ミリタリー描写に深い造詣を持ち、人気のイラストレーター しばふ先生にゲーム内に登場する様々な戦車と魅力的なキャラクターを描いていただく連載イラストコラム企画の第三弾 『 戦場の華 feat.しばふ 』 。
連載第04回となる今回は、イギリスツリーから 『第二
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第二次世界大戦の蓋が開いてみると、戦車の能力、とりわけ主砲のパンチ力でドイツ軍に遅れをとってしまったイギリス陸軍は、従来の2ポンド砲に替えて、敵戦車をノックアウトできる6ポンド砲の量産にシフトした。
口径57mmの6ポンド砲であれば、当面はドイツ戦車と互角に渡り合える。問題は、この砲を搭載する適切な戦車がイギリスにないことであった。クルセーダーMk.IIIは、強引に6ポンド砲を搭載したバージョンだが、おかげで砲塔容積はきつきつで、乗員は5名からなんと3名に減ってしまった。クルセーダーを大型化したキャヴァリエ巡航戦車も開発したが、リバティーエンジンが非力すぎて話にならない。
そこで開発コードA27という計画が始動する。非力なリバティーに替えて、ロールス・ロイス製マーリンエンジンを戦車用にデチューンした、ミーティアと呼ばれるエンジンを搭載する新型巡航戦車だ。これがクロムウェル巡航戦車となる。
ところが一筋縄ではいかないのがイギリスの戦車開発だ。戦闘機の生産が忙しすぎて戦車にミーティアを回す余裕がなく、仕方ないのでA27規格の車体にリバティーを積んだセントー巡航戦車なんていう回り道をしたりしているうちに、どんどんA27規格そのものが陳腐化してしまったのだ。
この間、開発陣は6ポンド砲を43口径長から50口径長に強化し、さらにヴィッカース社の提案に従って、アメリカのM4中戦車の砲弾が流用できる、イラストのような75mm砲搭載型までバリエーションを広げた。またサスペンション保護用にリミッターが付けられたものの、速度性能は当時世界でも有数の戦車であった。
しかし部隊配備は1944年にずれ込み、すでに前線の機甲部隊には十分な数のM4中戦車が揃っていた。クロムウェルは偵察連隊の装備車輌となったが、開発にかけた時間と資源に見合う働きがないまま前線から姿を消した。まさに一軍では働けない、二軍の四番バッターのような戦車という評価にふさわしい。
獲物を追って戦場を駆けるクロムウェルの夢は、World of Tanksの中でかなえてやって欲しい。
解説文:ウォーゲーミングジャパン ミリタリーアドバイザー 宮永忠将 / Phalanx
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