ミリタリー描写に深い造詣を持ち、人気のイラストレーター しばふ先生と 『World of Tanks』 のコラボレーションが実現!
しばふ先生にゲーム内に登場する様々な戦車と魅力的なキャラクターを描いていただく連載イラストコラム企画の第三弾 『 戦場の華 feat.しばふ 』 。連載第02回目は、ドイツツリーから小柄な車体ながら強力な 『10.5cm StuH42 L/28』 榴弾砲を搭載することができ、人気の駆逐戦車 『Hetzer』 のイラストを描いて頂きました!
もちろん今回もデスクトップ用の壁紙もご用意。ダウンロードしてお使いのデスクトップを素敵なイラストで飾りましょう!
第二次世界大戦の中盤、戦線が拡大する一方、各地で苦戦が相次ぐようになったドイツ軍は、戦車の不足に悩んでいた。そこで旧式化した車輌を改造して自走砲にしたり、生産を簡易化した突撃砲の生産に力を入れた。これらの車輌は戦車の代替とするには問題があったが、絶対数の不足を補い、部隊編制を維持する上では有効な手段であったのだ。
このような背景のもと、38(t)戦車をベースに開発された軽駆逐戦車がヘッツァーである。38(t)戦車の車台は、すでに対戦車自走砲のマーダーIIIなどに流用されていたが、ヘッツァーは強力な48口径7.5cm対戦車砲PaK39を主砲に採用し、車台上部をすっぽりと箱型の装甲で覆ったシンプルな外見が印象的だ。
しかし、ヘッツァーの開発は見た目と裏腹に難航を重ねた。たとえば、当初の戦闘重量は約13トンであったが、主砲に対して車台が小さかったため、車体前部が13cmも余分に沈み込んでしまうことが判明。前部のサスペンションを中心に強化し、主砲と釣り合いをとるために後部装甲を増やすなどの改修をおこなった結果、16トンを超えてしまったのだ。こうなると車台設計自体に変更が加えられてしまい、ヘッツァーの最大の利点である、38(t)戦車用の既存生産ラインの流用とは名ばかりの、新規車輌生産と変わらなくなった。
それでも1944年6月から始まったヘッツァーの生産は、他の装甲戦闘車両に比べれば順調であり、最終生産数は2500両を超えて戦後まで続けられた。東西から攻めこまれていたドイツ軍にとって、小型軽量で小回りが効き、近距離戦なら大物も仕留められるヘッツァーは理想的な軽駆逐戦車であり、特に市街戦で猛威を発揮したため、連合軍戦車兵からは「ペストねずみ」と忌み嫌われた。
ちなみに『World of Tanks』 で人気の10.5cm榴弾砲搭載型は、III号突撃砲と同じ砲を搭載したヘッツァーのバリエーションであり、1944年末期に1輌が試作されたということ以外は何もわからない。また上面と背面がオープンになった15cm重歩兵砲sIG33/2を搭載した重歩兵砲搭載型ヘッツァーも、ごく少数ながら生産されている。
解説文:ウォーゲーミングジャパン ミリタリーアドバイザー 宮永忠将 / Phalanx
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