アップデート 1.0: リマスター版グラフィック – パート II

マップをできる限りリアルにするためには、グラフィックエンジンが風景を本当に活き活きと描写できることが不可欠です。World of Tanks の素晴しい戦場を作り上げる上では、地形と水面の表現が鍵となりますので、これらがどのように進化したのかについて詳しく解説します。

地形: 多数のレイヤーの組み合わせ

新グラフィックエンジンにより、ジオメトリ (形状) とテクスチャの両面から風景の描写を高めることができました。その結果として、ごく僅かな起伏や、草や葉、石といった小さなオブジェクトが、よりはっきりと確認できるようになっています。その精細度は、従来の World of Tanks において皆さまが体験してきたレベルを遙かに凌駕するものです。

従来と同様のパフォーマンスを維持しつつ精細度を高めるために、仮想テクスチャが活用されています。これは、テクスチャ同士のブレンドを改良する上で役立つ技術です。静止状態では地形は変化しませんが、移動中には新しいテクスチャが徐々に生成されるようになっています。

高い精細度は、テッセレーション技術により実現されています。この技術は、オブジェクトを構成する個々のポリゴンを細分化することで、そのボリューム感や複雑性をより精細に描写することを可能とするものであり、これによって総合的な精細度が大幅に向上します。

戦場の外側:地平線へのさらなる変化

もうひとつの目標は、地形を地平線の彼方まで描写することでした。すなわち、戦場の外のエリアについても精細に描写する、ということです。そして、既にサンドボックス・サーバーでお試し頂いたかもしれませんが、実に良い結果を実現できています。お馴染みのマップが、この新たな工夫によりいっそう素晴しい印象になっているのです。もはや各マップは小さな箱庭ではありません。例えば:

  • プロホロフカ – 今や、ロシアに広がる広大なステップ地帯のただ中、という雰囲気がよく表現されています。
  • ヒメルズドルフ – この夏季マップは、かつての自由都市ダンツィヒの中央部として生まれ変わりました。
  • 山岳路 – この大自然の風景は、北コーカサスにある山脈の一部、という位置付けとなりました。

これを可能とするために、マップの外側を地平線の彼方まで描写するための特別なメカニズムを開発しました。一部のマップにおいては、マップの外側として描写されているエリアは実に 1,000 km2 に達しています! でもパフォーマンスへの影響が心配ですよね? 幸いにも、このプロセスはさほど重いものではありません。また標準のグラフィック設定においては、マップの外側のエリアを収めた 360 度のスナップショットを使用する方式になっています。これに伴いダイナミズムはやや低下しますが、雰囲気を維持しつつ負荷軽減を実現しています。

今後の展望

遠くない将来にパフォーマンスの向上およびテッセレーションの適用対象オブジェクトの増加を実現できるよう、取り組みを続けています。その結果として、地形のリアリティがさらに向上するだけではなく、戦車もより精細に描写されるようになります。

加えて、地形との相互作用をさらに高める計画もあります。既に基盤は築かれており、地形が履帯および砲弾と相互作用し、その痕跡を残すようになっています。ただし現段階では、これは自車輌およびその砲弾によるものに限定されています。

これら全ての要素の組み合わせにより、迫真のリアリティが実現されています。場合によっては、写真と区別が付かないかも知れませんね。

地形の次は、水面について解説します

水面: 新たな波

私たちは、凪いだ湖面、流れる川面、波を伴う海面という、3 種類の水面を実現可能とする技術ツールを開発しました。これと併せて、スクリーンスペース・リフレクションと呼ばれる、水面での反射を描写するための新たなメカニズムを実装しました。その結果として、オブジェクトのみならず、爆発、砲弾、煙、影についても水面での反射が再現されるようになっています。しかも、従来よりも少ないリソースでこれらを実現しているのです!

従来版の水面と言えば、ひたすらに真っ平らで、とてもリアルとは思えませんでしたよね? 新エンジンでは、さざ波が生成され、波が岸辺で砕けるようになりました。従来版では入水しない限りは真っ平らだった川面には、流れに伴う動揺が表現されています。

波の頂点を見ると、ライティングの影響を見て取ることができるはずです。すなわち、頂点はやや青味を帯び、流れに伴う泡も生成されています。

水面上を移動したり、水面上で射撃したりした場合には、その影響で流れが生じます。なお、「入水することで火災を消火可能」という機能を追加すべきかどうかについて議論しましたが、消火器の消費を避けるために水面上に留まり続けるケースが生じる可能性が懸念されたため、この機能の実装は見送られました。

水面が実にリアルになりましたので、激戦の後には水浴びを楽しみたくなるかも知れませんね。

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