ゲームと史実の風景:クラフトワーク

戦車長の皆さん

『World of Tanks』の広大なマップのひとつ「クラフトワーク」。皆さんはクラフトワークについてどれくらいご存知ですか? 地下通路や、爆発にも耐えられる頑丈な建物、そして「埋蔵金」が眠る秘密施設など……興味深い事実をもう少し掘り下げてみたいと思います。

敵の足元を侵攻

クラフトワークでは地表の下……そう、地下通路を車輌で移動することが可能です。いったん地下に潜伏してしまえば、ひっそりと敵背後から防衛線を突破することができる。まさに理想的な動線です。クラフトワークの地下通路の距離は思ったよりも長く、かつ、マップの数地点に広がっています。また通路自体は「VK 100.01 (P)」が自由に移動できるほど広いため、それほどの制限を感じることなく移動できます。

クラフトワークマップのこの地下通路は、ウクライナ南部のクリミア半島南西岸の町「バラクラヴァ」の地下原子力潜水艦基地「オブイェークト 825 GTS」がモデルになっています。ソ連時代に建設されたこの大規模な秘密地下基地は、原子力潜水艦の母港として核の脅威にも耐えられるように設計されました。
『World of Tanks』のクラフトワークマップの地下通路は、戦車で快適にプレイできるのだろうか? そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。この点についてはカメラワークを工夫して調整していますので、ぜひ一度体験してみてください。そして地下通路を使った新戦術を編み出してみてはいかがでしょうか。

ドイツ軍の秘密基地

第二次世界大戦中に旧ドイツ軍が推進した「大西洋の壁」政策をご存知ですか? 北欧からフランス・スペイン国境までの海岸線の各要所に、砲台や要塞を建てて海からの攻撃に備える作戦です。完成には至らなかった「大西洋の壁」ですが、現在でも各地に風化したコンクリート要塞が点在しています。そのひとつがフランスのサントメールの10キロ北にあるエペルレックのブンカーです。「クラフトワーク」マップの巨大な建物は、エペルレックのブンカーから着想を得ています。

エペルレックのブンカーは、V1飛行爆弾とV2弾道ミサイルの最初の基地として有名です。V2弾道ミサイルに関しては、このエペルレックのブンカーが組み立て工場になるはずでした。現在は博物館として、森の中に建設途中で放棄されたV-2発射基地が見られるほか、見学コースの最後にはV-1飛行爆弾の発射台が展示されています。

第2次世界大戦中の1943年3月、エペルレックの森でブンカー建設工事が始まりました。ただし、開発直後に連合軍の偵察機によってブンカーの建設が発見されます。その建造物が何であるかあきらかではありませんでしたが、連合軍は念のために破壊すると決断します。同年8月27日、連合軍は187機のB-17 フライングフォートレスで空爆を仕掛けると、368,910キロにもおよぶ爆弾を投下し、ブンカーに壊滅的なダメージを与えました。

ポジション

「クラフトワーク」マップには独特な建物が多くあります。その中のひとつ「発電所」で交戦したことはありますか?

マップのほぼ中央にある発電所。そのすぐ近くには石炭工場があります。工場はすっかり廃れ、屋根も崩れ落ち、もう何年も人が立ち入った形跡がないように見えます。

周囲の景色―細やかなディテール

よく見ると、東ドイツの領地内で戦闘が起きているようです。マップ北側にはベルリンの壁の跡が見て取れます。

また速度無制限の高速道路として有名なアウトバーンも見ることができます。

秘密施設に眠る埋蔵金

秘密地下通路と秘密基地。戦いが絶えない時代であったからこそ、誰もが想像するでしょう……頑丈な隔壁に守られた秘密基地に眠る埋蔵金を。

ゲーム内で最も堅牢かつ巨大な建造物の一室に埋蔵金が隠されています。この山岳地帯にひっそりと佇む建物は、アメリカのコロラド州コロラドスプリングス近郊にあるシャイアン・マウンテン空軍基地から発想を得ています。花崗岩険しい山中に作られた地下施設には、地上から約1.6kmほどのトンネルを抜けた先に施設が設けられており、数キロ以内で核爆発が発生しても耐えられる作りになっています。

部屋の棚には山ほどの金の延べ棒が所狭しと並べられています。戦車で棚に体当たりをしようものなら、この金塊が一斉に車体の上に崩れ落ちてくるでしょう。金塊のシャワーを浴びる自車輌のスクリーンショット画像は、SNSでも話題の一枚になるかもしれません。

周囲には狙撃に適したエリアもあるため、山中の秘密基地は防衛拠点として戦術を組んでみるのもよいかもしれません。

クラフトワークには攻略したいエリアがまだ数多くあります。
今シーズンのフロントラインでぜひマップを攻略して、新しい戦術を編み出してみてください。

閉じる