【スーパーテスト・プレビュー】車輌性能の調整と変更

戦車長の諸君!

『World of Tanks』は、周知のとおり長年続くオンラインゲームだ。新たな車輌やメカニズムが次々と実装されるため、変化は避けられない。ベテランプレイヤーならば、かつて猛威を振るった車輌が環境の変化に対応できずに人気を失ったり、あるいはほとんど見向きもされなかった車輌がある日とつぜん主役に躍り出るのを、きっと何度も経験していることだろう。使用できるキャラクター(=車輌)がここまで多いゲームもそうないため、環境の変化に合わせたバランスの調整は時に困難を極める。しかし、だからといって他の車輌よりも強いと言われる《OP車輌》をいつまでも放置し続けるわけにはいかない。人気のない車輌に再び活躍の場を与え、プレイの選択肢を増やすのも大切だ。こうした理由から、我々は現在、大規模な車輌のバランス調整を検討している。

対象となるのは自走砲を除くTier V以上の車輌だ。ここには通常車輌だけでなく、プレミアム車輌や報酬車輌(!)も含まれている。従来のバランス調整よりも規模が大きく、より慎重な影響の分析が必要となるため、まずはスーパーテストを実施する。変更内容はまだまだ正規実装には程遠いものの、むしろだからこそ今の段階で諸君らにプランを公開し、意見や感想を伺いたい。そこで本記事では、調整の候補と具体的なパラメーターをお伝えしよう。

ちなみに「スーパーテスト」とは、新たなメカニズムや車輌の実装、あるいはバランス調整の実施に先駆けて行うクローズドテストのひとつで、ゲームの開発プロセスの中ではかなり早いフェーズにあたる。そのため、参加できるのは一部の「スーパーテスター」に限られ、誰でも体験できるわけではない点にご留意いただきたい。

 
 

バランス調整の対象

今回のバランス調整の中核をなすのは、これまでに集めた統計データで、他の車輌よりも明らかにパフォーマンスが低い、あるいは逆に高すぎることが判明している車輌たちだ。戦闘中の感覚が常に数値で裏付けられるわけではないとはいえ、「弱い」あるいは「強すぎる」と聞いて諸君らが思い浮かべる車輌とおおむね一致するだろう。

具体的なラインナップは以下の通りだ。車輌の区分別に紹介しよう。

プレミアム車輌

  • 以上のプレミアム車輌は、どれも人気は高いもののパフォーマンスにやや難があり、性能を強化する必要があると考えられる。

VIIIT26E5
最大速度
45
 km/h
 (▲4.8 km/h)
後退速度
17
 km/h
 (▲2 km/h)
移動や車体旋回に伴う散布界の拡大
0.15
 m
 (▼0.07 m)
車体の旋回速度
35
 度/秒
 (▲5 度/秒)
100 mでの散布界
0.36
 m
 (▼0.02 m)
照準時間
2.1
 秒
 (▼0.2 秒)
VIIIAMX M4 mle. 49
車体の旋回速度
30
 度/秒
 (▲5度/秒)
移動や車体旋回に伴う散布界の拡大
0.18
 m
 (▼0.04 m)
視認範囲
390
 m
 (▲20 m)
照準時間
2.5
 秒
 (▼0.4 秒)
砲塔旋回に伴う散布界の拡大
0.12
 m
 (▼0.04 m)
VIIIT25 Pilot
通常砲弾の貫通力
208
 mm
 (▲16 mm)
特別砲弾の貫通力
268
 mm
 (▲25 mm)
通常砲弾の弾速
920
 m/s
 (▲67 m/s)
特別砲弾の弾速
1,100
 m/s
 (▲79 m/s)
VIIICenturion Mk. 5/1 RAAC
移動や車体旋回に伴う散布界の拡大
0.14
 m
 (▼0.04 m)
VIIIStrv 81
移動や車体旋回に伴う散布界の拡大
0.14
 m
 (▼0.06 m)
VIIIFV4202
移動や車体旋回に伴う散布界の拡大
0.14
 m
 (▼0.06 m)
視認範囲
400
 m
 (▲10 m)
主砲の装填時間
7.5
 秒
 (▼0.5 秒)
VIIITurtle Mk.I
最大速度
25
 km/h
 (▲5 km/h)
後退速度
12
 km/h
 (▲2 km/h)
移動や車体旋回に伴う散布界の拡大
0.18
 m
 (▼0.07 m)
通常砲弾の貫通力
240
 mm
 (▲16 mm)
特別砲弾の貫通力
270
 mm
 (▲17 mm)
通常砲弾の弾速
1,050
 m/s
 (▲258 m/s)
特別砲弾の弾速
1,200
 m/s
 (▲209 m/s)
 
 
VIII
T26E5
VIII
AMX M4 mle. 49
VIII
T25 Pilot
VIII
Centurion 5/1
VIII
Strv 81
VIII
FV4202
VIII
Turtle Mk.I

Tier V~VIIIの通常車輌

  • 以上の通常車輌はコミュニティー内で長らく強化の必要性を指摘されており、統計データもその正しさを裏付けている。

VChurchill I
「Churchill I」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.2
 m
 (▼0.02 m)
「Churchill III」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.18
 m
 (▼0.02 m)
「75 mm Vickers HV」砲を搭載した際の100 mでの散布界
0.35
 m
 (▼0.01 m)
「75 mm Vickers HV」砲を搭載した際の照準時間
2.1
 秒
 (▼0.2 秒)
VIChurchill VII
最大速度
25
 km/h
 (▲5 km/h)
後退速度
14
 km/h
 (▲2 km/h)
「Churchill V」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.18
 m
 (▼0.02 m)
「Churchill VII」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.16
 m
 (▼0.02 m)
「OQF 17-pdr Gun Mk. VII」砲を搭載した際の照準時間
2
 秒
 (▼0.3 秒)
砲塔旋回に伴う散布界の拡大
0.14
 m
 (▼0.02 m)
VIIBlack Prince
最大速度
25
 km/h
 (▲5 km/h)
後退速度
14
 km/h
 (▲2 km/h)
「Black Prince」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.16
 m
 (▼0.02 m)
「Black Prince Mk. II」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.14
 m
 (▼0.02 m)
「OQF 17-pdr Gun Mk. VII」砲を搭載した際の装填時間
4.5
 秒
 (▼0,5 秒)
「OQF 17-pdr Gun Mk. VII」砲を搭載した際の照準時間
2
 秒
 (▼0.3 秒)
砲塔旋回に伴う散布界の拡大
0.1
 m
 (▼0.1 m)
VIIAMX AC mle. 46
車体の前面装甲
140
 mm
 (▲20 mm)
「AMX AC mle. 46」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.22
 m
 (▼0.02 m)
「AMX AC mle. 47」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.2
 m
 (▼0.02 m)
「100 mm AC SA47」砲を搭載した際の照準時間
2.3
 秒
 (▼0.4 秒)
 
 
V
Churchill I
VI
Churchill VII
VII
Black Prince
VII
AMX AC 46

VIIIAMX 65t
車体の上部装甲(実効装甲厚)
220
 mm
 (▲26 mm)
車体の上部装甲の傾斜部(実効装甲厚)
220
 mm
 (▲22 mm)
「AMX 65 t bis」サスペンションを搭載した際の車体の旋回速度
26
 度/秒
 (▲1 度/秒)
「AMX 65 t tourelle classique de 120」砲塔を搭載した際の視認範囲
380
 m
 (▲10 m)
「120 mm D. 1203」砲を搭載した際の装填時間
12
 秒
 (▼0.5 秒)
「120 mm D. 1203」砲を搭載した際の通常砲弾の貫通力
225
 mm
 (▲7 mm)
VIIIVK 45.02 (P) Ausf. A
「VK 45.02 (P) Ausf. A」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.2
 m
 (▼0.02 m)
「VK 45.02 (P) Ausf. A verstärkteketten」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.18
 m
 (▼0.02 m)
「105mm KwK45 L52」砲を搭載した際の装填時間
8.9
 秒
 (▼1.2 秒)
「105mm KwK45 L52」砲を搭載した際の100 mでの散布界
0.35
 m
 (▼0.02 m)
「105mm KwK45 L52」砲を搭載した際の照準時間
2
 秒
 (▼0.3 秒)
「VK 45.02 (P) Ausf. A」砲塔を搭載した際の車輌HP
1,500
 HP
 (▲30 HP)
「VK 45.02 (P) Ausf. A Schwerer Turm」砲塔を搭載した際の車輌HP
1,600
 HP
 (▲30 HP)
車体上部の装甲板の結合部(実効装甲厚)
260
 mm
 (▲48 mm)
「VK 45.02 (P) Ausf. A Schwerer Turm」砲塔
260
 mm
 (▲75 mm)
「VK 45.02 (P) Ausf. A Schwerer Turm」砲塔の防盾側部
120
 mm
 (▲20 mm)
VIIIT69
「T84E1」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.22
 m
 (▼0.02 m)
「T95」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.2
 m
 (▼0.02 m)
「90 mm Gun T178」砲を搭載した際の照準時間
2.5
 秒
 (▼0.4 秒)
「90 mm Gun T178」砲を搭載した際の通常砲弾の貫通力
200
 mm
 (▲19 mm)
「90 mm Gun T178」を搭載した際の特別砲弾の貫通力
280
 mm
 (▲30 mm)
「90 mm Gun T178」砲を搭載した際の弾倉交換時間
24
 秒
 (▼3 秒)
VIIIPershing M26
「90 mm Gun T15E2M2」砲を搭載した際の照準時間
2
 秒
 (▼0.3 秒)
「90 mm Gun T15E2M2」を搭載した際の100 mでの散布界
0.34
 m
 (▼0.03 m)
「90 mm Gun T15E2M2」砲を搭載した際の通常砲弾の貫通力
212
 mm
 (▲22 mm)
「90 mm Gun T15E2M2」砲を搭載した際の装填時間
6.8
 秒
 (▼1.4 秒)
VIIIM41 Walker Bulldog
「76 mm Gun M32 late」砲を搭載した際の通常砲弾の貫通力
180
 mm
 (▲5 mm)
「76 mm Gun M32 late」砲を搭載した際の特別砲弾の貫通力
215
 mm
 (▲5 mm)
「76 mm Gun M32 late」砲を搭載した際の装填時間
4.5
 秒
 (▼0.5 秒)
「76 mm Gun M32 late」砲を搭載した際の100 mでの散布界
0.35
 m
 (▼0.03 m)
「76 mm Gun M32 late」を搭載した際の照準時間
1.7
 秒
 (▼0.2 秒)
VIIIAT 15
最大速度
25
 km/h
 (▲5 km/h)
後退速度
12
 km/h
 (▲2 km/h)
「AT 15」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.2
 m
 (▼0.1 m)
「AT 15 Mk. II」サスペンションを搭載した際の移動および車体旋回に伴う散布界の拡大
0.18
 m
 (▼0.1 m)
防盾裏の装甲
227
 mm
 (▲100 mm)
VIII110
「100 mm 62-100T」砲を搭載した際の装填時間
8.5
 秒
 (▼1.5 秒)
「100 mm 62-100T」砲を搭載した際の100 mでの散布界
0.35
 m
 (▼0.01 m)
「100 mm 62-100T」砲を搭載した際の照準時間
2.3
 秒
 (▼0.2 秒)
車体の下部装甲(実効装甲厚)
200
 mm
 (▲21 mm)
 
 
VIII
AMX 65 t
VIII
VK 45.02 A
VIII
T69
VIII
Pershing
VIII
M41 Bulldog
VIII
AT 15
VIII
110

Tier Xの通常車輌

  • Object 268 Version 4」は、重装甲かつ高火力の駆逐戦車でありながら、機動性や隠蔽率まで高く、相対する敵を文字通り蹂躙してしまうことも珍しくない。
    • そのため性能の一部を弱体化させるのが望ましいと考えられる。ただし、性能を全体的に引き下げるだけでは逆に旋回性能の低さが足を引っ張ることになりかねないため、この部分については強化が必要になるだろう。
  • WZ-113G FT」は、砲塔のない他の同格駆逐戦車と比較するとパフォーマンスが明らかに低く、そのため人気も少ない。
    • 抜本的な性能の強化が必要だと考えられる。
    • 目指すべきは他の同格駆逐戦車と同じ程度の活躍が期待できるパラメーターだ。
  •  Vz. 55」は、実装当初からTier X戦場を牽引する重戦車のひとつで、戦闘で見かけることも非常に多い。
    • うまく乗りこなせれば単騎でも戦局を覆しうる性能を備えていると言ってもいいかもしれない。コミュニティー内でも「強すぎる」という声が多く、性能の一部を引き下げるのが望ましいと言えよう。
  • ST-II」は、他の同格重戦車と比べてパフォーマンスの低さが際立っている。その特徴的な見た目とメカニズムで注目を集めた実装以来、人気は右肩下がりと言わざるをえない。
    • 抜本的な性能の強化が必要だと考えられる。
    • 目指すべきは他の同格重戦車と同じ程度の活躍が期待できるパラメーターだ。

XWZ-113G FT
出力重量比
15
 馬力/t
 (▲3.2 馬力/t)
最大速度
40
 km/h
 (▲2 km/h)
通常砲弾の弾速
960
 m/s
 (▲200 m/s)
装填時間
16.5
 秒
 (▼0.5 秒)
100 mでの散布界
0.36
 m
 (▼0.02 m)
XObject 268 Version 4
車体の旋回速度
25
 度/秒
 (▲3度/秒)
最大速度
40
 km/h
 (▼10 km/h)
出力重量比
16
 馬力/t
 (▲2 馬力/t)
車輌HP
1,900
 HP
 (▼100 HP)
測距儀のカバー
210
 mm
 (▼20 mm)
XSТ-II
砲塔の旋回速度
23
 度/秒
 (▲7度/秒)
砲塔の前面装甲(防盾を含む)
350
 mm
 (▲30 mm)
連射間隔
4
 秒
 (▼1 秒)
主砲の装填時間
11.2
 秒
 (▼0.5 秒)
XVz. 55
連射間隔
2.5
 秒
 (▲0.5 s)
主砲の装填時間
25
 秒
 (▲3 秒)
照準時間
3
 秒
 (▲0.3 秒)
 
 
X
WZ-113G FT
X
Obj. 268/4
X
ST-II
X
Vz. 55

報酬車輌

T95/FV4201 Chieftain」と「Object 279 early」については、「強すぎる」という意見が多く、その数は時とともに増え続けるばかりとなっている。実際に統計データもこうした印象をはっきりと裏付けており、場合によってはいるだけで勝敗を決めてしまいかねず、そのパフォーマンスの高さは、「入手が難しく乗り手に猛者が多いから」という指摘だけでは説明がつかない。この問題は最近になって初めて明らかになったわけではなく、むしろ今までこの2輌に触れてこなかったのは、「手に入れたプレイヤーたちの時間と労力」をないがしろにせずに調整する方法を模索していたという側面が強い。しかし、理由はどうであれ実際に調整に入るのが遅すぎたのは否定できず、早急の対応が求められている。

以上で簡単に触れた事情を考慮すれば、目指すべきは「Tier X重戦車の中でも屈指と言える、入手難易度の高さに見合った性能」を満たしつつ、「いるかいないかで戦闘の公平さに影響が生じる性能」まではいかない範囲だろう。現時点では、「T95/FV4201 Chieftain」は機動性と火力を、「Object 279 early」は最大速度と分間火力に加えて車輌HPをある程度低下させることが予定されている。砲塔の硬さと俯角の広さを活かした柔軟な立ち回りや、防御性能の高さを活かした戦線の押し上げといった、両車輌の代名詞とも言える戦い方が変わることはないはずだ。

そのため、今まさに入手を目指してプレイに励んでいる戦車兵たちは、どうか気を落とすことなく、引き続き腕に磨きをかけていただきたい。

XT95/FV4201 Chieftain
最大速度
40
 
km/h
 (▼6 km/h)
車体の旋回速度
28
 
度/秒
 (▼5 度/秒)
主砲の装填時間
12
 
 (▲1.5 秒)
特別砲弾の貫通力
311
 
mm
 (▼11 mm)
XObject 279 early
車輌HP
2,300
 
HP
 (▼100 HP)
主砲の装填時間
11.5
 
 (▲1 秒)
最大速度
35
 
km/h
 (▼5 km/h)
特別砲弾の貫通力
320
 
mm
 (▼20 mm)
 
 
X
T95/FV4201
X
Object 279 (e)


こちらの記事ではあくまで簡単なカタログスペックしか紹介できていないが、諸君らはどんな印象を抱いただろうか?他にも根本的な調整が必要な車輌はあるだろうか?ぜひともフィードバックをお寄せいただきたい。今後の続報もぜひお楽しみに。

Roll Out !

閉じる