戦車研究 #5: Centurion

戦車長の皆さん

『World of Tanks』の車輌と実際の車輌を比べてみたことはありますか?このシリーズでは実際の車輌とゲーム内車輌を比較して、その相違点を検証してみたいと思います。

第5回目は Centurionです!


外観の比較: Centurion

車体側面

砲塔側面

砲塔上部


砲身

※写真のCenturion Mk.5は、1981年6月18日にイギリス国防省に寄贈された車輌です。現在は韓国のKAI航空宇宙博物館に展示されています。


車輌特性の比較

Centurion Mk.5
(KAI航空宇宙博物館展示)
比較 Centurion Mk.7/1
(World of Tanks)
全長: 7.6m / 全幅:3.3m / 全高:2.9 m サイズ -
- HP 1,620
50~152mm 装甲 車体: 120 / 50 / 31mm
砲塔: 152 / 88 / 88mm


50.7t 重量 51.46t
650HP エンジン出力 650HP
45km/h 最高速度 時速50キロ
190 km 巡航距離 -
- エンジン ROLLS-ROYCE METEOR MK.IVB

84mm20ポンド砲
7.62mm機関銃×2

副武装

OQF 20-PDR GUN TYPE A BARREL

車長、砲手、装填手、操縦手 搭乗員 車長、砲手、装填手、操縦手

※モデルにより特性が異なる場合があります。

Centurionの歴史

Centurion(センチュリオン)はイギリスで開発・量産され、第2次世界大戦後の第1世代の主力戦車として各国で活躍しました。
第2次世界大戦までイギリス軍は、高機動・軽装甲の巡航戦車と、重火力・低機動の歩兵戦車を別々に開発していましたが、戦局がすすむにつれて重火力で高機動な強力な新型戦車の必要性を感じていました。また、アメリカから巡航戦車が輸入としてイギリスに流入してくるなか、国産の巡航戦車の開発は既存の車輌の改良に留まっていたこともあり、イギリス陸軍は巡航戦車と歩兵戦車の長所を兼ね合わせた国産戦車を新規に開発することを決めました。とりあえずの間は、十分な火力を備えた砲を搭載したComet系の車輌と、段階的に改良を続けているCromwellの生産で需要に応え、その間に新型戦車の開発をすることになりました。

新型戦車は高機動と高火力が必須条件でした。当時は戦車を目的地まで輸送するために鉄道が使われており、新型戦車には自力で目標地まで到達できるだけの機動性が求められていました。

砲塔リングのサイズを74インチに上げて17ポンド砲が搭載可能になったことで火力が大幅に強化され、Centurionの派生型が多く生産されました。

Centurionはイギリス国内で最も多く運用され、また各国にも輸出されましたが、イギリスの次に多くCenturionを購入した国はアメリカでした。アメリカ軍はCenturionを自分たちの軍のためではなく、相互防衛援助計画の一環として欧州の西側諸国に戦車を提供する目的でCenturionを購入しました。アメリカが購入した数百ものCenturionは、デンマークとオランダに配置されました。

韓国での実戦に投入されたCenturionの活躍を目の当たりにすると、イスラエル、スウェーデン、スイス、カナダなど、各国がCenturionを購入・運用しました。それから数十年の間、Centurionは幾度となく改良が加えられ、近年まで現役として活躍しました。特にイスラエルでは2000年代まで積極的にCenturionを運用しました。

派生型

  • Mk.Ⅰ17ポンド砲搭載
  • Mk.Ⅱ:17ポンド砲搭載。Mk.Iよりも砲塔が大きく、またMk.III以降のモデルのベースとなった
  • Mk.Ⅲ:20ポンド砲搭載
  • Mk.IV:95mm臼砲搭載
  • Mk.V:ブローニング機関銃搭載。20ポンド砲の中央部分に排煙器が取り付けられた。カナダ、オーストラリア、南アフリカなどのイギリス連邦軍によって最も多く運用された
  • Mk.Ⅵ::対T-54用の車輌として主砲に105mm L7が搭載され、装甲が強化されたモデル
  • Mk.Ⅶ:エンジン室が改良された

 

『World of Tanks』のCenturion

『World of Tanks』では、イギリス技術ツリーTier VIIIとIXの車輌として戦場で活躍しています。

「Centurion」は堅牢な砲塔装甲と薄い車体下部装甲が特徴です。頑丈な砲塔を活かし、弱点である車体下部をカバーするにはハルダウン戦法を使いましょう。

プレミアム中戦車 VIII Centurion Mk. 5/1 RAAC は、Centurion Mk.Iよりも装甲が厚く、出力重量比も高めです。でもMk.Iよりも簡単に回り込まれてしまいやすいので注意が必要です。

閉じる