My Favorite Tanks 第04回 ヴェスペ / daito

ヴェスペ / daito

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今人気のイラストレーター、漫画家の方に、World of Tanksに登場する車輌の中からお気に入りの一輌を選んで描いていただき、素敵なイラストと車輌解説でご紹介をする連載イラストコラム企画の第二弾 「My Favorite Tanks」 。

第04回は、鮮やかな色彩と細かなミリタリー描写が特徴のdaito 先生に、ドイツツリーのTier III 自走砲 「ヴェスペ (Wespe)」が、日本らしい片田舎の風景に溶け込んでいるのどかな情景イラストを描いていただきました!

古き良き日本の田舎に戦車が存在する、という非日常的な光景でありながら、どことなく懐かしさを感じるイラストをお楽しみ下さい!

 


自走榴弾砲 ヴェスペ (Wespe

daito 先生のコメント

どうも、初めまして daitoです。
今回、「ヴェスペ」を描かせて頂きました。

普段は銃器を持った女の子や軍服を着た女の子等しか描いてないのですが、自走砲と言う初めての試みでした。
ですが、かなり描き応えがあり、楽しく描けた感はありました!

ドイツの乗り物なのに場所は古き良き日本の田舎風景とバス停で記念撮影する女子生徒達というシチュにしてみました。
何故このシチュに?となると特に深い意味はありませんが、某大洗を舞台にした戦車アニメの影響…とも言えます…。

また、ヴェスペを選んだ理由としては、昔から某長寿戦争ゲームの広い砂漠マップやらなにやらでかなり愛用してたというのもあり、
なによりもデザインが可愛くてたまりません!!
(恥ずかしながらWOTはまだ未プレイ……。これを切っ掛けに是非やってみようと思います!)

 


車両の解説

従来は車輌ないし馬によって牽引していた砲を車載化して、独自の移動力を備えた砲を自走砲と呼ぶ。もっぱら榴弾を使用する野砲を搭載したなら自走榴弾砲となるし、対戦車砲を積めば対戦車自走砲というわけだ。

早くから戦車を戦力の中核としたドイツ軍では、ほぼ同時期に砲の自走化も検討されていた。しかし実際は予算不足で計画案しかなく、本格的な開発は戦争が始まった1942年からである。しかも強く要求したのはヒトラーであった。ちなみにドイツ軍で開発された自走榴弾砲はヴェスペと、15cm重榴弾砲を搭載したフンメルの2種類しかない。

こうして1942年春から自走砲の開発に着手した兵器局は、備砲を簡単に車体から下ろし、かつ全周射界を持たせるという、秘匿名称「ホイッシュレッケ」の基本仕様をまとめた。ところがこの要求を満たすには、車体を最初から設計しなければならない。東部戦線での火急の需要を満たすには、そんな時間は無いため、兵器局ではとりあえず現用の車体と砲だけで作れる暫定的自走砲とホイッシュレッケのの二本立てで進めようとした。この前者がヴェスペとフンメルというわけだ。

ヴェスペの砲は、ラインメタル製の10.5cm leFH 18(10.5cm軽榴弾砲)で、車体はII号戦車F型をベースとしている。しかし戦闘区画を確保するために、車台を延長し、あわせて装甲部材も作り直しているし、エンジンの配置場所も異なるので、正確にはII号F型のコンポーネントを流用した車体というべきだ。実際、スプロケットや転輪、履帯など、共通するのは部品やコンポーネントに限られている。

砲を搭載した戦闘区画は8~12mmの装甲に覆われているだけなので、小銃ないし弾片防御程度しかできない。外見で特徴的なのは、防盾の前に設けられた半円状の跳弾ブロックで、すぐ前には移動中に砲を固定するトラベルクランプが付けられている。重量のある備砲が移動時に発する振動は、車体はもちろん、砲そのものに悪影響を与えてしまう。そこで戦闘区画にもトラベルクランプを設けて、振動対策は厳重であったが、それでも長期の行軍時には照準器の故障などを招いたらしい。

ドイツ軍を代表する自走砲として知られるヴェスペであるが、実は資料が少なく、基本的なことが分かっていなかったりする。例えば、生産数は弾薬運搬車を含め、835輛であるのが確実だが、試作車完成時期は1942年10月頃ということしか分からない。

弾薬についても同様だ。弾薬は分離式で、搭載弾数は32発ともされているが、戦闘区画の後部左右それぞれに縦置きで各7発、左右フェンダー上に各4発の計22発が確認できるだけで、残りは床下に格納されていたのだが、全量は不明だ。

なお、ヴェスペという名は正式な書類の一部にしか登場せず、ヒトラーもこの呼称の使用を禁じている。書類上は「軽榴弾砲le.F.H.18/2搭載II号砲車」をはじめ、様々な名称が用いられているが、この辺の混乱はSd.Kfz.124という制式番号で統一されていたことで、どうにか収めていたようだ。

解説文:ウォーゲーミングジャパン ミリタリーアドバイザー 宮永忠将 / Phalanx

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スクリーンショット

ヴェスペ スクリーンショット ヴェスペ スクリーンショット ヴェスペ スクリーンショット

 

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