イラストで知る日本戦車 第06回 Type 1 Chi-He / エアラ戦車

Type 1 Chi-He
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日本の戦車にスポットを当てて、ご紹介をするイラストコラム 「イラストで知る日本戦車」 。今回は九七式中戦車チハの正式な後継車両といて開発された主力中戦車 「一式中戦車チヘ」のワンシーンをエアラ戦車先生に描いて頂きました!


一式中戦車チヘ

車両の解説

一式中戦車チヘは日本陸軍の主力中戦車として開発された戦車であり、九七式中戦車チハの正式な後継車両である。ただし攻撃力強化はあくまで暫定車両であるチハ改で実現しているため、チハ車からチヘ車の変更は車体に集中している。

チヘ車は従来の鋲接(リベット接合)を排して、溶接方式へと大きく舵を切っている点が画期的である。溶接はリベットよりも技術の確立までが困難ではあったが、工作が容易になり、部材も軽減されるために装甲に回せる重量が増える。この結果、車体と砲塔の正面装甲はチハ車の25mmから50mmへと大幅に増加した。ただし側面や後面の装甲配置はほとんど変わっていないので、いびつな装甲強化であったことは否めない(同時期のM4シャーマン中戦車は車体正面で64〜76mmの装甲厚を確保しているうえに、避弾経始も良好だ)。

チヘ車の全備重量はチハ車よりも2トン以上増加したが、エンジン出力も170hpから240hpに増強されたために、速度や機動性は若干向上している。中戦車としては一式中戦車がはじめて搭載した一〇〇式統制型V12ディーゼルは、各種の戦闘車両用エンジンの規格統一を図るべく開発されたものであり、6気筒、8気筒、12気筒があるが、部品の共通化により生産性と整備性も向上した。チヘ車をもって日本の戦車開発は一応のゴールであったと言えそうだ。

実際、チヘ車は日本が実戦投入した最後の中戦車であり、最終的には587台生産されて、一部はフィリピン戦線にも送られつつ、本土決戦戦車とされた。とはいえ、砲の観点からすると心もとない。一式戦車砲の主力砲弾である一式徹甲弾は、実質的に徹甲榴弾であり、威力不足なのだ。日本は戦車先進国のような徹甲弾の開発ができなかった。アメリカやドイツが被帽徹甲弾(APC)弾の次の風帽・被帽徹甲(APCBC)弾を実用化していたのに対し、日本は実用的な被帽徹甲弾まで進めなかった。M4シャーマンが相手での苦戦は否めないだろう。

解説文:ウォーゲーミングジャパン ミリタリーアドバイザー 宮永忠将 / Phalanx

 ミリタリーアドバイザー 宮永忠将 / Phalanx の活動は Facebook ページでも配信中!

 

Type 1 Chi-He

 

エアラ戦車先生のコメント

こんにちは、エアラ戦車です。一式中戦車「チヘ」を描かせていただくことになりました。
首都防衛の任務に就いている様子を描きました。背景は爆撃で半壊した東京駅です。

まぁでも絵や物語ではIF(もし)で描けるからいいよね。


スクリーンショット

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