※画像をクリックすると拡大して表示することが出来ます。
日本の戦車にスポットを当てて、ご紹介をするイラストコラム「イラストで知る日本戦車」 。第三回は伊能高史先生に九七式中戦車チハとの開発競争に敗れ、制式採用されることがなかった「試製中戦車 チ二」が静かに佇む姿をほのぼのとした雰囲気のイラストで描いて頂きました!
2014年2月の時点ではWorld of Tanksに未実装の八九式中戦車は、初の国産量産戦車としては期待以上の性能を発揮した。
しかし1934年に第一線に配備されて以降、諸外国で加速する戦車開発にキャッチアップするため、新型中戦車の開発に着手した。これが変転して、結局、九七式中戦車チハが制式化された経緯は、チハ車の説明で終えている。ここでは、チハ車との開発試作に敗れた試製中戦車チニについて解説する。
乗員数がチハ車より少ない3名であることが示すように、チハ車の狙いは車体の小型化、軽量化にあった。これは日本が国内では狭軌式のレールを採用していることと、港湾での荷積み能力に限界があるため、少しでも重量が軽い戦車が求められたという事情による。つまりチハ車を小型化したのがチニ車の特徴ということになる。ただしそれはチハ車の廉価版とイコールではない。 例えば車体はチハ車よりも各所で避弾経始に優れた設計になっていて、装甲の薄さを補っている(もともとが薄すぎるきらいはあるが……)。
また車内にいながらエンジン周りを整備できた。これは作戦中の修理を考えるとかなり優れた利点となる。また大型の尾橇を装着して、チハ車と同じ超壕能力を確保していた。小型なりの利点はしっかりと確保されていたと評価できるだろう。
ところが、チハ車との決定的な違いは、機動性に現れてしまった。チニ車の出力は135馬力で、重量は9.8トンであるため、1トンあたりの馬力は13.7馬力となり、チハ車より優れている(チハ車は170馬力/15トンであるため、11.4馬力)。しかし、エンジンはチニ車が直列6気筒ディーゼル、チハ車はV型12気筒であり、瞬発力が段違いに違う。推定になるが、トルクはチハ車の半分強が精一杯と思われるので、キビキビした機動性では勝負にならなかったはずだ。
チハ車を主力にしても大苦戦した結果を考えれば、もしチニ車が日本陸軍戦車の主力になった場合、日本の戦車開発はさらに過酷な経過をたどったに違いない。
解説文:ウォーゲーミングジャパン ミリタリーアドバイザー 宮永忠将 / Phalanx
ミリタリーアドバイザー 宮永忠将 / Phalanx の活動は Facebook ページでも配信中!
WoTの戦場マップはどこもだいたい3~5つくらいの進軍ルートがあると思うのですがしばらくして自分は戦力の薄い方面へ足を向ける傾向が多いな、と気付きました。思えば「表舞台で仕事がしたい」とか「派手な活躍をしたい」というつもりでいてもどちらかと言えば裏方として重宝される場面が多い人生でした。
実力のなさが結果として反映されるのは当然のことですが自分に求められる役割というのはこういうものなのかな、とも最近ではぼんやり考えてます。戦車は戦争の道具です。ですが時代を経てゲームとして楽しく遊べることに、そして開発を始めゲームに携わるWargaming スタッフの方々、一緒にプレイしてくれる世界中のプレイヤーがいることに感謝せずにはいられません。
そんなことを思いつつ今日も憎っくきT18に立ち向かうのです。くらえ!(この後「射撃、無効」→「総員退去!」)