「我々アライアンスは助けが必要だ!退役軍人でも新人でも良い。マッドサイエンティストのMax von Kriegerが新兵器を開発し、再び危険な計画を実行に移そうとしている。彼の野望を止めるために、我々に賛同して欲しい。単独では対抗できない…チームで連携し、彼の裏をかく必要がある。去年と同じ方法ではダメだ。この作戦書を読み、知識を深めて欲しい!」
大佐は説明資料の冒頭を読み終えると手元に置いた。両手をテーブルにつき、顔を上げる。
大佐「Max von Krieger は非常に優秀な天才科学者だ。彼の開発する兵器には到底敵わない。しかし彼は天才であるが故に、孤独でもある。連携による強さを知らない。そこが彼の弱点だ」
少佐「現在、義勇隊の編成を行い、戦略的配備を計画中です。」
大佐「作戦指示書の準備は?」
少佐「既に作成できています。先行部隊の情報を元に、彼のBlitzträger auf E 110に対抗しうる十分な情報を獲得できました。こちらをご覧下さい。」
映像が終わり、画面が暗転する。少佐は映写機を止め、書類の入ったフォルダを大佐に差し出した。
大佐「これは?」
大佐はフォルダーを開き、1ページ目に目を通す。
少佐「来たるべき今日のために、極秘裏に開発された新型車輌の一部です。」
大佐「ふむ…それぞれ特殊な装置を搭載しているのか。特にBat.-Chatillon 25 tに搭載されたバリア装置は非常に興味深いな…」
少佐「去年のMax von Kriegerとの戦いでは、用意されたT-55Thunderboltでは継戦能力に欠けていました。この戦闘データを元に、大きな改良が施されています。」
少佐「これらの車輌を今回招集する義勇軍へ配備する準備が進められています。今こそ攻撃のチャンスです。今なら彼を、Max von Kriegerの野望を打ち砕ける勝算があります。詳しくは25ページを、先行部隊が持ち帰った情報をご覧ください。」
- 戦闘序盤でのBlitzträger auf E 110への攻撃は無意味だ。まず、哨戒車輌を殲滅しプラズマを獲得、そしてジェネレーターへ運搬しジェネレーター破壊を目指せ。
- 回収したプラズマはすぐにジェネレーターへ運搬せよ。一定時間が経過するとプラズマが消失する。また、もしジェネレーターへの運搬が間に合わない場合でも、プラズマの獲得に意味がない訳ではない。味方全員のHPを回復できると共に、運搬中はBlitzträger auf E 110への与ダメージを高められる。
- ジェネレーター破壊後はBlitzträger auf E 110のシールドが完全に無効化される。また、その後約40秒間は次のジェネレーターが起動しないため、哨戒車輌を殲滅しプラズマを獲得しても時間経過によって消失してしまい意味が無い。ジェネレーター破壊後の1分間は、可能な限り全隊員はBlitzträger auf E 110へ全ての火力を向けるんだ。この1分間でチームの総火力をBlitzträger auf E 110へ向けることができれば、HPを半分削ることも不可能ではない。
- Blitzträger auf E 110もプラズマを吸収することでHP回復とテレポート能力のクールダウンタイムを短縮できる。何も考えずに哨戒車輌を殲滅することはご法度だ。
- ジェネレーターを4つ破壊するとBlitzträger auf E 110のシールドが完全に無効化されるが、4つ全ての破壊を絶対に目指さなければいけない訳ではない。3つ破壊できれば十分なダメージを与えられるようになる。それまでにシールド無効化時間のダメージが蓄積しているようであれば、無理に哨戒車輌を撃破しようとせず、Blitzträger auf E 110へ集中砲火を集めた方が良い場合もある。
- 用意した3輌の車輌の役割をよく理解しよう。例えば、Bat.-Châtillon 25 tをベースに開発されたFoudreは、移動速度が非常に早いためプラズマの運搬役に適しているが、HPが少ないため撃破されやすい。逆にM48A5 PattonがベースになったThunderboltは、火力と装甲は優秀な反面、移動速度が遅いためプラズマの運搬には適さない。
- 戦闘終了時間が間近になってもあきらめるな!戦闘終了時に誰かがプラズマを運搬中であれば、オーバータイムが発生する。オーバータイムは、そのプラズマが消失するまでの時間にもよるが、最低でも30秒以上は延長される。
- ジェネレーターを破壊することで残り戦闘時間が延長される。Blitzträger auf E 110へ攻撃を集中するか、哨戒車輌を殲滅してジェネレーター破壊を目指すかをよく考えよう。
大佐「十分な内容だ…この短時間でよくここまで準備できたな。しかしBlitzträger auf E 110はどうなんだ?」
大佐はフォルダーを閉じ、眉間に皺を寄せて尋ねた。
少佐「別に派遣した偵察部隊から、新たな情報を得ています。」
大佐「別の偵察部隊…?どれだけ被害が出た。」
大佐の声は冷たい。
少佐「貴重な情報の代わりに多くの人員を失いました。Max von Kriegerは本気で我々を殲滅しようとしている…しかし、今回得た情報は本当に貴重なものです。彼の研究室の潜入に成功し、開発中のBlitzträger auf E 110のメモを回収できています。このノートをご覧ください。」
Max von Kriegerの開発メモ
ヤツらはジェネレーターを破壊するところまで把握しているようだが…私を倒そうとなど笑止千万!戦いはチェスだ。私は常に3手、いや10手先を行っている。
- ヤツらをジェネレーターに近づけさせるな!もし味方の哨戒車輌が撃破されプラズマを取られたとしてもだ。プラズマを持った車輌をジェネレーターに近づけさせなければ意味がない。
- もしジェネレーターが破壊されたら1分間シールドが完全に無効化されるだけでなく、除々にシールド効果が薄れていく。さらにBlitzträger auf E 110の場所がヤツら全員に知られてしまう。
- ジェネレーターが破壊された直後は、絶対に開けた場所へ出てはいけない。シールドが無効化されている間に四方八方から撃たれ多くのHPを失ってしまう。想定されうる最悪のケースでは、1度ジェネレーターを破壊された後の1分間で、半分のHPを失ってしまうこともあるだろう。
- シールド作動中は私は無敵だ。1に攻撃、2に攻撃、3・4がなくて、5に攻撃!ヤツらがプラズマを回収しようとしていたら妨害し、こちらが回収して回復すれば良い。
- ヤツらに振り回されるな。ヤツらの撃破に固執するな!去年と同じ轍を踏まんぞ。時間は私の味方だ。とにかくジェネレーター破壊を阻止し、時間を稼ぐんだ。
- 今回の私の作戦のキーとなるのはジェネレーターだ。味方AIの哨戒車輌ではない。無理に哨戒車輌を守ろうとする必要は無い。とにかくジェネレーターへの接近を許すな。
- どれだけヤツらを撃破してもワラワラと湧いて出てくる…しかし1輌あたり3回撃破すれば、それ以上増えることはない。
- キーボードの「2」キーに設定した電磁ショットを有効に使え。もしジェネレーターにプラズマを運搬され、柱の裏に隠れられたとしても焦るんじゃない。電磁ショットをジェネレーターに当てれば、範囲攻撃でジェネレーター破壊を一度キャンセルできる。自走砲の爆風のようなものだ。
- 電磁バーストで被害を与えた敵が多いほど、クールダウンタイムが短くなる。
- 敵が建物の裏に隠れた時は、すかさず電磁バーストを使用して範囲攻撃せよ。ただ追いかけ回しても機動性はヤツらの方が上だ。逃げられてしまう。電磁バーストを使用すれば、ヤツらは殺虫剤を吹き付けられた虫のように動きが鈍る。
- ヤツらが開発した車輌情報を入手したが…Foudre?なるほど、Bat.-Châtillon 25 tがベースになっているのか。何?特殊なシールドを展開できる…だと?なるほど、この構造なら確かにBlitzträger auf E 110の攻撃を無効化できるかもしれん。だが電磁ショットは無効化できないな。電磁ショットで動きを鈍らせ、逃げられる前に撃破すれば問題無い!
読み終えた大佐は厳粛な面持ちで少佐を見つめる。
大佐「前回の作戦に参加した者、今回新しく参加する者、全ての戦車兵に招集をかけたまえ。必ずこの資料に目を通させろ。増援部隊を急いで準備するんだ。」
少佐は敬礼しオフィスを出ようとするが、ドアの前で立ち止まり不安な顔でこちらを向き直した。
少佐「そうでした…大佐。生存者からの報告によれば、驚異となる敵はMax von Kriegerだけでは無いようです。詳細は不明ですが、目撃した者達からの情報は一貫しています。Blitzträger auf E 110とほとんど同じ見た目で、性能は同じですが、動きが明らかに熟練者の "ソレ" だと…我々はその驚異を『Blitzträger auf E 220』と名付けました。」
大佐「なるほど…しかしその話の確証は無いのだろう?荒唐無稽な話を追いかけることになる。伝説と言われていたホワイトタイガーを探すようなものではないか。これ以上皆を不安にさせる必要はない。兵士達には内密にしたまえ。」
少佐は再度、敬礼し部屋を後にした。
少佐を見送った大佐は大きくため息をつき、机の一番下の引き出しを開ける。そこには、ベルベット生地の箱につつまれた白い戦車の絵が描かれたメダルが…