[アンケート実施] サンドボックス:HE弾のバランス調整テストにご参加ください

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[ 10/31 更新 ]
サンドボックステストで得られるデータと皆様からのご意見は、今回の調整が適切であるかを判断する上でとても重要です。今回の調整内容をすべて実装するかどうかは、皆様からのフィードバックおよびテスト結果を分析したうえで、慎重な判断をしたいと考えております。
実際にサンドボックステストを体感していただき、フィードバックのご支援を頂ければ幸いです。
また、本アンケートは本部へ日本コミュニティのフィードバックとして報告されますご協力をよろしくお願い致します。

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戦車長の皆さん

第3回砲弾のバランス調整のテストがまもなく始まります。たくさんの皆さまのご参加をお待ちしております!今回の砲弾のバランス調整テストでは、HE弾(榴弾)のダメージメカニズムの変更をいち早くお試しいただけます。テストはサンドボックスサーバーで実施します。『World of Tanks』のプレイヤーならどなたでもご参加いただけますので、ぜひ砲弾の調整を実際に体験してみてください。

HE弾調整の背景

これまで2度にわたって行ったサンドボックステストでは、ゲーム内でもっともよく使用される標準砲弾と特殊砲弾のメカニズムの調整をテストしました。過去2回のテストを振り返ってみましょう。

第1回目のサンドボックステストでは特殊砲弾の相対的な弱体調整を実施し、標準砲弾の単発ダメージを増強しました。その直後から標準砲弾の詳細な調整をして欲しいとのご意見を非常に多くいただき、そのご要望にお応えするかたちでさらなる調整を行いました。

第2回目のサンドボックステストでは砲の口径によって標準砲弾の単発ダメージ増強値を厳密に調整いたしました。大口径砲における標準砲弾の単発ダメージ増強値を低減させ、よりバランスをとった調整を行いました。

これら2回の砲弾バランス調整の目的は、現状と比較して標準砲弾をより有効に効果的に使えるようにすることでした。 これらの調整のテスト結果はおおむね良好でした。標準砲弾と特殊砲弾のバランスを調整したいま、次の目標はHE弾のバランス調整です。今回の一連のバランス調整で、標準砲弾と特殊砲弾のメカニズムにかなり大きな変更を加えています。その変更がHE弾に与える影響は決して小さくはありません。

次のステップ

前回のサンドボックステストで行った調整(標準砲弾の調整と全車輌のHP量の変更)は、テスト結果が良好だったため、今回のサンドボックステストでも引き続きお試しいただけます。

HE弾によるダメージメカニズムの調整に関しては、現在は標準車輌のみで検証しています。ただし、自走砲(SPG)が使用する標準HE弾や、一部の車輌が使用できるHESH弾(特殊HE弾)は含まれません。今回のテストでよい結果が得られた場合にのみ、SPG弾やHESH弾の調整を検討する予定です。


榴弾のダメージメカニズムは、ゲーム内で最も複雑なもののひとつです。メカニズムは何層にも分かれており、さらに数えきれないくらいのパラメターが計算式に含まれています。それでは順を追って、詳しく見てみましょう。

  1. HE弾が装甲に命中した場合、最初に行うのは、装甲を貫通したかどうかの判定処理です。 
  2. 装甲を貫通した場合、ダメージ値の公称値をそのまま使って与ダメージ量を計算します。 貫通している場合はここまでの判定処理ですが、貫通していない場合はステップ3へ進みます。
  3. 装甲を貫通していない場合は、公称値の半分の値をもとに与ダメージ量を計算します。 
  4. ダメージが実際に入った地点を判定します。要約すると、HE弾の爆風ダメージが発生した範囲内で最も脆弱なスポットを判定し、そこをダメージ地点とします。
  5. その ダメージ地点の装甲厚やその他の条件に応じて、公称値の半分の値からさらに減算されます。  
  6. さらに、「内張り装甲」を装備しているかどうかを判定し、与ダメージ量を計算します。 
  7. これらすべての計算処理を終えたあとに、合計与ダメージ量を算出します。 

しかし残念ながら、これらの計算処理のほとんどが一昔前のもので、現在のゲーム環境に対応していません。そのため、特定の砲のHE弾の有効性を調整することができない状態となっています。今回HE弾の調整に踏み切った理由のひとつは、この状態を改善するためです。

HE弾の現在の問題点は?

確実にダメージを与えたい時、HE弾を選ぶプレイヤーはほとんどいません。150mm以下の小・中口径砲を搭載した車輌では、この傾向が顕著に表れます。小・中口径の砲を搭載した車輌では、HE弾は次の目的で使用されています:

  • 陣地占領のリセット
  • HP量が少ない敵車輌に止めを刺す
  • 他の弾種ではダメージが入らない場合にのみHE弾を使用する

小・中口径の砲では、HE弾の有効性はとても低いため、上記のような状況でHE弾を使用しても確実に目的を達成できるかどうかは定かではありません。ただ、装甲が脆弱な車輌に対しては稀に大ダメージを与えることがあります。特に、敵車輌の弱点を注意深く狙わなかったときに限ってです。HE弾を使用した際の与ダメージ量は様々なパラメータに関与し安定せず、しかも小・中口径の砲の場合はさらに安定しません。小・中口径の砲でHE弾を使用した際にどのくらいのダメージを与えられるか予測するためには、多くの経験を積んだ古参兵でも非常に難しいと言えます。

また、大口径の砲では元々のダメージ値が高く、HE弾を使用して非貫通だった場合であっても、ある程度のまとまったダメージを与えることができてしまいます。これでは、重装甲である車輌を使用しても徐々にHPを削られてしまい、装甲を駆使する本来の戦術を有効に行えません。さらには大口径の砲でHE弾を使用するプレイヤーは、敵の装甲厚を考慮せずにただ命中させれば良いだけで、本来の目的とは程遠いゲーム性を欠いた使用のされ方 になることもありました。

上記の問題点を解決するためにも、すべての砲/口径のHE弾の有効性をバランス調整する必要があります。まず、特定の状況下で小・中口径 のHE弾の有効性を改善し、 150mm以上の大口径の総ダメージと単発ダメージ量を減らす予定です。

具体的に見ていきましょう。

1. HE弾の装甲貫通能力を無くします

HE弾の装甲貫通能力を完全に取り除きます。今回のテストでこの大きな変更を精査し、テスト結果が良好であった場合には、HE弾の特性値から「装甲貫通力」パラメターを削除します。

当初はHE弾によるダメージは実際に榴弾が与えるダメージに近いものでした。しかし前述したように、『World of Tanks』内では確実にダメージを与える手段として使用されていません。射撃に定評があるプレイヤーであっても、HE弾で装甲を貫通させて大ダメージを与えられる保証はありません。

また、与ダメージ量の高低差がかなり大きいことも問題だと考えています。現状ではダメージ値を予測するのは難しく、公称値とおりのダメージが入るのか、その3分の1程度なのか、それともノーダメージなのか予測すらできません。この高低差も少なくおさえたいと考えています。

2. 爆発半径内のダメージ分布の変更

現在、HE弾が装甲を貫通しなかった場合の与ダメージ量は、爆発半径の中心点が0.5、半径の端は0.05として計算されます。もう少し具体的に説明すると、HE弾が装甲を貫通しなかった場合は、ダメージの公称値が半減し、さらに爆発半径の中心点から遠いほど距離に応じてダメージ値が下がります。

今回の調整でHE弾は装甲を貫通しなくなりますので、この計算式は今後使用することはありません。調整後のダメージ分布は、爆発半径の中心点が1、そして半径の端が0.1になります。貫通、非貫通の判定無く、HE弾のダメージ値の公称値がそのまま計算に使われます。

3. 公称値の低減

上記の変更を加えることで、HE弾のダメージ値の公称値に高い値を設定する必要がなくなりましたので、砲の口径に応じて大幅に低減させます。 

ダメージの配分と特定の口径にも変更を加えます。従来は、大口径(150mm以上)になればなるほど、基本ダメージ値の威力が上がりました。調整後は、口径が上がっても、基本ダメージ値は従来ほど大きく上昇しません。

以下の表に口径ごとの新旧のダメージ値をまとめました(パラメターは車輌や砲弾設定により異なる場合があります)。

口径

旧ダメージ値

新ダメージ値

76mm

156–260

55–95

90mm

270–370

95–115

105mm

360–510

130–180

120mm

440-530

180-190

122mm

450-560

180-190

130mm

580–750

210–270

150mm

890–950

320–330

183mm

1750

480

 

4.爆発半径の中心点からのダメージ値の低減

調整後のダメージ値は、爆発半径の中心点を1、端を0.1として計算されます。新旧システムの基本的な違いは、新システムの爆発範囲が小さくなったことです。中心地からほんの少し離れた地点でさえ、ダメージ値が大幅に減っています。それでいて、中心点から最も離れた地点にも確実にダメージが入るようになっています。

爆発によるダメージ自体も低減しています。特に爆発の中心点で与えられるダメージは調整前と比べ大きく低減しています。従って、HE弾がモジュール内部/外部、そして搭乗員に与えるダメージ量が軽減します。

5. 追跡アルゴリズムと最小ダメージ

貫通能力を無くすだけではなく、追跡アルゴリズムと爆風損傷による最小ダメージに大きな調整を加えることで、与ダメージ量がより予想しやすくなります。

  • 追跡アルゴリズムの変更:追跡アルゴリズムとは、HE弾が装甲上で爆発した後にどれだけのダメージを与えられるか、どのモジュールまたは搭乗員にダメージを与えられるかを計算するシステムを指します。詳しく説明すると、HE弾が命中した地点の装甲厚と爆風範囲にある厚さの違う装甲との距離およびダメージ量を対比し最終的な与ダメージ量の判定、爆風範囲にあるモジュールや搭乗員などのウィークポイントを見つけ、損傷判定を行うためのシステムです。
    現在のシステムでも敵車輌のウィークポイントを発見できます。しかしそのウィークポイントにHE弾を命中させても、ダメージを与えられるかどうかは確実ではありません。新しいアルゴリズムでは、敵車輌のウィークポイントをより頻繁に、そしてより正確に発見できるようになります。しかし、与えられるダメージ量は低くなります。この新アルゴリズムに関しては、サンドボックスサーバーでのテスト結果をもとに微調整を行う予定です。
  • 爆風損傷による最小ダメージを与えられるようになります。爆風損傷による与ダメージは決して大きくはありませんが、クリティカルな状況では最小ダメージ(例:陣地占領のリセットのため)を与えたり、装甲やモジュールに命中すれば100%近いダメージを与えることも可能です。

爆風損傷メカニズム:詳細

展開

爆風損傷メカニズムには大きく3つのカテゴリーに分けることができます:

  • 弾殻破砕による破片飛散
  • 装甲表面への破片効果
  • 爆風損傷

それでは詳しく見ていきましょう!

弾殻破砕による破片飛散

砲弾の外形を作る弾殻は鋼鉄で作られており、内部の火薬が炸裂することで弾殻が破砕され、周囲に飛び散った破片が目標に突き刺さってダメージを与えます。HE弾の調整後は、飛散方向の最初の障害物(最も近い場所)にのみ破片が飛び散る(ダメージ判定が入る)ようになります。これは従来のシステムとの決定的な違いです。

その結果、戦闘室のハッチが空いていない限りは内部モジュールを損傷することはありません。装甲に対するダメージは、装甲厚に反比例して直線的に変化します。例えば、装甲が厚ければ厚いほど、与ダメージは低くなります。この変更により、理論上はありえない状況が改善されます。例えば、車長用ハッチに命中弾を受けた直後に車体内部のエンジンに火災が発生するなどです。

装甲表面に対する破片効果

装甲表面に対する破片効果は、HE弾の炸裂中に装甲の表面に形成されます。飛散した破片は装甲に対して直角かつ円錐状に配置されます。どの角度で砲弾が装甲に着弾したかは関係ありません。飛散した破片は装甲にダメージを与え、また内部モジュールや搭乗員にもダメージを与える可能性があります。しかしここでも破片は内部モジュールを貫通しません。装甲に対するダメージは、前述したとおり装甲厚に反比例して直線的に変化し、装甲が厚ければ厚いほど与ダメージは低くなります。

ほとんどのHE弾は、爆発とともに各装甲、モジュール、搭乗員それぞれに対してのダメージ判定計算が同時に進行します。それぞれのメカニズムは個別に設定することが可能です。これら3つのカテゴリーで与ダメージ量を計算します。 

爆風損傷

前述の2つのメカニズムとは違い、飛散方向に障害物があったとしても爆風損傷にはそれほど影響がありません。障害物がある場合は、ダメージ値が低減するだけです。また、爆風損傷は搭乗員にダメージを与えません。装甲に対するダメージに関しては、装甲が厚ければ厚いほど、与ダメージ率は下がりますが、その割合の変化は直線的ではありません。HE弾がほぼすべての装甲に対して最小ダメージを与えるようにしたのは、このためです。

たたむ

HE弾への変更点

  1. HE弾の単発ダメージの平均値が低くなります(現在の値と比べると最大で66~75%程度)。
  2. HE弾が命中した場所とは離れた場所にある内部/外部モジュールおよび搭乗員に対して損傷を与えにくくなります。例として、車長用ハッチに命中してもエンジン火災が起きなくなります。
  3. HE弾が装甲に命中してもダメージがまったく入らないということが無くなります(空間装甲へ命中した場合を除く)。これにより、陣地占領を防いだり、HP量が少なくなった敵車輌に止めをさしたりなど、HE弾の使い道が広がります。調整後は小・中・大口径のどの砲でも有効な弾種になることを予想しています。
  4. 装甲が薄い車輌に対して、今までのように大ダメージを与えられなくなります。重装甲の車輌へ攻撃した時と比べるとダメージ量は大きいですが、今までのように何倍もののダメージが入るようなことはなくなります。

調整後のHE弾

HE弾を有効弾として使える状況を、より鮮明にしたいと考えています。結論から言ってしまえば、現在のゲームシステムでHE弾だけを使って戦うのは不利です。その代わり、HE弾は次の特定の状況下で有効に使えます:

  1. 陣地占領のリセット。この調整で陣地占領をリセットできる確率が高くなりました。
  2. HP量がごく僅かの敵車輌に止めを刺す。
  3. 敵車輌の行動を妨げる。調整後のHE弾は、履帯切断および着弾地点にある外部モジュール損傷確率が高くなります。

サンドボックステストにご参加ください!

以前サンドボックステストに参加したことがある場合は、前回参加した時点からサンドボックステストを始めることができます。皆さまからのご意見をもとに、引きつづき『World of Tanks』の調整を続けてまいります。

今後とも『World of Tanks』をご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

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