューポラや車体下部などの弱点を狙われるとダメージを受けてしまうものの、起伏や遮蔽物で弱点を隠し、車体にやや角度をつけて実効装甲厚を増やせば、十分な防御性能を発揮する。
主砲には75 mm砲と105 mm砲を搭載することができ、特に後者の単発火力はなかなかの数値となっている。総合的な機動性も悪くない。
続くTier VIII車輌は「Ho-Ri 2」だ。日本駆逐戦車ルート全体の特長を最もよく体現した車輌といっても過言ではなく、単発400HPの火力、優れた防御性能、そして十分な機動性を備えている。
装甲について注意すべきはキューポラが2つ存在する点だ。ただし、そのうちのひとつは正面から狙うのが難しいため、貫通されてしまう可能性はそう高くない。車体前面にも各所に弱点が存在するものの、Tier VIIIで貫通できるのは特に優れた主砲を搭載した一部の車輌に限られる。
「Ho-Ri 2」で活躍するには、弱点を正確に狙われることが少ない第2線から強気に火力支援していくのが望ましい。15 km/hの後退速度を備えているため、素早く遮蔽物から飛び出して射撃を行い、敵が弱点に狙いを定めている間に再び身を隠してしまう、といった立ち回りを心がければ、大きな戦果を上げられるはずだ。
数字の順番が少しややこしいTier IX車輌「Ho-Ri 1」は、先行車輌の長所をさらに伸ばした1輌と言える。主砲には149 mm砲を搭載し、大口径だけに装填時間はデフォルトで15.5秒とやや長いものの、650HPの単発火力はすさまじく、貫通力も素晴らしい。防御面でも、車体下部に大きな弱点が存在するものの、戦闘室の上部を貫通されることはそうないはずだ。攻撃性能と防御性能を考慮すれば機動性も悪くなく、立ち回りを間違えさえしなければ、敵にとって相当の脅威となるのは間違いない。
Tier X車輌「Ho-Ri 3」
最後に、日本駆逐戦車ルートの頂点に君臨するTier X車輌「Ho-Ri 3」を紹介しよう。ルートの集大成と呼ぶに相応しく、2,000ポイントの車輌HPに最大300 mmの前面装甲を備えており、車体下部のほかに弱点らしい弱点は見当たらない。攻撃面でも、通常AP弾ですら貫通力305 mmに至り、単発火力は先行車輌からさらに上昇した700HPとなっている。たとえ相手がTier X車輌であっても数発でガレージ送りにできてしまう値だ。
サイズが大きく隠蔽率が低いことから、後方に構えて茂み越しに狙撃をするような立ち回りでは、むしろ活躍のチャンスを逸してしまう。35 km/hの最大速度は決して高くないものの、味方重戦車が最前線に到着するまでに第2線の要所を確保して火力支援を行うには必要十分と言える。これを活かさない手はないだろう。
「Ho-Ri 3」は、戦線の押し上げでも活躍できる攻撃性能と防御性能を備えている。車体下部の弱点がやや大きいとはいえ、車体に角度をつけて実効装甲厚を増やし、あるいは起伏を利用してうまく隠せば、ダメージを最小限に抑えながら敵にプレッシャーを与えることができるはずだ。
日本駆逐戦車の万能性に酔いしれろ!