Tier10まで拡張された軽戦車について見てみましょう!
連載第36回となる今回は、アップデート9.18でTier10までラインが拡大された軽戦車をご紹介していきたいと思います。
アップデート9.18では様々な変更が行われましたが、その大きな要素の一つが軽戦車ラインの拡大です。軽戦車は当初、独立した戦闘ユニットというよりは、敵車輌を発見・偵察し、他の味方と連携しながら戦う火力支援車輌として実装されました。その結果として、Tier4以上の軽戦車を使用した場合、他の車輌タイプとは異なる特別なマッチング条件が適用され、自車輌より最大でTier が3つ上の敵車輌とマッチングされるようになっていました。
この特別マッチングは、当初は Tier7 軽戦車を Tier10の戦場に参加させるためのものでしたが、その結果として、格上の強力な車輌とマッチングされることになってしまった軽戦車は簡単に撃破されてしまい、偵察車輌としての役割を果たすことが困難でした。そういった戦場にマッチングされた軽戦車が大きな与ダメージを達成できる機会は滅多になく、格上Tierの車輌に対してはほぼ無力と言えるような場合がありました。
今回のアップデートではそういった状況を見直し他の車輌と同じくTier差が±2の範囲でマッチングするように改善するため、ドイツ、アメリカ、ソ連、フランス、中国の5つのツリーにそれぞれTier9、Tier10の車輌が新たに追加されました。
これらの車輌は従来の偵察といった役割以外にも、その高い機動力と良好な火力を活かしての支援攻撃や撹乱といった役割においてその力を存分に発揮します。軽戦車なので装甲はそこまでですが、自慢の速さと新たに追加された良好な火力を活かして戦場でその存在感を示しましょう!
ここからは新たに追加された軽戦車を簡単にご紹介していきたいと思います。
ドイツツリー
ドイツツリーではツリー拡大に伴い、「HWK 12 (Tier8)」 および「Rheinmetall Panzerwagen (ラインメタル・パンツァーヴァーゲン / Tier10)」という 2 両の新車輌が登場します。Tier8に新車両が入った関係で、「Spähpanzer Ru 251」はTier8からTier9車輌に引き上げられました。
◯ HVK12 (Tier8)
新たにTier8に追加された軽戦車。ヘンシェル・ヴェルケ社によって開発された HWK 10 シリーズの軽装軌装甲運搬車をベースとした偵察車輌案の一つで実際には作られることがなかった計画車輌です。前進の「Spähpanzer SP I. C.」を順当に強化したような性能を持ち、視認範囲は同格車輌の中ではトップクラスです。扱いやすい砲、優れた機動力、トップクラスの視認範囲と、偵察を行うにはうってつけの車輌と言えるでしょう。
◯ Rheinmetall Panzerwagen (ラインメタル・パンツァーヴァーゲン / Tier10)
ドイツツリーの駆逐戦車の「Kanonenjagdpanzer」と車台を共用して設計された計画車輌です。砲塔の天板の一部が方の俯角にあわせて可動する独特の構造を持っており、-10°と良好な俯角を持ちます。さらにTier10軽戦車の中でもトップクラスの機動力を持ち、その非常に優れた速度を活かして戦っていきましょう。反面、最も分厚い正面装甲でも30mmと装甲はあってないようなもの。また車体そのものも比較的大柄なので被弾には気をつけましょう。
アメリカツリー
アメリカツリーでは従来は中戦車扱いだった「M7(Tier7)」が軽戦車カテゴリーへ変更されTier10には新車輌として「Sheridan」が追加されました。その他従来はTier7だった「M41 Walker Bulldog」はTier8に。同じくTier8の「T49」はTier9に引き上げられています。Tierが引き上げられた車輌に関しては、その分HPや機動力、火力などが調整され性能が向上しています。
◯ Sheridan (シェリダン / Tier10)
M551シェリダン空挺戦車の試作車で前進の「T49」を正統進化させたような性能を持ちます。特徴的な152mmガンランチャーも引き続き搭載可能で、その大口径砲からは軽戦車とは思えないような強力な一撃をお見舞することが出来ます。この砲は大口径砲らしく強力な火力を発揮しますが、精度が高いわけではないのでその点は注意しておきましょう。152mmガンランチャー以外にも105mm砲を搭載可能で、こちらは貫通力がやや低めですが良好な照準速度と装填速度を持ち、総合的に見て扱いやすい砲と言えます。
ソ連ツリー
ドイツツリーではツリー拡大に伴い、「LTG (Tier7)」 および「T-100 LT (Tier10)」という 2 両の新車輌が登場します。Tier7に新車両が入った関係で、「LTTB」はTier7からTier8へ、「T-54 lightweight」はTier8からTier9車輌へと引き上げられました。
◯ LTG (Tier7)
新たにTier7追加された軽戦車。異常に平べったい車体と独特な形状の砲塔が特徴的。車高は「MT-25(Tir6)」より低く押さえられており、砲塔の装甲防御力も高めですが、所詮は軽戦車なので過信は禁物です。一方で、偵察を行う軽戦車として最も重用な視認範囲は同格の軽戦車の中でも最低。拡張パーツで視認範囲を補うことは必須と言えます。反面、隠蔽性能に関しては全軽戦車で見てもトップクラスの高い隠蔽率を持つという、少しアンバランスで特徴的な性能を持つ車輌です。
◯ T-100 LT (Tier10)
ソ連ツリーの軽戦車の集大成とも言えるTier10の「T-100 LT」は、非常に特徴的な平べったく車高が低い車体形状をしており、素晴らしい機動力、隠蔽率を持っています。その砲塔形状は避弾経始に優れており、軽戦車としては厚めの正面装甲も相まって軽戦車らしからぬ防御力を発揮する場合があります。ただしこちらも所詮は軽戦車の装甲なので装甲への過信は禁物です。
フランスツリー
フランスツリーは特に特徴的な軽戦車が揃っています。小柄なサイズの車体に優れた機動力と堅実な隠蔽性、そして一部の車輌は自動装填タイプの砲を搭載し、侮れない火力を持っています。今回のアップデートにてツリー拡大に伴い若干のバランス調整が行われ、新た「Bat.-Châtillon 12 t (Tier8)」 および「AMX 13 105 (Tier10)」という 2 両の新車輌が登場します。Tier8に新車両が入った関係で「AMX 13 90」はTier8からTier9車輌へと引き上げられました。
◯ Bat.-Châtillon 12 t(バティニョール・シャティヨン 12 t / Tier8)
新たにTier8に追加された軽戦車。自動装填装置を搭載した軽戦車で、単発火力こそ低めなものの自動装填装置の利点を活かして火力を集中させれば中々の威力を発揮します。AMX 13 90に比べて自動装填装置のマガジン交換時間は短めです。高い隠蔽性と機動力を活かして戦っていきましょう。
◯ AMX 13 105 (Tier10)
AMX-13軽戦車の105mm砲搭載バージョン。小柄な車体に似つかわしくない強力な105m砲を搭載していますが、マガジンは1セットで3発と瞬間火力はやや控えめ。単独で敵戦車の撃破を狙うよりは本来の軽戦車らしく、味方と連携した動き方が重要となります。フランス軽戦車共通の特徴である小柄な車体を活かした堅実な隠蔽性と、高い機動力を活かした戦いを心がけましょう。
中国ツリー
中国ツリーは他のツリーと異なり、元々のツリー構造は変更されずTier9に「WZ-132A」、Tier10に「WZ-132-1」という2両の新車両が追加されました。
◯ WZ-132A (Tier9)
Tier8の「WZ-132A」の改良型の軽戦車です。高い機動力と軽戦車として堅実な火力、視認範囲を持っています。改良砲の「100 mm 62-100TA」はかなり特徴的な長砲身砲で、自身の車体よりも砲身が長くその分高い貫通力を持っています。その分取り回しは悪くなっているのでその点は注意が必要です。
◯ WZ-132-1 (Tier10)
まるで中戦車の様な風貌の軽戦車で、万能型タイプの性能を持っています。主砲の105mm 砲は西側戦車にも搭載されている105mm L7と同様のもので、軽戦車の中ではトップクラスの貫通力と火力を持ちます。また砲塔は避弾経始に優れ、最大で200mm厚の装甲と軽戦車ながら高い防御力を持ち合わせています。機動力に関しても高出力のエンジンにより優れた加速性能を持ち、偵察だけでなく遊撃でもその能力を発揮するでしょう。
今回はアップデート9.18で追加された高Tierの軽戦車について簡単にご紹介させていただきました。軽戦車のラインが拡大されたことでマッチング範囲も変更され、軽戦車に求められる役割も若干変化しました。軽戦車は偵察だけでなくより攻撃的な側面をもったプレイも可能になり、新たな魅力が見えてくると思います。今まで軽戦車をあまり積極的に使った事が無かった方も、ぜひ新たな軽戦車でのプレイに挑戦してみてください!
それでは次回もお楽しみに!良い週末をお過ごしください♪
(コラム記事: ヴィクトリヤ 挿絵イラスト: しばふ)
登場キャラクター
ヴィクトリヤ Wargaming.net Communityチーム所属の新人社員。ベラルーシ出身。しばしば先輩たちに振り回されている。好物はしいたけ。 |
ラビ様 ヴィクトリヤが入社したWargaming.net のとあるオフィスの社長(代理)。 見た目は完全にお子ちゃまだが偉い人。 |
ミズキ ヴィクトリヤの先輩社員。Community チーム所属。ヴィクトリヤのことは勝手につけた愛称の「ヴィッキー」と呼んで可愛がっている。 |
クルイロ Wargaming.net の社員。Quality Assurance チーム所属。 ロシア出身。オフィスの奥にある部屋で黙々とテストプレイをしている。 |
ツノダ Wargaming.net の社員。Community チーム所属。 オフィス内のでっかい代表。色々でっかい。重戦車が大好き。 |
4コマヴィクトリヤ日記 作者プロフィール
kirusu 簡単に爆死するへっぽこ駆逐戦車愛好漫画描き。 |
- ヴィクトリヤ キャラクターデザイン & 挿絵 : しばふ